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ふれる〜超初心者の茶道 4月①


茶道にふれ、早くも2ヶ月が経ちました。

お茶って面白いけどやっぱり思う以上に難しい
窮屈で細かい、でも壮大で自由な気もする
静であり 動であり
目に見えるもの 見えないもの
向かい合うのは自分なのか、
それとも目の前の相手なのか
茶道に少しふれただけで早速混乱してます、笑。

日本の伝統文化にふれてみたい、
美しい所作を身につけたい、
その想いで始めた茶道ですが、今はまだわからない事だらけで白紙の状態。
これでは何も身になる気がしない、困った…と、やっと喝を入れ、頭の中を整理するためにも曖昧な記憶を思い起こしながらnoteに記すことにしようと思ったわけです。。
ああ、茶道ってなんだろう。。。



***


  3月初め、たまたまネットでみつけた"茶道初心者クラス残りひと席"に申し込んだ。そして稽古初日が来るまでの約1ヶ月間、私なんぞが格式高い茶道をやってみようなんて、場違いなんじゃないか、いやずっとやってみたいと思ってたはずと、申し込んだことに後悔したり自問自答したりと1ヶ月がすぎ、とうとう初日を迎えてしまった。心境はこんな感じだった。

初日稽古


私を含めそのクラスの生徒8名はみんな茶道初心者でスタートラインが同じということにほっとした。
ホテルの和室であるお茶室に、生徒8名と先生と助手の計10名で始まった。

先生は「まずは茶室のこの空間を見てほしいから障子や襖を閉めましょうね。」
先生は自らササッと歩いていき、障子の前に座るとスー、ス、ストッと自然なリズムで障子をしめた。二つ目の障子を閉める時、
「障子の木枠(竪桟)ともう一枚の障子の縦の組子(竪子)のところへピタッと合わせるように開け閉めするんですよ」
先生が障子を開閉する時、障子全体を目で確認しているわけではないのにピタッときれいに障子の組子が重なる。何度やってもピタッ!
襖も同じくスー、ス、ストッ、と何度やっても手をかける位置も襖の木枠(竪縁)も同じ幅で同じリズムでピタっと。
それがとにかく自然で美しい。

「襖の開け閉めやお辞儀の仕方、畳の歩き方も知っているのと知らないとでは生活する上でずいぶん違ってくると思います、覚えていきましょうね」

この歳になって知らないことばかりだと思わされる。そして先生のスラスラと流れ出てくる品のいい言葉に耳を傾けるだけで姿勢が正される。

その日の茶室には、私たち以外にあるものは、床の間の掛けもの、そして花器と花。

初日は簡単な自己紹介から始まった。
皆さん茶道を始める理由は様々で、親から勧められて、とか、子供が中学に入って少し時間の余裕ができた、とか、日本文化にふれたいから、とか、海外でも人気だから、とか。

それから先生は自己紹介も含め短い時間でいろんな話しをしてくれた。

「スポーツのように茶道にもルールは沢山あります。頭で考えなくても手や身体が覚え自然と所作ができるようになるまで何度も練習するのはどの分野でも同じですね。」

「400年以上続いているお茶はいろんな時代を通って今の形があります。
きっと昔は今の状況よりももっと大変なことが多かったに違いないだろうけれど、その中でも続いている理由がきっとあると思うのです。」

「茶道は決して難しいものではありませんし、日常に活かせることがたくさんあります。知っていて損はないですよ。」

「今の若い日本人は茶道を知らない人が多いですが、海外の方が人気が高く、お茶を拡めていて、海国の方が先生となり日本人に教えているということも聞きます。もっと日本文化にふれて誇りをもってほしいです」

「きっとここにいるみなさんは新しいものに出会ったり前にすすむことを知っている方だと思います。
生きるということは挑戦の連続ですね。
短い時間の中でも得ることはたくさんあると思います。一つでもみつけて自分のものさしを延ばしていってくださいね。」

優しく語りかける言葉がすうっと心に染み渡る。

なんて魅力的な世界なんだろうと錯覚する。


初日のこの日は、客の心得として、お辞儀の仕方、掛け軸や花、花入の拝見、準備してきた持ち物の名称や確認、襖の開閉、お茶をたててお菓子をいただく。盛りだくさんの2時間だった。

お辞儀

お辞儀には、「」・「」・「」と3種類あります。

「真」のお辞儀は、もっとも丁寧なお辞儀で、上体を静かに倒し、指先から手のひらが全て畳につくように両手を下ろす。
「行」は、客同士の挨拶などで行うお辞儀で、上体を静かに倒し、指の第二関節まで畳がつくようにする。
「草」は、亭主が点前座で挨拶をするときのお辞儀。形は「草」でも「真」の気持ちで行う。

うっ!ややこしい…。
これが正しいお辞儀、だそうです。そして今後、席入(茶室に入ること)の時はこのお辞儀がまた重要になってきます。

自然と綺麗な形のお辞儀や挨拶ができる女性になれるといいなと祈りつつ。

席入


茶室に入ることを席入(せきいり)といい、一人ずつ順番に入ります。その時に大切な道具の一つが"扇子"です。
まず膝前に扇子を置き、3拍子で襖を開けます。
襖の引き手(手をかけるところ)を近い方の手で5センチほどあけ(ワン)、その手を襖の下から24〜25センチのところにかけ静かに半ばまであけ(ツー)、反対の手にかえ残りを5センチほど残して開けます(スリー)。
扇子を前方におき、両手を軽く握り、親指を前にして気持ち滑らすようににじって入ります。

最後の客は入り口の襖を閉めるという大仕事が残っている。扇子を自分が動く方向に置いて少しずつ向きを変えて動きます。
(はぁ〜慣れるまで大変…)

そして、扇子は"結界(けっかい)"を意味するとても大切な道具のようです。
聖なる領域と俗なる領域を分け、秩序を維持するために区域を限ることを"結界"といい、茶道においては、もてなす側の亭主と客との間にある暗黙のルールを視覚化するために扇子を用いるそうです。

掛けもの、花と花入(花器)の拝見


席に入ると、まず床(の間)に進み、掛けもの、花、花入を拝見します。
扇子を膝前に置き、掛け軸に一礼(真のお辞儀)をし拝見します。(初心者はほとんど読めません…)
拝見後もまた真のお辞儀。
扇子と身体を少し動かして、亭主の心が込められた花と花入を両手指先をつけたまま拝見します。


掛け軸は、「閑座聴松風」
(かんざしてしょうふうをきく)
"心閑かに座りただ松風の音を聴く"

意味は、心閑かにいることで、普段は意識しないような音も心地よく聞こえてくる、というもの。
先生がとても大事にされてる掛け軸でした。


とても可愛らしい小ぶりな蕾の『藪椿』と『はないかだ』が首の長い花入にとても美しく飾られていた。この花入にはこの敷板をと、どうやら組み合わせがあるらしい。

「花筏(はないかだ)はもうそろそろ終わりなの。
ぜひあなたたちに見せたくて」
と先生がご自宅のお庭からもってこられた可愛い植物は、葉っぱの真ん中にごま粒くらいの淡緑色の小花がつく、初めてみる葉が主役のような花だった。

「温室でいつでも世に出回る花とは違って、茶花は
季節そのものであり、その時間そのもの。
この日のこの時間と空間は、一度限りのもの。
それを拝見するんですよ。」

この言葉はとても心に響きました。


茶菓子、お茶をたてる体験


コロナ期間中は菓子を運ぶ方法も通常とは違うようで、菓子をのせた懐紙をお盆から両手で受けるという簡単なスタイルにしているようだった。
菓子をのせた懐紙の下には、持参した幾十にも重なった懐紙にのせて、「お菓子をどうぞ」と言われて菓子楊枝でいただく。

その日の菓子は、薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)。
すりおろしたつくね芋を上新粉、砂糖を練り合わせた皮で、あんを包んで蒸され、とてもしっとりとした食感。
薯蕷饅頭は菓子楊枝でいただくには、しっとりとしすぎてるということで、懐紙の上で半分、そして一口サイズに手で割った。
皮に藤の花の印が押されており、上品さも増していた。それが格別に美味しかった!
お茶を習う際に茶菓子はあまり重要視してなかっただけに、幸せも倍増、素朴な美味しさに飛び上がるくらい弾けそうな気持ちだった。

先生は「菓子も季節を味わうんですよ」
そう仰ってましたが、なるほど〜と思う気持ちはすぐに去り、美味しさだけで満たされました!


「さあお茶をたててみましょう。」

すでに用意されている抹茶が入ったお茶碗を前に置き、茶筅(ちゃせん)でお茶の色が適度に変化するまでシャカシャカと混ぜる。
「回を重ねると美味しくたてられるようになりますよ」
美味しいお茶の立て方を習うのかと思っていたが、それだけしか言われなかった。
自分で初めてたてたお茶は、まあ、こんなものかな〜と思うくらいのまあまあ美味しい抹茶でした。



お茶が終わる頃には 固くつぼんでいた藪椿が少しだけふっくらと花びらが緩んでいて、時間が流れていることを感じた。それとも藪椿に私たちの熱気が伝わったのだろうか、笑。


茶室を出る時は、席入をした時と同じように床の間の掛け軸と花を拝見して退室すると、急にどっと疲れが出た。
静かな茶室で、静かな風の音をいつかはっきりと感じる日が来るなんて、いつの日だろう。
気が遠くなった。

段々と難しくなることを知らずに、楽しかった〜で終わった初日でした。

***


準備してきた道具の確認をしたもの。
○帛紗(ふくさ)…道具を清めたり器物を拝見するのに使う
○扇子…茶席での挨拶に必ず必要
○懐紙・菓子楊枝…菓子をいただくときに使う
○古帛紗…お茶を運ぶときに使う
○帛紗ばさみ…それら道具を入れるもの
○白の靴下…洋服での参加の時、畳の上でのマナーのひとつとして履き替える

白靴下以外の持ち物一式は、デパート売り場では何処に売っているのかも探せず、商店街のお茶やさんで店員さんに選んでもらいながら購入しました。



書くことで頭の中の混雑を整理していければと思います。毎度のことですが、どれだけぐちゃぐちゃなんだ〜という感じです。。
最後まで読んで頂きありがとうございました♡















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