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#72|妖怪に会える特選日

「いや、会いたくはないかな…」と言われそうですが。

妖怪は季節や日に関係なくいつでも現れます。これが丑三つ時にしか現れない幽霊と違う点の一つでもありました。

ただ昔から「妖怪があらわれる日」というのは言い伝えられてきました。妖怪は「落ちぶれた神」なので、元々祭られていた日があるわけです。

本来祭られるべきだった日が、落ちぶれと共に「妖怪が出やすい日」として変わっていったというわけです。

人間の都合で…
なんとも複雑ですね。


代表的な「妖怪が出やすい日」をまとめました。

「百鬼夜行」なら1年中会える!

電灯のない平安時代は、都ですら夜は真っ暗です。行き交う人の姿すら見えない深夜の都通りには、沢山の妖怪が群れていると信じられていました。

深夜の通りを徘徊する妖怪の様子を、人々は「百鬼夜行」と呼び、恐れました。「百鬼夜行」に出会うと死んでしまうと信じられていたため、夜は外出せず、じっと家に籠って身を守っていたそうです。

その「百鬼夜行の日」というのがあります。

1月・2月 - 子(ね)日
3月・4月 - 午(うま)日
5月・6月 - 巳(み)日
7月・8月 - 戌(いぬ)日
9月・10月 - 未(ひつじ)日
11月・12月 - 辰(たつ)日

さあ、気になる2021年のカレンダー(旧暦)に当てはめてみましょう!

2021年版「百鬼夜行の日」(旧暦)

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1月 4日、16日、28日
2月 9日、21日
3月 11日、23日
4月 4日、16日、28日
5月 9日、21日
6月 2日、14日、26日
7月 1日、13日、25日
8月 6日、18日、30日
9月 8日、20日
10月 2日、14日、26日
11月 4日、16日、28日
12月 10日、22日
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さあ、コピペしましょう!
2021年のカレンダーに書き込んでおきましょう!

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「妖怪が現れる日」がある地方

地方によっては「妖怪が現れる日」が言い伝えられていることがあります。いくつかご紹介しますね。

まず北九州から。
「山姥」が12月13日と12月20日によく現れます。「山姥の洗濯日」と呼び、人間は洗濯をしてはいけない日だそうです(それは困る)。

この日にはかならず雨が降るそうですが、北九州の方、当たってますか?


次に奈良県
「果ての二十日」と言って、12月20日は「一つ目小僧」や「一本ダタラ」が現れ、鬼が自由に活動する日だそう。

奈良県南部の山は、古くから修験道の修行の場でした。12月20日は昔から「忌み日」とされており、山も深い雪に覆われる時期。うっかり外に出ると命を落とす危険もあります。

「そんな危険な日には外に出るな」という戒めの意味も込められているという説もあるようです。


伊豆半島を中心とした関東地方
旧暦2月と12月の8日に、「一つ目小僧」が出るそうですが、見かけたことありますか?

2月と12月の8日は「事八日(ことようか)」と呼ばれ、2月に山の神が里に下りて「田の神」となり、12月にまた山に戻っていくそうです。


長野県でも旧暦2月25日は「一つ目の日」と言って、この日に山に登ると「一つ目小僧」に会うと言われています。会ったことはありませんけどね(あ、私は信州人です)。


関東地方でも長野県でも、「一つ目小僧」は山の神が里に下りてくるときの姿だとか。山の神が里に下りてくるとき、人間と区別するために、このような姿になっていると考えられています。

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妖怪が出る日=神を祭る日

妖怪が出る日とされているのは、本来は神を祭る日だったという場合がほとんどです。

季節の変わり目や節目にも重なる日も多く、人間は仕事を休み家に籠って静かに休むというのは、昔の人の知恵だったのかもしれませんね。


▼「百鬼夜行カレンダー」なるものを見つけました!いかがですか?

▼参考文献▼

では、今日はこの辺で。

一緒に楽しみながら高め合える方と沢山繋がりたいと思っています!もしよろしければ感想をコメントしていただけると、とっても嬉しいです。それだけで十分です!コメントには必ずお返事します。