#46|「子どもを褒める」その前に大事なこと。それは「徹底的に観察する」
『「褒める・認める」という言葉は、上から目線な気がして好きじゃない』そう言う人に昔、会ったことがある。
その時は「気にしすぎでは?」くらいにしか思わなかったけれど、それも一理あると感じるこのごろ。
特に、子育てをするようになってからは。
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いま、子育ては「褒めて育てる」が主流だ。
「褒め育て」自体はとてもいいと思う。否定されたり、けなされたり、怒られ続けたりするよりはずっといい。
大人の世界も同じだけれど、「褒める」のは案外と難しい。褒めたはずが「媚びている」「下心がある?」と疑念を抱かれて、本来の目的が果たせなかった…なんて話も良く聞く。
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「ダメな褒め方」もあるそうだ。
せっかく褒めているのに「ダメ」なんて言われたら、褒める気もなくなりそうだが、それでも「ダメ褒め」というのはあるらしい。
子育てにおいては、『子どもの行動を大人の期待に沿うように誘導する、やって欲しいことをやらせるために褒めること』を指すようだ。
おだてる、に近い。
「〇〇できたね~!偉いね~!いい子だね~!」
この”褒め”を続けると、子どもは行動の目的が「褒められること」になってしまう可能性があるという。大人(他人)からの評価ばかり気にし、自分がやりたいことを見つけられなくなってしまうとも。
それは望まない未来だ。
「子どもの行動を大人の期待に沿うように誘導する」褒め方は避けたい。
「褒める」より「驚く」が良い、と書いた記事もどうぞ。
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「褒める」が難しいのは、「褒める」行動だけでは目的が果たせないことが多いからではないかと思う。
「褒める」には、言葉を発する手前がとにかく大事。褒めポイントを見つけるために、「相手をよく観察する」ことが何より重要だと感じる。
「褒める」には時間がかかるのだ。
12年間・1000人以上の教育業界での指導経験と、自分の子育ての実践から見出した「優れた『褒め』のポイント」、それは「子ども本人をよく観察すること」にあると感じる。
観察。
そう、とにかく観察から始まる。
観察のポイントは3つ。
ⅰ.子どもの現時点の課題(=成長テーマ)が何で
ⅱ.現状はどれくらいの到達度にあって
ⅲ.どんな「褒め」が成長を創り出す可能性があるか
たとえば、うちの娘の場合はこうだ。
ⅰ.現時点の娘の成長テーマ
自分の意志や気持ちを積極的に主張しない
⇒「 嫌なことは嫌」、とはっきり言えるようになると良い
ⅱ.現状の到達度
⇒ 様々な関わりを経て、保育園のお友達には言えるようになってきた
ⅲ.どんな「褒め」が成長を創り出すか
⇒ 誰に対しても「嫌は嫌」と言えた時に褒めたい
先日、公園で「褒めタイミング」に遭遇できた。
私は娘から少し離れ、遊具で遊んでいるのを見守っていたときのこと。遊び方を巡り、鉢合わせた子に娘が何か苦言を呈されている様子だった。さてどうするのかなと思いながら、子ども同士の解決を見守った。
すると娘はその子と一言二言交わし、無事完了した様子。
そして私はしっかり耳にした。娘が初対面のその子に、「自分はこう思う。あながが言っていることは、私は嫌だと感じる」という主旨の発言をしていたことを。
相手の子がその場から離れたのを確認し、遊びに戻ろうとする娘をつかまえ、伝えた。
「よく言えたね」と。
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「成長を創り出す褒め」は、伝えるタイミングもとても重要だ。
「褒め」には、相手の行動を肯定する効果もある。
褒められた側は、最中は無意識だったかもしれない行動を肯定されることで、自分がやったことを自覚し、正しさを認識し、成長の実感を得、今後の方向性を確認する。
「正しい褒め」には、多くの効果がある。
その効果を最大にするには、経験したことの印象が一番強い「起きた即時」は外せない。
時間が経つにつれ経験のインパクトは薄れ、伴って褒めの効果も減少するように感じる。
一言でいい。
一言でいいから、その場で・すぐに伝えること!
だから私はすぐに娘に駆け寄り、一言伝えた。
「よく頑張ったね」とねぎらいの気持ちを、背中をさする手に込めながら。
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「成長を後押しする褒め」のために重要なのは、以下を思い続けること。
ⅰ.子どもの現時点の課題(=成長テーマ)が何で
ⅱ.現状はどれくらいの到達度にあって
ⅲ.どんな「褒め」が成長を創り出す可能性があるか
もちろん、目の前の子どもとの時間を最大に楽しみつつ、である。
子どもと一緒に遊び、安全を確保し、好奇心も適度に刺激しつつ、なおかつ「正しい褒めポイント」を頭の隅に置き、子どもの様子を照らし合わる。
実に考えることが多い。「褒めて育てる」は、言うほど簡単じゃないんだ。だからこそ、チャレンジしがいのあるテーマなことは間違いない。自分自身の人間力の幅も広がてくれる。
子どもはあっという間に大きくなる。
子育てのほんの数年、脳を目いっぱい子供のために使って、子どもとともに自分も成長する。人生にそんな数年があるのは、とても幸せなことだと思う。
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