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#13|親だからわかる「子どもの好奇心を広げるちょうどいい塩梅と方法」

「幼児期に一番伸ばしたいのは好奇心」だと考えています。

好奇心とセットで伸ばしたい力に「努力を続けられるチカラ」というのがありますが、また後日書くとしまして。

学習塾の指導経験と自分の子を見ながら、何度考えてもやっぱり『一番大事なのは好奇心!』という結論に行きつくのです。


かのアリストテレスも言っています。

人は誰でも生まれつき「知」を求める。


近年、子どもに伸ばしたい力として話題の「非認知能力」の重要性について言及したアメリカのジャーナリスト、ポール・タフも著書の中でこう言っています。

人間は生まれながらの学習者で、子供たちは生まれつき創造力と好奇心を持っており、「学習と発達を促進する行動を取るよう、内発的動機づけがなされている」|「私たちは子どもに何ができるのか」

そう、人間は元来「好奇心を持った生き物」なんです。知らないことを知りたい、これは本能的な欲求です。


子どもの好奇心を広げ伸ばしたい。
そのために大人ができることは、子ども視点では見つけられない好奇心の種を与えること。子どもが自分で知っている知識・方法だけでは手にできない、大人だからわかる種を見せてあげることです。


今日は「子どもの好奇心を広げるために、”親だからできる”方法と塩梅」について具体例を交えて書いてみます。

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親だからわかる塩梅『ちょっとだけ上』を見せる

子どもは実に様々なことに興味を持ちます。そしてよく見ているとわかるものです。興味の入り口にたっただけなのか、のめり込み始めて「もっと!」という欲求が芽生えてきたか。

のめり込み始めた時が、好奇心を広げ伸ばすベストタイミングだと娘を育てていて感じます。このタイミングで『ちょっとだけ上を見せる』こと。このちょっとだけ、という塩梅が大事!

あまり広げ過ぎても混乱して興味を失います。
かといって近視眼的でも、子どもは面白くありません。

毎日子どもを見ている親だからわかる、「うちの子にちょうどいい塩梅」で少し世界を広げてあげましょう。

広げ方にも親本人の嗜好が反映されますが、例えば我が家での例をまとめました。


好奇心の広げ方事例①新幹線編

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最寄り駅が北陸新幹線の停車駅であることもあり、新幹線はとても身近。早い時期から興味を持っていました。

1歳は、ホームまで降りてスピードを感じたり、車体の大きさを感じたり。現実体験重視です。

2歳では図鑑や子供向け新幹線雑誌を買ってきて、北陸新幹線以外にも新幹線があると教えました。興味対象の拡大ですね。

言語が発達してくる3歳は、新幹線が走っている県名も覚え始めました。あるいは沿線にある名所も(東海道新幹線からは富士山が見える等)。知識の抽象度が増します。

今4歳、新幹線は様々な切り口から整理できると「情報整理法」に取り組んでいます。JR各社ごとの整理、特徴ごとの整理、速さ順、新しさ順…などですね。

ハイ、立派な子鉄ちゃんです。

この「興味の度合いによって与えるテーマ」の見極めは、親御さんしかできません。うちの娘と私の嗜好が、たまたまこの順番になったという事例で、どのお子さんもこの順番で当てはまるかというと、そうではないのでお子さんをよく見て合わせてあげてくださいね。


好奇心の広げ方事例②昆虫編

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子どもは小さい生き物が大好きですよね。

我が家も例にもれず、昆虫が大好きです。公園でアゲハチョウの芋虫を捕まえてきて飼っていますし、過去はカタツムリを飼育したり、カマキリを捕まえて保育園に持って行ったり…、カブトムシもイナゴも。

さて昆虫に興味を持ち始めた時は、以下の3つの方向で興味を広げました。

① 知識の水平展開|種類の多様性を教える
② 時間軸の存在|季節によって生息は変わる
③ 倫理観・道徳観|「いのち」のサイクルと尊さ

図鑑やテレビも活用します。ちなみにテレビはEテレです。「しぜんとあそぼ」と「カマキリ先生」が特にオススメです。


また実際に見に行く、捕まえにいくことも怠りません。当然「ママ、虫触れないの!ヤダー!」なんて言いません、自ら捕まえ、子供に渡します(もとと好きなんです)。山へも行きます。昆虫館にも通い詰めます。

2歳では怖がって触れなかったカブトムシに、3歳の夏に触れるようになりました。できなかったことができるようになる成功体験も積みやすいのが、昆虫の世界です。

生き物には命があること、命は受け継がれていること、だから粗末にしてはいけないこと。4歳になり、少しずつ理解を深めているようです。


好奇心の広げ方事例③ひらがな編

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これはどのご家庭も通る道ですね。教えてないのに、いつのまに読めるようになったの!?うちの子、天才!!って笑

娘は1歳半から保育園に預け始めましたが、しばらくして自分の名前に使われているひらがなから覚え始めました。保育園ではいたるところに名前がかいてありますから(当然ひらがなで)、自分の所有物と文字と名前とが頭の中で一致しやすいんでしょうね。

さてここからです。特に教え込むつもりはなかったのですが、「興味を持ったら広げる働きかけをする」がモットー。とりあえずお風呂ポスターを用意しました。

お風呂で「これはなに?」「それは『う』だよ」とやっているのが、うちの娘には一番合ったようです。自分が興味を持つ⇒親に尋ねる⇒答えが返ってくる、速いサイクルが実現し、2か月ほどで全てのひらがなを読めるようになりました。

次は私が文字を書くのを見ていて、自分も書きたいという欲求が出てきた様子。幼児ドリルを、それまでの「線を引く練習」から「ひらがな」にレベルアップ。

また外にでたら一緒に看板を読む。赤ちゃん絵本を自力で読ませてみる。そんな取り組みを続けました。

ひらがなを読めるようになると、「文字という概念を頭にしまいやすくなる」んでしょうか、気づいたらカタカナも読めるようになっていたのはおまけです。

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好奇心を広げる働きかけ、やってはいけないこと

子どもの好奇心という大事な芽を広げるために、機会を与える。この時にやってはいけないと思っていることが3つあります。

✔ 子供の取り組みを評価してはいけない
✔ 取り組みによる成果を求めてはいけない
✔ 子どもをひとりぼっちにしてはいけない

目的は「好奇心を広げること」です。スキルを身につけさせたり、できるようにさせたりすることではありません。

大人はつい、「〇〇したら、××できるようになる」と子どもが直線的に成長するように思ってしまいがち。でも成長するということは、そんなに単純ではないし、そんなに短期的なものではないと心に留めましょう。

繰り返しますが目的は「好奇心を広げること」。子供が楽しんで取り組めることが、何より大事です。

評価して良い・悪いをつけたり、できた・できないの物差しで測ったり、さらに機会を与えて「あとは一人でやりなさい」では、子どもは楽しくありません。

子どもが興味を持ったことをきっかけにして、親自身も新しい興味対象として一緒に楽しむ。それくらいの姿勢がピッタリです。

なにせ子供は親と一緒になにかすることが大好きですからね。


今日はそんなところです。

一緒に楽しみながら高め合える方と沢山繋がりたいと思っています!もしよろしければ感想をコメントしていただけると、とっても嬉しいです。それだけで十分です!コメントには必ずお返事します。