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目に焼き付けて

夜遅くに鳴る電話
それはあなたから

「500円貸してくれる?」

突然の電話でその一言
見え透いた事言ってる
わたしに逢いたいの?
だから電話してきたの?

500円を握りしめて
こっそり家を出る
車のエンジンを掛ける

久しぶりね
元気にしてた?
髪を切ったわたしはどう?

「はいお金」
「ありがとう」

わたしの車を運転するあなた
どこに行くの?
夜更けのドライブ? 

夜景を見るのね
きれいな夜景ね
あなたと見るからね
わたし目に焼き付けるわ

今度はどこに行くの?
いいよ
あなたの行きたいところで

いいよ
あなたの行きたいところで
わたしが欲しいの?

いいよ
あなたの好きにして
その代わり
わたしを目に焼き付けて

わたしを忘れないで
わたしを覚えていて
いつまでもいつまでも

500円はいらないわ
でもその代わり
わたしの痛みは
あなたにあげるわ

わたしを目に焼き付けて
わたしを忘れないで
わたしを覚えていて
いつまでもいつまでも

+++++++++++++++++++

夜遅くに鳴る電話。
誰かと思えば、最近疎遠になった彼から。
500円貸して、だなんて見え透いた口実を使ってね。

会ってあげるし、500円も貸してあげる。
だけど、うっすらとこれで最後にしようかなって思っちゃうの。

だから夜景を見るのもこれで最後。
目に焼き付けて、記憶に残すの。
彼にも私の事を目に焼き付けてほしい。
忘れないで。覚えていて。

でも、私はあなたを忘れるよ。
500円は返さなくていいから、私の痛みを利子代わりにあげちゃう。

なーんて感じのお話でした。
この前の「プラスティック・ラブ」の記事に引っ張られちゃったかなーw


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