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自然なものが健康を作るのか

むかしむかし、こんな女子が私の元に施術に来ました。『毎日マックばっか食べてるから内臓大丈夫かなーと思ってきました!』そんな底抜けに明るいセリフと共に彼女はやってきたのです。特に自覚している不調は全くなく、毎日、本当に毎日マックを食べている。大好きな友達とワイワイ食べるマックが心底好きなのだと。本当に嬉しそうに、楽しそうに語るその彼女との出会いが、私の食事と健康に関する概念を覆したのです。

それまでは、私も健康に携わる者であり、内臓調整を得意として、毎日触るから臓器とお友達。硬さ、その原因、やばい時の触感。そして、臓器を壊すと全身的に歪みを作ったり、謎の症状の原因になってしまう。それに、筋肉を壊しても死なないが、内臓は壊したら死ぬ。そんな色々を毎日、施術者として身をもって感じ、知っているからこそ、内臓のためには食事に気をつけなければ。NO添加物、NOコンビニ食、NOファーストフード。そんな意識って少なからずありました。

けどね、毎日マック生活の彼女の内臓は、何にも悪いところはなく、健康っていうか、健康を超えて元気だったのです。それを聞いて、また嬉しそうに、安心して楽しく食べられる喜びを伝え、元気に帰って行ったのです。

その一方で、食事をこんな風に気をつけていて、これとあれは食べないように気をつけていて。そう語る人ほど、お腹を触るとあちこちカチカチで、悩み多き身体をしていたりするのです。

そうだよな。そうだったな。彼女から大事なことを知ったのです。

神経質に美味しさより正しさで選んだ食べ物を一人食べるより、美味しいと思えるものを楽しく過ごせる友人と食べること。これって、何よりの食養生だと思うのです。内臓って自律神経の副交感神経にスイッチできることが大事。前者はきっと交感神経バリバリでしょうね。だから、何が入ってきても消化も吸収も、内臓の動きも悪い。後者は副交感神経にしっかりスイッチしているから内臓も嬉しい。だから何が入ってきても、消化も吸収も、内臓の動きも良い。

食を選ぶことのできる現代では、豊富にあるからこそ、いろんな意味での偏りが生じやすいように思います。正しさよりも、理屈よりも、大切なこと。それを忘れちゃいけないよなと思うのです。

私たちは
単純に入ってきたものを消化吸収し栄養摂取して身体が動く
そんな業務的なモノやマシーンではなく

人間なのです


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