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休暇に着目したワーケーションの分類について@組込みソフト技術者がワーケーションについてまとめてみたシリーズpart5

お久しぶりです。溝口です。
好評につき第5弾となります。

以前説明させていただいたワーケーションの分類については働き方(ワーク)に着目した分類となっていましたが、休暇(バケーション)の過ごし方という視点でワーケーションを分類いたしました。

どちらかというワーケーションの事業を進めている方向けの情報かもしれませんが、ワーケーションするという視点においても気づきが得られる内容になっていると思いますので是非ご一読ください。

これまでの内容はマガジンとしてまとめていますので、こちらも合わせてお読みいただけると幸いです。

現状のワーケーションの分類について

働き方に着目した分類は観光庁のサイトなどでまとめられていますが、休暇の過ごし方に着目した分類についてはあまり検討されていません。
働き方の分類ではバケーションアズワーク、ワークインバケーション、スクラム、コプロプレムソルビングの4つの種類に分類されます。
詳細については以前私が投稿した記事をご覧ください。

そのため、今回は休暇という観点に着目して実際のデータを交えながらワーケーションを分類してみました。(世界初の内容だと思います。)

休暇による分類_現状

分類の前にリカバリー経験について理解しましょう

ワーケーションを休暇の過ごし方という観点で分類する際に重要になるのが、リカバリー経験という考え方です。
なので、まずはリカバリー経験について説明したいと思います。

以下はSabine Sonnetagさんの論文の抜粋になります。

“Effort expenditure at work draws upon an individual’s resources and may cause mood- and performance-related strain reactions (Repetti, 1993; Totterdell, Spelten, Smith, Barton, & Folkard, 1995; Zohar, 1999). Recovery is necessary to prevent an ongoing deterioration in mood and performance in the long run (Meijman & Mulder, 1998). Studies show that recovery is closely related to well-being; insufficiently recovered individuals experience increased levels of burnout (Sluiter, Van der Beek, & Frings-Dresen, 1999).“

(出典) Sabine Sonnentag (2003)
Recovery, Work Engagement, and Proactive Behavior: A New Look at the Interface Between Nonwork and Work
Journal of Applied Psychology 88 (2003), 3 pp. 518-528

簡単に言うと仕事することで溜まったストレスがOFF期間(プライベート)において軽減されないと、仕事のパフォーマンスに悪い影響(燃えつき症候群など)を及ぼします。
また、リカバリー経験が仕事のパフォーマンスだけでなく、個人の幸福感(well-being)に密接に関係しているという報告もあるようです。

ワーケーション先でのリカバリー経験としてどのような行為がより効果的なのかを考えると、休暇という観点でワーケーションの分類ができます。

休暇による分類_リカバリー経験について

リカバリー経験に関する調査報告

次にリカバリー経験の調査報告についてみていきたいと思います。

令和元年に発行された労働経済白書の中で、仕事と余暇時間の境目をマネジメントする能力(バウンダリーマネジメント)に関する記載がある。
バウンダリーマネジメントとして実施されている行動として、【家族や恋人と過ごす】、【趣味活動をする】についで【一人の時間を過ごす】、【仕事に関係しない人物と交流する】がそれぞれ30%近い値で続いています。

現状ワーケーションについては単身で実施することが多いことを考えると、余暇の過ごし方は一人で過ごすか、仕事に関係のない人物と交流するが半々になるということである。
つまり、ワーケーションを休暇という観点で分類する場合少なくとも上記2つの観点で分類することができる。

上記の分類を国土交通省の発行している関係人口に関する調査報告書の内容を基に考えると以下の考えることができる。
【一人の時間を過ごす】 ⇒ 趣味・消費型
【仕事に関係しない人物と交流する】 ⇒ 参加・交流型


休暇による分類_調査報告

ワーケーションに関する調査報告に関して

では先ほどまで説明した内容がワーケーションの実態と一致していくのかを見ていきたいと思います。

山梨大学とクロス・マーケティングがまとめたワーケーションに関する調査にてワーケーション実施時の働き方についてまとめられている。この中で回答の上位2つが【業務時間内は仕事中心で、業務時間外も、遊びや観光・地域での交流を行わない】、 【業務時間内は仕事中心で、業務時間外は、積極的に遊びや観光・地域での交流を行う】でそれぞれ22.1%、21.3%となっている。

先ほどのページで述べた以下の説明ともおおむね一致する結果となっていることが、このレポートからも見て取れる。

【業務時間内は仕事中心で、業務時間外も、遊びや観光・地域での交流を行わない】⇒【一人の時間を過ごす】 ⇒ 趣味・消費型

【業務時間内は仕事中心で、業務時間外は、積極的に遊びや観光・地域での交流を行う】⇒【仕事に関係しない人物と交流する】 ⇒ 参加・交流型

リカバリー経験や、ワーケーションの現状からみると休暇という観点に着目した場合、少なくとも趣味・消費型、参加・交流型の2つに分類することができる。

ワーケーションの分類について再定義してみる

働き方に着目した4分類と急速に着目した2分類で4×2の8パターンのワーケーションが考えられることになる。
但し、組み合わせとして現実的に起こりえない組み合わせもあると思われる。
例えばコプロブレムソルビング×趣味・消費型は相反する組み合わせになるため現実的には考えずらいですよね。


休暇による分類_今後

終わりに

今回もお付き合いいただきありがとうございました。

次回はこれらの分類に基づき、それぞれのワーケーションスタイルの違いについてまとめてみたいと思います。

上記以外にも、ワーケーションの現状やワーケーションで課題になっていることをまとめていきますので、ご興味ある方これからも宜しくお願いいたします。

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