やわらかな感情を表現することで、人と世界とつながれる。
こんにちは。つながり探究家の美月です。
昨日は、つながりの学校のメンバーであり、14年看護師をしていて「自己表現はしたいけれど自分の本当にやりたいことがわからない」と言っていたSさんの初の個展「空に書くことば展」に参加しました。
まだまだ余韻冷めやらぬ中、展示を見て湧いてきたのは
人生は、とても美しい。
という願いにも似た想いです。
最初の方に展示してあった詩で、
「究極のないものねだり」という作品がありました。
「わたしは、他の誰かになりたかった」。
「どうして自分に生まれてきてしまったんだろう」
という気持ちになったこと、わたしにもあります。
どうして、別の誰かじゃなくて、このわたしに。
そういう、誰もが一度は感じたであろうリアルな感情が飾らず、編集せずにやわらかなままでそこにはありました。
「人生の物語がはじまる予感」という詩が展示のはじまりを告げ、
空間を歩くとともに、作品のニュアンスも変化していきます。
「わたしは誰?」という問いを抱えながら
愛おしい誰かと出逢ったり、別れたり。
時には自分の目の前が真っ暗になるような出来事があったりもしながら。
それでもSさんは、他の誰かになりたかった自分から、
「他の誰でもないわたしを生きる」ことを決意し、
そこから大切な人と出逢い、日々を歩んでいる。
「きみは、しあわせにならなければならない」
これは、SさんがSさん自身に告げた言葉なのか、
はたまた誰かを想っての言葉なのでしょうか。
さみしさの殻に籠っていた世界から、大切な誰かと出逢ったり離れたりする変遷を経て、自他の境界線があいまいになっていく様を作品を通じて感じていました。
誰もが、誰かを生きている。
ひとりだけど、ひとりじゃない。
まさにSさんがつながりの学校で歩んだ変化も含んでひとつの大きな物語として描かれていて、わたしはうるっと涙しました。
自分を生きるって、誰かを想うって、
そして自分を生きながら世界とつながれるって
なんて美しいんだろう。
「ことば」を、「描く」。
わたしも場づくりの少しお手伝いをさせて頂き、作品の中から今自分が一番惹かれる作品を選び、そのインスピレーションを絵にする、というお絵描きコーナーを設置しました。
「絵なんてどうやって描くかわからない」
「人の眼が気になっちゃって描けない」
「中学校ぶりかな、10年ぶりに絵具にふれる」
などと言いながらも絵具に興味を持ったメンズたちが、
描き始めると没頭、没頭。自分の世界を泳ぎ、無言で描き続けていました。
そうして完成した自分の作品にご満悦。
写真に収めたりしながら、大事にしまって持ち帰っていました。
そんな姿も愛おしく、尊い…。
言葉や感情で表現しきれないからこそイメージや絵で表現する。
どんな方法でも、やわらかな内面をくみ取り表現する姿は等しく尊い。
右脳や感性をひらくアートワークを日常に散りばめる様子はつながりの学校ならではの風景です。
わたし"と"あなたの相互作用
つながりの学校では、「わたしかあなた」の世界ではなく、「わたしとあなた」の世界をみんなで創る思想を大事にしています。
今回のSさんの作品もまさに、自分とのつながりもあれば、他者とのつながりを描いた作品も多く、わたしはそれが本当に嬉しかったんですよね。
作品の中で、Sさんがつながりの学校のメンバーを想って、1人1人を描いた作品がありました。
その人の特徴を微細に捉えたり、ともに歩んだ想い出が蘇ったり。
ただただ、嬉しかったです。
誰もが、誰かとつながって、影響し合って生きている。
相手から自分を観ることも、
自分から相手を観ることもある。
受け取り、与え、循環している。
満たし合い、いかしあう優しいつながりが存在していることに、
心からの感謝と喜びを感じた時間でもありました。
Sさん、初の展示、詩人デビュー、おめでとう。
大切な内側を覗かせてくださり、ありがとうの気持ちでいっぱいです。
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「自分らしく、他者とつながる。」
自分も相手も犠牲にせず、お互いを満たし合うつながりの世界の育み方を学ぶつながりの学校の2期メンバー募集は2023年12月を予定しています。
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