見出し画像

Global Business Trend vol.8 |奥の深すぎるスニーカーカルチャーに浅く触れてみた

黒人に対する人種差別へのデモが続く中、様々な企業が人種差別反対運動への賛同を、行動で示すようになった。IBMは顔認識技術が大規模な監視や人種に基づいたプロファイリングに用いられ、基本的人権や自由を脅かしていることに強く反発した上で、顔認識テクノロジービジネスから撤退し、アマゾンやマイクロソフトなどこの分野でのビジネスを続ける企業から一線を引いた。また、「米国版2ちゃんねる」と言われるRedditの創業者アレックシス・オハニアンは、役員を辞任し、後任に黒人の指名を要望した。彼は、プロテニスプレーヤーのセリーナ・ウィリアムスと結婚しているため、自分の黒人である娘のためにアクションを起こしたたという。前回の記事で、企業は声明を行動につなげるべきだと書いたが、今週で多くの企業が具体的な行動を起こしている。(image: Aglet)

ビジネスが賛同を行動に写す中、セレブなどの個人も意識的に問題に関して発信している。その中で、私たちが日々目に、耳にし、身につけている物のほとんどが黒人カルチャーの影響を受けていることを知る。歌手のジャスティン・ビーバーは今週、「僕はブラックカルチャーの恩恵を受けて来た」とインスタグラムに声明を発表。

ジャスティンがここで言っているように、最近の歌やダンス、パフォーマンス、ファッションは、黒人の影響を必ず受けている。

今相当なバブルを迎えているファッションアイテム、スニーカーも、自分を表現するために黒人たちが注目し始めたのが最初だ。70年代から黒人コミュニティの間でスニーカーが流行り出し、1985年に、新しいスタイルのAir Jordanを履いたマイケル・ジョーダンがNikeのCMに登場し話題となり、スニーカーブームが始まった。

そんなスニーカーだが、現在世界中でスニーカービジネスが大注目されている。もちろんスニーカーブームは新しいものではないが、最近スニーカーを軸に置いた新たなサービスが増えているので、ここで紹介したい。

StockX
今月、日本に初上陸。ジョシュ・ルーバーが2016年に設立したスニーカー、ストリートウェア、時計、ハンドバッグ、アクセサリーを扱う人気海外プラットフォーム。

ニューヨーク証券取引所と同じメカニズム(仕組み)を使って、スニーカーの“株価”(市場価値)を導き出し、セラーとバイヤーはそれを参考して「売値」と「買値」を決める。こうして、StockXは転売サイトとしてのみならず、スニーカーの転売価格の指標としても機能している。また、偽物を防ぐためにオークションハウスのように商品の真贋鑑定をおこない、本物であると鑑定されたアイテムだけサイトで取り扱う。(GQ Japan)

Monokabu
日本版Stock Xとして濱田航平が設立。2017年発売のスニーカーの価格が2万円とすると、1年後には20万円、3年後には50万円になるなど、10Xから25Xほどの価格変動があることも。現在会社は昨年から20倍のペースで成長しているという。「モノを株式化」し、スニーカーの値段交渉ができる日本初のプラットフォーム。

Sneaker Don
16歳で年収100万ドルのスニーカービジネスを気づいた、ベンジャミン・キックズことベンジャミン・カペラシュニク。今ではドレークやDJ Khalidにまでスニーカを売るVIPぶり。彼が立ち上げだのが、Sneaker Don。元祖スニーカー売買サイトとして、今でも人気を誇る。

Aglet
限定エディションのスニーカーのデジタル版をコレクションできる、スニーカーマニアのためのPokemon Go。アディダスの元ディレクター、ライアン・マリンズにより開発された。世界中のあらゆる場所にレアスニーカーが隠れており、見つけて特典をアンロックするごとにアプリ内の通貨やスニーカー、また貯めていくと最終的にはリアルなスニーカーの獲得に繋がるようになっている

歴史を理解してトレンドを楽しむ


今後どんどんポテンシャルが増すであろうスニーカー市場。昨年は、マイルス・ナダルというコレクターが、Nikeのスニーカーに4,400万円ほど老舗オークションで落札している。

そして、調べれば調べるほど、歴史的背景が垣間見えるスニーカーカルチャー。今年ファッション業界では、コムデギャルソンがモデルにコーンロウに似せたカツラを被せさせ、「文化の盗用」だと大批判を浴びた。デモが続き、自分の行動や知識を考えさせられるようになっている今、流行の発信元に敬意を払い、トレンドも文化背景を理解しながら楽しむクセを付けたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?