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地方製造業が採用活動で改めてすべきこと

2024年に入り、早くも採用に関する相談が入り始めています。昨年1年間でaRに最も多くご相談をいただいたテーマが採用でした。(なんとメインサービスの組織開発より多い!)
私の居住地が岡山ということもあり、西日本(特に関西・中国・四国エリア)の製造業様からの相談が多くあります。今回は地方の製造業様が採用活動で改めてすべきことについてお伝えします。


なぜ地方製造業なのか

今回なぜ「地方」の中でも「製造業」にフォーカスし記事を書くのか?ということですが、理由は2つ。

①地方の産業は、工業用地の確保のしやすさから製造・物流(倉庫)に有利であり行政も工業団地への誘致を促進しています。先ほど挙げた関西・中国・四国エリアでは、鉄鋼・化学・船舶・産業機械などがさかんです。

「統計から見る日本の工業」都道府県別の工業|経済産業省

②上記製造業は、原料や部品など「BtoB」の業態を取られている企業が多く、エンドユーザーへのPRや発信というよりは、完成品メーカー(顧客)に対し製品や技術力で成果を出してきたと自負されている傾向があります。今回の記事でフォーカスしたい「情報発信」においては、「BtoC」のサービス・小売業に比べ手薄になりがちで、社内でも「開発・技術>広報・PR」と、いう優先順位になられていることが多いとお見受けします。

BtoB企業の求人募集

求人募集をする方法は、近年かなり豊富にあります。

◎アグリケーション型求人検索エンジン
 Indeed、求人ボックス、自社サイトなど
◎人材紹介
 登録型/サーチ型、職種特化型/地域特化型
◎DBスカウト
 自社運用、スカウト代行
◎求人媒体
 各種ナビサイト
◎SNS広告
◎SNS企業アカウント
◎採用広報
 イベント、タレントプール、アルムナイ、リファラルなど

求人募集方法の一例

採用に社内リソースをしっかり当てることができている企業では、上記から複数の方法を取ることができますが、ギリギリの人員で成り立つ企業では、ハローワーク・求人検索エンジン・人材紹介会社・ナビ媒体に求人を出しっぱなしという状況もあり、各チャネルからの応募はほぼ無く、求人依頼後担当者からは音沙汰なし…といった状況も見られます。

求職者の行動

一方で求職者の行動を見ていきます。求職者といっても、様々なフェーズがあり、転職についてはまだ具体的ではではないものの「良いところがないか」と探している段階や、期日を決めてある程度アクティブに動いている段階など様々です。求人企業はそのどこかで求職者に自社を知ってもらう必要があります。

現状への不満や将来への不安

身近な人やキャリアコンサルタントへの相談

転職について情報収集

求人検索・スカウトサイトや紹介会社へ登録

潜在求職者が顕在化するプロセス

募集企業への興味・研究(複数社)

応募書類作成・応募(複数社)

選考(複数社)

比較検討(複数社)

内定(複数社)

内定承諾(1社)

現職への退職申し出・引き止めなど

退職意思の受理

引継ぎ・退職・入社準備

入社

顕在求職者が入社するプロセス

転職活動では、求職者は複数社に対し応募をすることが多く、内定も複数得られる方もいます。実際に私自身が人材紹介サービスをしていた際も「複数内定を得て、その中から〇〇さんが1社を選べる転職活動にしましょう」とお伝えしていました。

さて、求職者が転職活動を始め応募をするまでに、どのような情報を見るのでしょうか。

求人検索にしても人材紹介会社からの案件紹介にしても、まず、求人票だけで応募の判断をする方はいません。求人票とホームページのみで判断する方もほぼいません。

求職者が辿る情報としては、求人票・企業ホームページ・企業ブログ・メディアなどPR広報記事・社長や社員さんのSNS・企業データベース(有料でも個人で取り寄せます)・転職口コミサイトなどです。複数の情報を回遊しながら、自分なりの企業像を組み立て「応募するかどうか」の判断をしています。

応募するかどうか判断材料が不足している

ここでやっと地方製造業のお話に戻ってきます。最初にお伝えしたように、BtoBの製造業では「PR・広報」よりも「開発・技術」に重きを置かれる傾向があります。IT・サービス・小売業などBtoCメインの企業では、社員数10名以下であってもPRに力を入れプレスリリースも頻繁に出されている企業は多くありますが、製造業の場合「PRは大手企業がすること」と認識されることも多く、例え社員数200名以上でも「うちはまだまだ広報を置けるレベルではないです」と言われることも多々あります。

求職者の行動を思い出してみましょう。求職者が応募するかどうかを判断する情報は、求人票やホームページ以外にも多くありました。

しかし、製造業特有の「PRに対する優先順位の低さ」から、特にWEB上での企業情報が圧倒的に不足しているケースが散見されます。一部の上場企業ではIRや品質などの情報開示が求められますが、中小企業では、自社ホームページ以外に求職者が欲しい情報が載っていないという状況です。(ホームページ内の情報さえも更新されていないこともあります…)

つまり、いくら企業自体が魅力的であっても、求職者に知られていない。また求人票に興味を持ったとしても応募するかの判断ができない=転職活動の土俵に乗らないという状況があります。


社内・社外へ言葉を尽くす

まずは、求職者に自社を知ってもらいましょう。情報発信で、相手に言葉を尽くしましょう。

外部への発信に注力されていない企業は、社内への情報発信も手薄になっている傾向があります。「外には良いことばかり言ってるけど中身が伴っていないじゃないか」と既存社員さんからの不満を生まないためにも、社員・お客様・提携先・求職者(未来の仲間)などのステークホルダーに対し一貫したメッセージを届けましょう。

何から始めるのか

発信する前に、まずはどんなメッセージを社内外に出すのかを決めます。社内のどんなリソースを世の中に発信するのか?、また採用活動においては、求職者が見たい情報は何か?を起点に情報の整理を行います。

自社の強みや求職者視点での情報発信は内部の社員だけでは抽出が難しいため、外部の第三者の目を取り入れると効果的です。

aRでは、組織作り・採用に関するサポートを行っていますので、いつでもご相談ください。




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