それでも教師になりますか

それでも教師になりますか。
これはこの10年ぐらい私がずっと自分に問いかけている問いだ。
子ども(中高生)のころ、わたしは教師になりたかった。
現状、わたしは教師ではない。
教員免許すらない。
なぜ私(大卒)が教員免許を学生時代に取らなかったのか?
それは公務員試験と教育実習が大学4年の6月で、被っていたからだ。
ちなみに、私は公務員になりたかったわけではない。教師になりたかった。
それなのに公務員にならないといけないと思ってたから、公務員試験を優先することになった。
そして現在、公務員(国家)である。

私の親は公務員原理主義者だった。
子どもの頃から、公務員以外なってはいけないと育てられてきた。
(厳密にいうと公立学校の先生も公務員だが、ここでいう公務員は市役所とかで働いている行政系の人をイメージしてほしい。)
職業選択の自由は私にはなかった。
私の親はいわゆる毒親だったからだ。
自分の思いどおりにできないと、こどもを何時間も怒鳴り付けたり、時には暴力を振るったりするような親だった。
(ほかにも飛行機にはのってはいけないとか、部活はある武道でないといけないとか、よくわからないルールがあった。こどもを支配してこどもの人生をコントロールしようとしていた。)
公務員試験ガイドの職種の中から、なんとか自分の興味を持てそうなものを探すことを迫られた。
今なら私は言える、その本の中から仕事を探さなくていいと。

就職しても、やはり教師か、教育関係の仕事を諦めきれなかった。
連日、教師不足がニュースになる。仕事で、たまたま現役の中学校校長先生とお話する機会もあった。「教員志望がへって大変。でも、これから五年ぐらいでどんどん教員の待遇はよくなると思う」
教師を諦めなければよかった、とその時思った。

今からでも、教師になる方法はある。
けれど、長時間労働&残業代出ない、モンスターペアレント、ほとんど無給の部活、メンタルヘルスの問題で休職する人の多さ…教師の働き方の問題は山積みなわけで。
「大変だよ、それでも教師になるの?」

その答えは、今も出ていない。
教師じゃなくても、今よりも私のやりたいことのできる仕事があるんじゃないか。
教育関係の仕事って何があるんだろう。
教員免許をとる方法は。そのためにかかるお金は。
もう一度、大学にいくためにお金を貯める方法は。お金を借りる方法は。
そもそも教育学ってなに。
毒親育ちの子をどうやったら救えるの。
毒親を教育学はどう捉えるの。

卒業して2年、大学の同級生と集まり、母校の近所の豚カツ屋にいったら、店主が、こんなことをいっていた。「まだみんな社会人二年目ですか。社会で揉まれてますか。ひとつの夢がだめでも、まだまだリカバリーが効く年頃」
ほんまかいな。
今はまだ霧の中。
私はこれから、明日を探したい。

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