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#67|妖怪に会いたければ、この時間にここに行くべし。

そもそも『妖怪』を考察したくて始めたマガジン(←昨日からマガジンに昇格してます)。

「鬼」の話が続きましたが、今日は鬼さんにはお休みいただいて「妖怪」に話を戻します。


まず復習しましょう。
「妖怪」とは、そもそも何でしたっけ?
100文字以内で説明せよ。

・・・チッチッチ・・・

はい、正解はこちら!

妖怪とは、古来の人々が理解しがたい事象や自然現象に対して共通の認識を持つことで、共通概念化が始まり、やがて形と名前が付けられることで生活に受け入れていった事象のこと。/83文字

ポイントは、

妖怪は人間の生活に密着していること
理解しがたい怖く不気味なものが対象であること

この2点です。

となると、それらが形を成した「妖怪」の現れ方にも共通した特徴が出てきます。

今日は妖怪に一度は会ってみたいあなたのために、妖怪に会える(かもしれない)場所と時間をご紹介しましょう。

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妖怪が現れる場所ベスト5

妖怪が現れやすい場所、それは「次の5つと人間の生活圏の境目」です。

:鬼、天狗、山姥、山爺など
:海坊主、舟幽霊、濡れ女など
:河童など
道(里):狐、狸、見越し入道など
屋敷:座敷わらし、化け猫など

いずれも日本人が長い暮らしの中で、精神的に特別な感情を抱いてきた場所です。

自分たちが住む「現実の世界」と神仏が住む「天上の世界」に分けて世界を認識する感覚、私たちもわかりますよね。昔の人は、人間でも神仏でもない妖怪は「現実」と「天上世界」の境に集まると考えてきたのです。

境目」です。

山には山の神が住みます。
海には海の神が住みます。
川には川の、道には道の…、八百万の神がおわす日本には、いたるところに神が宿ります。

だから妖怪は「山奥」ではなく、人里に近い里山に住んでいます。山奥は、神のお住まいだから、ですね。

海も同様です。
海の底や大海原は、海の神様が住む場所です。だから海底世界と人間世界の境目である海面に妖怪は住んでいると考えられてきました。

川や道(辻)は、そのものが「あちらとこちらの境目」の役割を果たしますよね。

屋敷、つまり家の中で妖怪が現れるのは、決まって奥座敷や普段は使わない薄暗い部屋です。人が住む生活空間と、仏間のある座敷「以外の」部屋ということです。


妖怪に会ってみたいあなたは、ぜひ「境目」の場所に足を運んでみてください。

ちなみに「時間帯」も重要ですので続きをどうぞ。

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妖怪が現れる時間帯

妖怪が現れやすい場所は「境目」がキーワードでした。同様に妖怪が現れやすい時間帯も「時間の境目」です

それは夕暮れどき。人間の生活時間である昼間と、休む時間である夜との境目


夕暮れのことを「黄昏時(たそがれどき)」と言いますよね。「黄昏」の語源は「誰そ彼(たそかれ)」、薄暗くなって人の顔が見えにくくなり、「誰だ、あれは」と思わず口にしたくなる時間帯、と言う意味です。

あるいは「逢魔が時」とも言いますよね。文字通り、妖怪や化け物と出会いそうな時間だという意味です。


妖怪や鬼は、元々「目に見えないものを恐れる」昔の人の観念に形が与えられたものです。

「誰そ彼(たそかれ)」や「逢魔が時」と、夕暮れ時に特別な言葉を当てはめた昔の日本人。見えないものを不気味に思う心情が伝わってきますね。


妖怪に会えるのは「夕方の里山や海辺、川」

「普段使わない部屋」というのは、現代の住居事情では難しいもの。妖怪に会いたいあなたは、外に出た方が手っ取り早そうです。

黄昏時に、「境目」に当たる場所に。里山や浜辺、川べり。道の辻でもいいしょう。


そっと静かにたたずんでいると…
「トントン」と肩を叩いてもらえるかもしれませんよ。



今日はこの辺りで。
書いていて楽しくて仕方ないので、明日も続きます。子供たちがなぜ妖怪が好きか?と言う点も書いてみたいですね。では。


【参考文献】


一緒に楽しみながら高め合える方と沢山繋がりたいと思っています!もしよろしければ感想をコメントしていただけると、とっても嬉しいです。それだけで十分です!コメントには必ずお返事します。