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... 2000年!あたり、20代前半から綴っていたメモから抜粋した一編です。 あのころ見ていたアジアからヨーロッパにかけ移ろう景色や不安やあるひとへの想いは・・・ ただ世界へ…
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人生はこれ旅なり。 東西南北歩き広げし時空の中でこれ様々な者事に出会えども、結局わたしは…

みゆき
3年前

窮地の旅人  ネパール ポカラ

旅のとちゅう縁あって、チベット難民居住区にあるお宅へお昼に招かれたことがある。イーラさん…

みゆき
3年前
2

カトマンズ

どこか名のある場所に行くよりも、ただ迷子になるほうが遥かにいろんなものに出会える。聖も俗…

みゆき
3年前

カディキョイ

早朝コーランの響きで目覚めたあと、船で旧市街へ出る。なんとローマ時代から続くという下町は…

みゆき
3年前
1

北京

訪れる度かつての面影を残していない 破壊と創造の大胆な都市 破壊されたいと秘かに願い続け…

みゆき
3年前

Fusion 上海

 上海郊外の公園の一角、老夫婦が太極拳をしていた。 その体の動き、流れ、リズム、呼吸、全…

みゆき
3年前

振り向きざま  上海 金山

たった一年前のあの夏が、遠くなつかしい。 彼と密に繋がりあっていたあのむせかえるような日々。気だるい体を重ね、上気した虚のちからを持て余し、自転車に乗ってどこまでも二人走った。強烈な夏の太陽、けたたましく鳴くセミ、夜の広大な田んぼに響き渡るカエルの大合唱。遠い灯ははるか昔の記憶をよみがえらせた。居心地よく、二人は少年と少女に返った。あれは私が幼いころ夢に描いた旅だったのだろうか? いつしかそれも終わりを告げ、二人はそれぞれの新しい道を歩み出した。 

夏の庭が好き

燃え上がる緑、短い命の虫たちの、魂の叫び 熱気が私の虚洞に満ちる もし私の情熱がぜんぶ涸…

みゆき
3年前

さよならあじあ

深玔の片隅を散歩する。 よく通ったその城下町は東西南北の門で囲まれ、小さな商店露店がひ…

みゆき
3年前
3

赤茶色の国  モロッコ マラケシ

国や街ごとに基調の色彩がある。世界はグラデーション ひとびとの目がきれいな街 猫が美しく…

みゆき
3年前

赤い星に立つ   アトラス

あまりにも空が晴れ渡っていたので、近くの山を歩きに行く。 道なき道をのぼり、ひとつの丘の…

みゆき
3年前
1

冬の王国  スコットランド  ファイフ地方

港町の彼の実家にて正月を過ごす。 凍てつく空。今日も晴れ晴れとした太陽をついに迎えぬまま…

みゆき
3年前

スペイン バルセロナ

覚えていることは、日々バルのおまつり騒ぎと、私たちのけんかの数々。

みゆき
3年前

妄霊について  スペイン トレド

千年続く静かな岩のような要塞都市で、私は自分の足元を取り戻しつつある。都市というものは活動し変化してゆく生き物みたいなものだけれども、世の中にはこんなにゆっくりしたまちもあるものだ。 日本の福岡に生まれ、まちが様変わりしてゆく情景を見て私は育ったが、ここからそれを思いかえすとその早急さは並大抵のものでないことが分かる。   朝食を食べ、洗たくにそうじ、毎日新しい道と場所を発見し、コーヒータイムと読書、夕食の準備、食事を楽しみながら一日の会話。当たり前の生活ひとつひとつが、