みよし

舞台、お芝居、ライブ、版画、本、あれこれ好きなものについてをつれづれに書こうと思います…

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舞台、お芝居、ライブ、版画、本、あれこれ好きなものについてをつれづれに書こうと思います。好きなもの報告文庫。基本的にネタバレしている可能性が高くなっております。

最近の記事

『マスク』を読んだこと

下平慶祐さんの短編小説『マスク』を読んだ感想を書きました。 作品はこちら。 1往復ずつ会話が増えるというフレーズがとても好きで、ふたりの距離が少しずつ近くなっていく情景が見えるよう。 彼は家に帰ったあとに、いったりきたりした会話を思い返してるんだろうな。 教室での会話をおさらいして、今日は何往復したとかカウントしてるのかも。一つ一つ確かめて、どきどきしたりやったーとか思ってみたり。なんとも瑞々しくて甘酸っぱい。 彼が正義感に動かされて声をかけたときに、彼女は何を思ったの

    • プルーフプロジェクト 『Proof:A play』をみて

      ターナーギャラリーにて3月4日から13日まで上演された『Proof:A play』をみました。この公演は1年ぶりの下平慶祐さん(@calvin0927d)演出作品で、楽しみにしていた以上に楽しみました。 下の画像は、プルーフプロジェクトのクラウドファンディングページより「プロジェクトについて」です。 (このページはキャラクタの相関関係やあらすじが分かりやすくまとめられていて、相関図のキャラクターイラストがとても的確(表情がっ!)で素敵です) プルーフプロジェクト 公式ホー

      • マサオプション『リビング・こぽこぽ・aquarium・母』を見ました。

        1月17日に、配信公演『リビング・こぽこぽ・aquarium・母』という作品を見ました。 この配信公演は、6つのカメラがあって同時にいろいろな方向から見ることができるという作品です。複数のカメラを一度に眺められるというのは、分身の術をつかったように色々な方向から見られるんだなと実感しました。 一度にたくさんのことを見るのに慣れず、最初は頭が混乱してしまったので、何度か見直してゆっくり楽しんでいます。 アーカイブの視聴期間が1年間の設定なので、ありがたいばかりです。 お話は

        • 『INSPIRE 陰陽師』で思ったこと感じたこと

          大晦日に『INSPIRE 陰陽師』を日生劇場で観てきました。 舞台を劇場で見るのが、そして人が人自身の体を使って表現されたものが私は好きだなと実感しました。 席は2階の半ばあたりでした。傾斜があるので舞台が綺麗に見渡せましたが、上から見下ろすため舞台と映像が視線上に並ばず、視覚的な没入感というのはあまり感じませんでした。 そのかわりに、ぽっかり空いた奈落から浮き上がってくる一条戻橋にわくわくしましたし、客席を覆う五芒星をみたときは、スケールの大きさにうわーっと興奮しましたね

        『マスク』を読んだこと

          しかた ない

          ここ数日、壁の中から キャキャキャ というナニガシカの鳴き声が聞こえてくる。 なんだろう、ネズミくらいの大きさの生き物ではないかとおもうけれども、なにせ壁の中なので、正体はわからない。 特に決まった時間ということはなく、思い出したようにキャキャキャと鳴き声がする。 1週間くらいか、 昨日、その鳴き声がずいぶん小さく、キャキャキャでなく、キャ、と 回数も少なくなっていることに気がついた。 野生の動物が鳴く、っていうのはそれなりのエネルギーを消費するので ごきげん! で鳴く

          しかた ない

          『ネギ玉牛丼大盛り』を読んで

          牛丼を読む。 字面が不思議な状況ですが、タイトルが『ネギ玉牛丼大盛り』という小説の感想なので、牛丼を読んだ のです。 作品はこちら 下平慶祐さん『ネギ玉牛丼大盛り』 とある牛丼屋でのお話です。 主人公は、病院では泣けなかったのだろうな。 病院はどちらかというと非日常で、非日常の中では緊張が勝って気も張っていると、感情は動きにくい。 そんな非日常の場所から離れて、日常そのものの牛丼屋へ入る。 牛丼屋の店内は挨拶の声が飛び交っているけれど、意味のある会話はあまりなくて。

          『ネギ玉牛丼大盛り』を読んで

          真坂雅横浜野外独り芝居『捨て犬の報酬』をみて

          四季の森公園へ、真坂雅さんの『捨て犬の報酬』を観に行ってきました。 よかったなぁ! という心持ちを、心持ちのままに。 以前にもいろいろな場所で真坂さんの『捨て犬の報酬』をみたけれども、今回はコロッセウムのような円形の客席に見下ろされるステージです。四季の森公園の野外ステージの写真をみたときに、これは!っと思って楽しみでした。 屋外ということ、くずれるかもという天候も含めて、得難い瞬間がたくさんありました。 30分の上演時間、1800秒の物語ということだけれど、芝居の1秒1秒

          真坂雅横浜野外独り芝居『捨て犬の報酬』をみて

          マサオプション『5年後の我々へ』をみて

          アートにエールを!参加作品のマサオプション『5年後の我々へ』をみては、こんなことを感じたり考えたり、こう受け止めましたというような心持ちをあらわしてみました。 明るい窓のある部屋から、オンラインで届く手紙。 きれいで気持ちがかるくなるメロディにのって、4つの部屋から、4人4様の手紙が始まって、 ピンポン押して、という細やかな動きに目を惹かれているうちに 4人の話がつながっていたりそうでなかったり。 こういうときあるなと自分に重なるところに共感したり、そうであれたらいいなとい

          マサオプション『5年後の我々へ』をみて

          TOKYO PLAYERS COLLECTION/トープレ『IN HER TWENTIES 2020』がキラキラと眩しかったという感想です

          20代の女性の過ごす10年間を、10人の俳優が一年ずつ、それぞれの年齢を演じるという舞台『IN HER TWENTIES 2020』を観てきました。 静岡からプロになることを目指して東京の音大へ、プロを諦め実家へ帰り、縁にさそわれてもう一度東京で音楽とは関係のない編集の仕事に就く。そんな10年間です。 『2020』とあるように、2011年が初演で、今回新たに2020年版となっているそうです。 ポスターをみていると、トゥエンティーーーーーズかぁ、って。長いですね。 85分間の

          TOKYO PLAYERS COLLECTION/トープレ『IN HER TWENTIES 2020』がキラキラと眩しかったという感想です

          いま、なぜ舞台を観にいくの?の答えを、 東京夜光『BLACK OUT』で見つけました

          (お芝居を見るのが好きで、見た後にあれこれ考えるのが好きなので、そのようなことをこれからぽつぽつと記そうと思います) 東京夜光さんは、外出自粛期間の配信で『ユスリカ』という作品をみたことはありましたが、劇場は初めましてです。 『ユスリカ』という作品は、最初から息が詰まるような緊張感を感じる舞台で、舞台装置がとても印象的でした。 テーブルとベンチのような椅子が2つ、床に置いてあるのではなく、上から吊られていました。役者が動くたびに不安定にテーブルと椅子が揺れて、とても落ち着

          いま、なぜ舞台を観にいくの?の答えを、 東京夜光『BLACK OUT』で見つけました