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CTI

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僕の好きなレコードレーベルCTIとそのサブレーベルのKUDUのアルバムをA&M時代も含めてまとめました。
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Stanley Turrentine - Cherry (1972)

Stanley Turrentine - Cherry (1972)

 本作はスタンリータレンタインとミルトジャクソンというブルースが得意な2人のコラボ作ということもあってかホーンやストリングスアレンジを排しCTIにしては作り込みを甘くしてブルースフィーリングの濃いアドリブを引き出すことに成功しています。個人的にはスタンリー、ミルトの両名がCTIに残したアルバムの中で一番気に入っています。
 余談ですがもしここにウェスがいたらどうなっていたのか。生前もっとアドリブを

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Airto - Free (1972)

Airto - Free (1972)

RTFにも参加したパーカッション奏者によるソロアルバムでRTFの全メンバーにCTIオールスターとキースジャレットが加わって制作されています。基本的にはRTFのあの音ですが、よりブラジルの土の匂いやジャズ的なアドリブが多いのが特徴です。日本盤ではRTF人気に乗っかるため名義がアイアート&チックコリアになっているうえに邦題もリターントゥフォーエバーとなっています。乗っかりが分かりやす過ぎます笑

メン

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Wes Montgomery. Road song (1968)

Wes Montgomery. Road song (1968)

 CTIでの最終作は当時イージーリスニング界で人気のあったバロック調のアレンジをウェスの希望で導入しています。ただ個人的にはオーケストラが甘すぎるように思いCTI時代のウェスのレコードで一番最初に買ったものの一番聴いた回数は少ないです。イージーリスニング的にはこれでいいのかも知れませんがソロを増やすとかして刺激を加えた方がよかったかなと思ったりも。本作の録音から一ヶ月後ウェスは急死してしまいます。

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Gabor Szabo - Mucho

Gabor Szabo - Mucho

ボブジェイムズ企画番外編として初期のプロデュース作品である本作を紹介します。本作はエンジニアでCTIのほとんどのアルバムを手がけたルディヴァンゲルダーの名前がなく演奏するメンバーも西海岸を拠点にした人ばかりなのでおそらく西海岸で録音されたものと思われます。ガボールの個性的なギターとこの地のグルーヴはミスマッチなように思いますがそこはボブジェイムズ。しっかりまとめています。

ガボールザボ:ギター

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Bob James - 4 (1977)

Bob James - 4 (1977)

CTI最終作の本作はCTI時代の実験的なアレンジやファンク的なリズムを残しつつもこれ以降のスムースなサウンドやかっちりとしたビートも聞くことができます。(どっちかというと後者の比率高めです)個人的にはタッパンジー時代の作品やフォープレイは洗練されすぎていて好みではないのでこれが実質ボブジェイムズの最終作になっています。ジャケットはスタジオで適当に撮ったような顔写真にパワポでセンスない人が使いそうな

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Bob James - Three(1976)

Bob James - Three(1976)

本作はボブジェイムズ史上もっともファンキーといえる一枚です。ソウルミュージックへのアプローチは1作目からありましたが本作ではソウルの中でもファンクに焦点を絞ったアプローチをしています。さらにアイルランドやジャマイカ等いままでよりもグローバルな視点にたった選曲もあり最も興味深い一枚です。ジャケット裏にはクインシージョーンズ、メイナードファーガソンといったかつての師や共演したサラヴォーン、ロバータフラ

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Bob James - One (1974)

Bob James - One (1974)

ボブジェイムズのCTIでの記念すべきファーストアルバムです。もうすでにこちらで解説しているので詳細は省きますが3度目の正直であると同時に成功が約束されていたといってもいいくらい裏方としての名前を売ってきたのでヒットと後の成功は妥当と言えます。クラシック、ファンク、ジャズ、現代音楽と持てる才能を全て注ぎ込んだ一枚。どことなくミステリアスなサウンドや音圧の強いホーンアレンジも合間って彼のアルバムで一番

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Freddie Hubbard - Keep your soul together (1973)

Freddie Hubbard - Keep your soul together (1973)

CTIのフレディハバードのアルバムは電気楽器や8ビート、16ビートを使いつつ正統派のモダンジャズ感の強い作品が多い印象があります。本作が録音された1973年フレディはダウンビートの人気投票でマイルスを抑えて一位を獲得しています。人気、実力ともに最高の時期を記録した一枚です。

※以前このアルバムを誤って1974年リリースと紹介していましたが正しくはタイトルにある通り1973年です。ごめんなさい。

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Antônio Carlos Jobin. Wave(1967)

Antônio Carlos Jobin. Wave(1967)

当初はブラジルのみで活躍していたアントニオカルロスジョビンを世界的に有名にしたの当時ヴァーブでプロデューサーとして勤めていたクリードテイラー。彼がCTIを設立するとジョビンもそこから三枚のアルバムをリリースします。アレンジはジョビンの私生活でも仲の良かった友人でありテイラーの右腕とも言える存在のクラウスオガーマン。リズムには複数のブラジル系のドラマーやパーカッション奏者とロンカーターを起用しイージ

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Astrud Gilberto & Stanley Turrentine.  Gilberto with Turrentine (1971)

Astrud Gilberto & Stanley Turrentine. Gilberto with Turrentine (1971)

ボサノヴァシンガーのアストラッドジルベルト。彼女のアルバムはほとんどがストリングスを使ったイージーリスニング。一方のスタンリータレンタインはブルーノートに男臭いソウルフルなジャズを数多く吹き込んできたサックス奏者。スタイルが異なりすぎて合わなそうな2人を共演させたのはおそらくクリードテイラーはかつて自分が制作しヒットさせたゲッツ/ジルベルトの二枚目を期待したからではないでしょうか。ヒット、セールス

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Milt Jackson - Olinga (1974)

Milt Jackson - Olinga (1974)

ヒップホップグループのATCQがサンプリングしたレコードを紹介する動画を見た時ミステリアスなジャケットとクールな演奏に惹かれました。本作はCTIからのリリースですがその内容はかなりハードバップ的なサウンド。その中にほんのり顔を見せるグルーヴィなビートや電気楽器がクールかつファンキーなサウンドを作り上げています。ちなみに本作がリリースされた1974年は長く続いたモダンジャズカルテット(MJQ)解散の

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George Benson - The Other Side Of Abbey Road(1970)

George Benson - The Other Side Of Abbey Road(1970)

ビートルズのアルバムアビーロードがイギリスで発売されたのが1969年の9月26日のこと。(日本では同年の10月21日に発売。全世界同時発売がメインの最近では1ヶ月もタイムラグがあるのは違和感があります。)なのでアビーロードの紹介とはならずあえてカバーアルバムを紹介します。本作はジョージベンソンのアルバムで何とアメリカでのアビーロードの発売が10月1日にも関わらず録音は同年の10月22日に開始ししわ

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クリードテイラー

クリードテイラー

 8月23日にプロデューサーのクリードテイラーが亡くなりました。僕が初めて聴いた彼のプロデュース作品はジョージベンソンのBad benson。その後デオダートのファーストアルバムでCTIにどっぷりハマりCTIに限らずA&M時代のCTI、ヴァーブ時代のアルバムもたくさん聴きました。彼の略歴や個人的な感想を書こうと思います。

略歴

 クリードテイラーは1929年生まれ。ベツレヘムレコードに入社、そ

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Herbei Mann. Glory of love (1967)

Herbei Mann. Glory of love (1967)

今日はハービーマンがCTI(A&Mのサブレーベルだった時)に出したアルバムを紹介します。ハービーマンもCTIもわかりやすく楽しいジャズが得意なので楽しく聴けるアルバムに仕上がっています。

メンバー
ハービーマン:フルート
ロイグローバー、ローランドハナ、ポールグリフィン:ピアノ、オルガン
ロンカーター、アールメイ:ベース
グラディテイト、ハーブロヴェル:ドラム
テッドソマー、ロイエアーズ:ヴァイ

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