部下との1on1に活かすコーチングスキル【GROWモデル】
今回は、過去にお届けした「1on1を効果的に進めるマネージャーの面談スキル」の中から「コーチングスキル」について詳しくお伝えします。
「部下育成にはコーチングが効果的」といった情報を目にする一方、「コーチング」と聞くと、プロコーチなど専門職のイメージが先行し、少し難しい印象を持たれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 今回は「コーチングについて興味はあるけれど実際どのように使うと良いのか」と悩まれている管理職の方向けの記事となっています。
コーチングとは
コーチングとは、対話を通じ相手の内面にある答えを引き出す関わり方です。コーチの語源である「馬車」は「大切な人や物を目的地に運ぶ」といった役割であるように 相手のありたい姿に向け行動を促します。 具体的な理論として、GROWモデル、NLP、ポジティブ心理学、インナーゲーム、ソリューション・フォーカスト・アプローチなど数多くの種類が存在します。
GROWモデル
今回は、これらの理論の中から王道かつ比較的取り入れやすいGROWモデルをみていきたいと思います。 GROWモデルとは目標達成を支援するフレームワークです。以下の頭文字を取り「GROW(グロウ)モデル」と呼ばれます。
①Goal(目標設定)
②Reality(現状把握)
③Resource(資源の確認)
④Options(選択肢の検討)
⑤Will(意志の確認)
①⇒⑤の順番に対話を進め、具体的なアクションに結びつけていきます。コーチングの特徴的なコミュニケーションとしては、効果的に質問を投げかけることで、相手の中で思考を深めたり整理をするプロセスを辿ります。
コーチングの質問例
以下は、GROWモデルを用いた質問例です。
①Goal(目標設定)
達成したいことは何ですか?
なぜそのゴールを達成したいのですか?
具体的にどのような状態になることを望みますか?
どのようにして、会社や社会に貢献したいですか?
その目標を達成したとして、その先は更にどうなっていたいですか?
②Reality(現状把握)
目標の達成度は何%くらいですか?
その割合の内訳(できていること・できていないこと)を教えてください。
目標を達成する上で障害になっていることはありますか?
課題を解決するために既に取り組んでいることはありますか?
ゴールと現状では何が違いますか?
③Resource(資源の発見)
社内で誰かに力を借りることはできますか?
どんな情報があれば前に進みそうですか?
目標達成に必要な時間はどれくらい確保できそうですか?
先輩の〇〇さんだったらどんなアクションを起こしそうですか?
これまでの経験から活かせそうなことはありますか?
④Options(選択肢の検討)
ギャップを埋めるためにはどんな方法がありますか?
現時点で考えている方法を教えてください。
その他に思いつく方法はありますか?
制限が何もなかったら何を選びますか?
これまでやったことのない方法にはどんなものがありますか?
⑤Will(意志の確認)
いつから始めますか?
最初の一歩は何ですか?
今日できることはありますか?(どんなに小さなことでも良いです)
目標を達成した未来に期待感が持てそうですか?
次回の報告時期はいつにしましょうか?
このように、本人の中で対話が進むような質問を投げかけ、フォローしていきます。
質問が続くと、問いただされているように感じる場合がありますので、飽くまで「伴走するパートナー」としてサポートしていけると信頼関係が深まるでしょう。
以上、コーチングスキルの中のGROWモデルについて今回は解説しました。
aRでは、組織作りのサポートをしています。管理職育成や組織全体を構築していくかといったお悩みがありましたら是非ご相談ください。
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