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寿司屋の経営を想う


最近、少人数であれば外食をする機会が徐々に増えてきました。と言ってもコロナ前に比べるとまだまだ少ないのですが。改めて、街中を歩いたり地元のお店を散策してみると、新たな発見もあって意外と新鮮な気持ちになります。

一番目につくのは、やはり潰れているお店が多い事。今まで1度も行ったことないくせに、あーこの店潰れて残念…とか思っている自分が嫌になりますが、同時にコロナ禍での飲食店の経営の大変さを勝手に想像しています。


寿司屋発見


そんな中、近所に今年の11月にオープンする寿司屋がある事を発見しました。と言っても以前もそこは寿司屋でしばらく潰れた状態のままでした。つまり居抜き物件にまた寿司屋が入った形です。正直、コロナ禍でしかもこんな住宅地でチャレンジングだな~と思ったのですが、本当にそうか?とちょっと妄想してみる事にしました。

決して暇ではないです…

ざっとお店に関する情報をまとめると、

・エリア:都内品川区 目黒線沿い、低層マンションや戸建てが多い場所
・立地:駅徒歩1分の路面店。住宅地(ファミリー層や老夫婦が多い)
・広さ:不明だが20席程度(約20坪程度?で1階のみ)
・その他:バイト募集中(張り紙有)、近くに駐車場はなし、近くに寿司屋は無いが駅徒歩15分ぐらいの所にチェーン店の寿司屋がある、近くの飲食店は蕎麦屋、居酒屋、イタリア料理屋、カレー屋がある

外から分かる情報はこんな程度で、他の情報は妄想していく事になります。


寿司屋の戦略&コンセプトを想う


まず、ターゲット(顧客)は誰か?
上記のエリアや立地から考えると、40代半ば‐50代夫婦のファミリーや老夫婦が主なターゲットになると考えられます(ファミリーの子供は小中学生以上を想定)。また、お店のキャパシティや駐車場が無い事からも、遠くても半径1キロ圏内に住む人が対象になりそう。

顧客ニーズは何か?
勿論、魚やお寿司が食べたい。更にそれに合うお酒が飲みたいとなるのですが、やはりターゲットを想定すると、値段よりも味への拘りを想定しておく必要があります。更に時間を気にしない居心地の良さを求めているかもしれません。

最後に強みは何か?
ガチの競合となる寿司屋は少し離れたチェーン店であり、ターゲットや顧客ニーズからも、魚の目利きやその調理力、そして小さい店だからこそのお客に寄り添った接客を強みにするべきだと考えます。(厳密には他の飲食店も競合ですが一旦そこは無視します…)

まとめると、こんな感じでしょうか。

・ターゲット:地元に住むシルバー層や余裕のあるファミリー層(中間層)
・顧客ニーズ:値段より味への拘りや居心地の良さ
・強み:素材が良い拘りの料理と親しみ易い接客


「戦略」としては下記になるのかなと思います。


値段より味への拘りや居心地の良さを求める地元の中間層に対して、厳選素材の料理と親しみ易い接客で満足してもらえる寿司屋になる


もっと端的にコンセプト風に言えば、「地元で愛されるお寿司屋さん」と言った感じでしょうか。

では、この戦略でお店を続けていくには、やはり利益を出し続けていく必要があります。


次はその為の計画を妄想してみましょう。


寿司屋の事業計画を想う


上記の戦略を元に事業を始めて、本当にやっていけるのか、利益出るのか?そこが気になるところです。

まずは、寿司屋の開業資金がいくらかかるのか?

調べるとピンキリのようですが、約1300万円はかかるようです。

内訳はザックリと設備費用に約700万円、物件取得費に約300万円(家賃によって変動)、そして当面の運転資金として約300万円といった感じです。居抜き物件で入った場合は分かりませんが、設備費用がもっと安く済みそうです。

とは言え、結構かかりますね。。

資金調達の仕方としては、公庫(日本政策金融公庫)や金融機関で借りる、または自己資金があればあるだけ良いと思いますが、公庫と自己資金で半々ぐらいが理想のようです(親や友人からの借り入れがあれば、自己資金30%が現実ラインみたい)。最近ではクラウドファンディングを利用する事も可能だと思いますが、今回は一旦外しました。


次に収支計画を見てみましょう。
ここは非常に重要な部分ですが、残念ながら想像が多くなります…


まずは、販管費について。

・人件費:85万円(2名分)※寿司職人の平均年収から算出
・バイト料:7.2万円(バイト1名 @1200円/5時間/週3想定)
・家賃:20万円(対象エリア&立地の貸店舗の相場から算出)
・減価償却:10万円(設備投資600万円の5年償却)
・支払利息:12万円(公庫から700万円を1.1%で5年借入)
・リース料:6000円(おしぼり等)
・水道光熱費:10万円 (坪当たり5000円換算)
・通信費:5000円
・ゴミ処理費用:8000円
・保険:5000円
・広告宣伝費(チラシ1.2万部配布込&のぼり等):10万円 
※ラクスル参考(厳密には毎月発生ではない)
・雑費(消耗品/クリーニングなど):3万円

合計 159.6万円


続いて、売上と原価になります。

まず売上については、下記の構造で考えます。

平均客単価 × 席数 × 回転数 × 月の営業日数 = 月額売上

客単価は戦略を踏まえてもやや高めの設定として、7000円ぐらいとします。座席数は20席で回転数は1回転がやっとだと思いますが、満席前提は有り得ないので0.8回転。そして、営業日数は25日間と想定してみました。

【売上】
7000 × 20 × 0.8 × 25 = 280万円


正直、ピンときませんが(笑)
なかなかの金額だなと、本当にいくかちょっと焦りますね。

更に、原価ですが飲食店の原価率は平均で30%と言われているようです。ただ、寿司屋の場合、原価率40%を超えることは珍しくないらしい。ちなみに、スシローの原価率は50%のようです。あの価格で50%なら逆に凄いなと感じますが、ツナマヨ、コーン、かっぱ巻きなど原価率20%以下の商品も沢山食べてもらう事で成り立っているようです。

と言う事で、今回は原価率40%で計算すると、

【原価】
280万 × 40% = 112万円


これで、出揃いました。

売上:280万円
原価:112万円
粗利:168万円
販管費:159.6万円
営業利益:8.4万円


微妙…
営業利益率3%って低いな。

調べてみると、スシローは7.3%、くら寿司は4.0%なので、まぁこれぐらいなのかもしれない。大手回転ずしチェーンと比較するのもあれですが…


寿司屋のKPIを想う


少ない利益(勝手な想像ですが…)を改善し、更に利益を出していくポイント、所謂KPIをどこに設定するのかが重要になります。下記のロジックツリーで見てみましょう。

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まず売上ですが、新規もリピート客もどちらも重要ではあります。ただ、地元密着型の小さなお店なのでやはりリピート客、つまり馴染みのお客をしっかり作る事が非常に重要になると考えます。

また、客単価を上げる事も重要です。今回7000円と設定しましたが、コースを作るのが戦略に則っており、オペレーション的にも良いかと思います。ただ、料理への拘りと言う点では単品料理も必要なので、一つ一つの商品単価の設定は原価率も考えながら慎重に設定するべきでしょう。

最後はやはりコストです。食材の原価を中心に変動費の削減も勿論やるべきですが、サービスや質の低下に影響するので慎重に検討が必要です。そうなると最初が肝心ですが毎月必ず発生する固定費をしっかり抑えていきたい。

多くは人件費(社員)と家賃になりますが、削れる部分は沢山あると思います。軽く調べただけでも、家賃の交渉、電力会社および電気の契約プラン変更、水道代の減免、リースの見直し、ネットバンクへの切り替えなど、やれる事は多そうです。更に宣伝広告費は変動費ではありますが、チラシも自分で配布したり、LINEなどのネット活用もするべきですね。


そういう事で、私なりに重要KPIを下記3つにしました。(定量目標は割愛)

・リピート客増やす
・商品単価を上げる
・固定費を下げる

まずは徹底的にこの3つに拘りPDCAを回していく事になります。



ここまで勝手に盛り上がってきましたが、分かった事はなかなかギリギリの経営になりそうだと言う事。ただ、近くに寿司屋がないのでやりがいはありそうだし、なによりも住民に喜ばれそう(少なくても私は嬉しい)

確かにお店を出す事はチャレンジングであるけれど、今なら「Go To Eat」の加盟店になって、新規顧客を取り易い状況でもあったり、最近は家籠りのストレスから外食する人も徐々に増えてきた。

そう考えると今はチャンスなのかもしれない。

早く「地元で愛されるお寿司屋さん」になって欲しい。


何はともあれ、来週お店に行く事を決めました。


ではまた。


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