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厳選集

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数あるアルバムレビューの中から閲覧数、いいねの数、個人的な感想に基づいて内容の濃いものを厳選しました。
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Cannonball Adderley- Radio Night (1967&1968)

Cannonball Adderley- Radio Night (1967&1968)

本作はヴァージンレコードのジャズレーベルであるナイトからリリースされた未発表音源で1967年の最終週と1968年の第1週の音源をカップリングしたものです。ただ個人的にはもっと後の音源もあるように思います。このナイトレーベルはアトランティックで数多くのジャズアルバムの制作に携わったプロデューサー兼エンジニアのジョエルドーンが自身の録音からいいものを厳選して発表しておりこれはラジオ放送用の音源。この後

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George Benson - The Other Side Of Abbey Road(1970)

George Benson - The Other Side Of Abbey Road(1970)

ビートルズのアルバムアビーロードがイギリスで発売されたのが1969年の9月26日のこと。(日本では同年の10月21日に発売。全世界同時発売がメインの最近では1ヶ月もタイムラグがあるのは違和感があります。)なのでアビーロードの紹介とはならずあえてカバーアルバムを紹介します。本作はジョージベンソンのアルバムで何とアメリカでのアビーロードの発売が10月1日にも関わらず録音は同年の10月22日に開始ししわ

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Allen Toussaint - Southern night (1975)

Allen Toussaint - Southern night (1975)

今日はアラントゥーサンのソロアルバムサザンナイトを紹介します。この頃のアランはザバンド、ヴァンダイクパークス、ドクタージョン、ポールマッカートニー、ラベルのレコーディングに関わりボニーレイット、ボズスキャッグス、グレンキャンベル等が彼の曲をカバーしてそれをきっかけにニューオリンズ音楽がブームになるなど人種や国籍、ジャンルを超えて注目されてノリにのっていた頃のアルバムで調子の良い頃に作られただけあっ

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Dr. John - In the Right Place (1973)

Dr. John - In the Right Place (1973)

前作「ガンボ」がニューオリンズの歴史を紹介する一枚なら本作はニューオリンズの今を紹介した一枚です。その証拠に前作が一曲を除いて全て過去のヒット曲のカバーだったのに対して本作ではカバーは2曲だけで、もう2曲は共作、残りは全て先生による曲です。またサウンドも前作が先生のピアノをメインにしたオーソドックスなR&Bだったのに対して本作はミーターズを中心にしたバンドのサウンドをフィーチャーしたファンクやロッ

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Herbie Hancock.  The New Standard (1996)

Herbie Hancock. The New Standard (1996)

ジャズでスタンダードナンバーと言うと普通は戦前から1950年代くらいまでのポップスやミュージカル、映画の挿入歌が一般的です。しかし本作はニュースタンダードというだけあって1960年代以降のロックやR&Bばかりの選曲です。ここから新たなスタンダードナンバーはあまり生まれませんでしたがいいアルバムであることには変わりありません。

メンバー
ハービーハンコック:ピアノ
マイケルブレッカー:サックス

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Stevie Wonder. Songs in the Key of Life(1976)

Stevie Wonder. Songs in the Key of Life(1976)

今年も一年ありがとうございました。最後の更新は大作が故に後回しにしてきたスティービーワンダーのキーオブライフを紹介します。LP2枚におまけのEPが一枚という本作。少し冗長に思えたり他にもっといい曲あったんじゃと思わないでもないものもありますがスティービーの才能をこれでもかと詰め込み、ジョージベンソンやハービーハンコックを始めとした豪華ゲストを迎えた本作はスティービーを聴くうえでも語るうえでも欠かせ

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Weather Report.  Black Market(1976)

Weather Report. Black Market(1976)

本作は初めてジャコパストリアスが参加したアルバムとして有名ですがリズム隊のメンバーチェンジの最中でベースはアルフォンソジョンソンからジャコへ、ドラムはレオンチャクラーが録音前に脱退、ナラダマイケルウォルデンが参加するも正式メンバーにはならずチェスタートンプソンが加入(彼も次作で脱退)、パーカッションはアリリオリマからアレックスアクーニャに交代。さらにその間にはドンアライアスも参加(彼は1stに参加

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Average white band. Soul searching (1976)

Average white band. Soul searching (1976)

幻想的な白黒ジャケットですがそれを反映したようにバラードはメロウかつ幻想的なタッチが増しました。一方でファンクナンバーはシャープなアップテンポだけでなくネットリとしたミディアムテンポのものも増えています。またある曲に別の曲のメロディを数フレーズ入れたり、コーラスで別の曲の歌詞を歌ったりとトータルアルバムっぽい仕上がりです。AWBの中では地味目な一枚ですが代表作と肩を並べる出来だと思います。

メン

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Janis Joplin. Pearl(1971)

Janis Joplin. Pearl(1971)

ジャニスジョプリンというとチープスリルが有名ですがサイケで荒いサウンドと激しすぎるシャウトがあまり好きではなかったりします。個人的にはPearlが1番だと思っています。いままでのサイケロックやブルースから離れソウルやルーツロックに接近したサウンドはロックとしてもソウルとしてもどちらでも聴けます。オリジナルは10曲ですがレガシーエディションでは没テイクを8曲、70年のフェスティバルエクスプレスという

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Azteca. S,T. (1971)

Azteca. S,T. (1971)

アステカはサンタナに参加したパーカッション、ティンバレス奏者のコークとシーラEのお父さんでシンガーのピートのエスコヴェート兄弟が結成したバンドです。サンタナ出身者やレニーホワイトやポールジャクソンも参加していますがサンタナの二番煎じの大物が有名になる前にいたB級バンドなどでは決して無くラテンをベースにロックやソウル、ファンクを融合したベイエリアらしいバンドです。ジャケットはマヤ文明の石碑?をアレン

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Miles Davis. In a silent way (1969)

Miles Davis. In a silent way (1969)

インザスカイからエレクトリック路線を進み始めたマイルスですが個人的にはこのアルバムからサウンドがガラッと変わった印象があります。またメンバーも様々な国の出身者で構成されるようになり、後にウェザーリポート、RTF、ヘッドハンターズ、マハヴィシュヌオーケストラ、ライフタイムと歴史に名を残すようなバンドを作っていきます。そう考えると2つの意味でフュージョンの走りと言えるかもしれません

メンバー
マイル

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Donny Hathaway.  These Songs for You, Live! (2004)

Donny Hathaway. These Songs for You, Live! (2004)

ダニーハサウェイは71年にライブ、80年にインパフォーマンスの二枚のライブアルバムをリリースします。本作はその二枚から選りすぐった曲と未発表曲6曲、インタビューの音源を収録した編集版です。録音時期もメンバーもごっちゃになっていますが意外と統一感のある内容で無視するのはもったいない一枚です。

Flying easy
ガッチリとグルーヴする曲とジャジーなギター舞うようなエレピがかっこいい曲。
頭3曲

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Miles Davis. On the corner (1972)

Miles Davis. On the corner (1972)

音楽を聴いていて不気味という思うことはあまりありませんがこのアルバムに関しては恐ろしく不気味に思えました。同時にその不気味さに引き込まれるように夢中になっていきました。もう何がなんだかわからない構成、どの音がどの楽器から出ているのかわからないサウンド、あってないような曲の切れ目。音に見合わないポップなジャケット。魔力を感じる一枚です。

オリジナルバージョン。勇気と時間のある人はコンプリート盤を聴

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Ramsey Lewis. Sãlongo(1976)

Ramsey Lewis. Sãlongo(1976)

太陽の女神でアースと協力しよりファンキーになったラムゼイ。本作でも自身のバンドに加えアースやジョージデュークバンドのメンバー、さらに腕利きのミュージシャンを多数起用しますますファンキーになっています。ボディペイントをしたジャケットはびっくりしますが気にせず聴いてみてください。

ラムゼイルイスグループメンバー
ラムゼイルイス:ピアノ、エレピ
ロンハリス:ベース
ダーフレクローラヒーム:フルート、パ

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