二三四

プロフィールはご想像にお任せします。写真は「文字を持たなかった昭和」のメイン人物、ミヨ…

二三四

プロフィールはご想像にお任せします。写真は「文字を持たなかった昭和」のメイン人物、ミヨ子さんです。

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文字を持たなかった明治―吉太郎7 家族構成④両親

 昭和中期の鹿児島の農村を舞台に、昭和5(1930)年生まれのミヨ子(母)の来し方を中心に庶民の暮らしぶりを綴ってきたが、新たに「文字を持たなかった明治―吉太郎」として、ミヨ子の舅・吉太郎(祖父)について述べ始めた。  吉太郎の生年月日などのあと、吉太郎の家族構成について書きつつある。苗字、住所に続き、吉太郎の両親について見てみよう。参照しているのは、孫娘の二三四(わたし)が家族の記録の参考にと郷里の役所で交付を受けた除籍謄本の、いちばん古いものである。  この謄本の住所

    • 文字を持たなかった明治―吉太郎6 家族構成③住所

       昭和中期の鹿児島の農村を舞台に、昭和5(1930)年生まれのミヨ子(母)の来し方を中心に庶民の暮らしぶりを綴ってきたが、新たに「文字を持たなかった明治―吉太郎」として、ミヨ子の舅・吉太郎(祖父)について述べ始めた。  吉太郎の生年月日や、生まれた年の日本のできごとなどのあと、吉太郎の家族構成について書きつつあり、前項では苗字について述べた。引き続き、孫娘の二三四(わたし)が家族の記録の参考にと郷里の役所で交付を受けた除籍謄本の中で、いちばん古いものを見てみよう。  当時

      • 文字を持たなかった明治―吉太郎5 家族構成②苗字

         昭和中期の鹿児島の農村を舞台に、昭和5(1930)年生まれのミヨ子(母)の来し方を中心に庶民の暮らしぶりを綴ってきたが、新たに「文字を持たなかった明治―吉太郎」として、ミヨ子の舅・吉太郎(祖父)について書き始めた。  「2 昔の生年月日」で吉太郎など当時の誕生日について、「3 明治13(1880)年」で吉太郎が生まれた年の日本のできごとなどを述べたあと、吉太郎の家族構成について書きつつある。孫娘の二三四(わたし)が家族の記録の参考にと郷里の役所で交付を受けた除籍謄本の中で

        • 文字を持たなかった明治―吉太郎4 家族構成①除籍謄本

           昭和中期の鹿児島の農村を舞台に、昭和5(1930)年生まれのミヨ子(母)の来し方を中心に庶民の暮らしぶりを綴ってきたが、新たなタイトル「文字を持たなかった明治―吉太郎」で、ミヨ子の舅・吉太郎(祖父)について書き始めた。  吉太郎シリーズ(?)の前々項、前項では、吉太郎の生年月日――明治13(1880)年2月13日年―-をテーマに書いた。  人はひとりで生まれてくるが(たまに双子などの多胎はある)、両親、さらにその両親と、生命の連鎖があってはじめてこの世に生を受ける。吉太

        文字を持たなかった明治―吉太郎7 家族構成④両親

          つぶやき 初めてのウド(後編)

          (前編より続く)  スマホに「ウド、ベーコン」と入力してインターネットでレシピ検索したら、次々にレシピが現れた。 「ウドとベーコン、あるんじゃん!」  その中でいちばん上に出てきた「ウドとベーコンのバター醤油炒め」を作ることにした。作り方は簡単だ。 ① ウドは皮を剥き、斜め切りにする。 ② ベーコンは適当な幅に切る。 ③ ベーコンを先に炒め、出てきた脂をいったん拭いてからバターを敷き、ウドを入れて炒める。 ④ 醤油で味を調える。  いただいたウドは「とても新鮮で皮を剥か

          つぶやき 初めてのウド(後編)

          つぶやき 初めてのウド(前編)

           栃木出身の知人からウドをいただいた。どんな関係かを語り始めると長くなるので、そこはとりあえず置く。80歳を超える実家のお父さんはまだ畑仕事をされていて、ときどき野菜などを送ってくれるのだという。知人は飲食店経営なので、それらの野菜を使った料理を出すことがあり、わたしもお店でいただいたことがあるが、今回初めて未調理の状態でもらった。  それが、ウドだった。  ウド。鹿児島出身のわたしには、まったくと言っていいほど馴染みのない山菜である。正確には「だった」。たぶん中学生の頃

          つぶやき 初めてのウド(前編)

          文字を持たなかった明治―吉太郎3 明治13(1880)年

           昭和中期の鹿児島の農村を舞台に、昭和5(1930)年生まれのミヨ子(母)の来し方を中心に庶民の暮らしぶりを綴ってきたが、前々項からはタイトルを「文字を持たなかった明治―吉太郎」と改めミヨ子の舅・吉太郎(祖父)について書き始めた。  吉太郎は明治13(1880)年2月13日年生れ。これが戸籍上の記載であることや、出生などの届出はいまで考えられないほど大雑把だったことは前項で述べたとおり。  とはいえ、吉太郎のほんとうの生年月日は不詳なので――あるいは戸籍記載通りかもしれな

          文字を持たなかった明治―吉太郎3 明治13(1880)年

          文字を持たなかった明治―吉太郎2 昔の生年月日

           昭和中期の鹿児島の農村を舞台に、昭和5(1930)年生まれのミヨ子(母)の来し方を中心に、庶民の暮らしぶりを綴ってきたが、ミヨ子の物語に区切りをつけ、ミヨ子の舅・吉太郎(祖父)について書き始めた。  前項で述べたとおり、吉太郎は明治13(1880)年2月13日年生れだ。ただしこれは戸籍上の記載であって、ほんとうの生年月日なのかはわからない。現代の常識では「そんなことはあり得ない」だろう。しかし、昭和の初めに生まれたミヨ子ですら戸籍の生年月日と実際は違っていたから〈231〉

          文字を持たなかった明治―吉太郎2 昔の生年月日

          文字を持たなかった明治―吉太郎1 はじめに

           昭和中期の鹿児島の農村を舞台に、昭和5(1930)年生まれのミヨ子(母)の来し方を中心に、庶民の暮らしぶりを綴ってきたが、ミヨ子の物語にはいったん区切りをつけた。  これから新たに、ミヨ子の舅・吉太郎(祖父)について書いていく。  吉太郎は明治13(1880)年2月13日年生れ(戸籍記載上)。日清(1894-1895年)、日露(1904-1905念)、そして大東亜(太平洋)の3つの戦争を経て、昭和45(1970)年に満90歳で没した〈230〉。昭和の戦中まではごくありふ

          文字を持たなかった明治―吉太郎1 はじめに

          つぶやき 上司ガチャ

           これまでとまったく系統の違う話ですが。  以前勤めていた会社の後輩、Kちゃんと久しぶりに飲んだ。Kちゃんは、女性として珍しく課長まで昇進したのに、2年で役職定年になってしまい、主任に逆戻りしたらしい。  その一方、同期の(Kちゃん曰く)たいして仕事ができない女性は、次長に昇進した。どうも彼女を引き上げてくれる上司がいたということ。現場で苦労してきたKちゃんより、内政でやってきた女性のほうが昇進して、女性管理職の数に入っているのも納得できないとのこと。  親ガチャという

          つぶやき 上司ガチャ

          文字を持たなかった昭和535 ミヨ子の半生記にひと区切り

           noteを始めたのは、「自分の言葉で何かを伝える手段がなく、そんな発想すらあり得ず、戦前から戦後をひたすら生きたふつうの人たちのことを書きとめておきたい」と思ったから。そして、いちばん書いておきたいのは「昭和一桁生まれの母や父、祖父母、そして周りにいた人たち」だと、初めての投稿「文字を持たなかった昭和 一(はじめに)」で述べた。  まずは、昭和5(1930)年生れ(戸籍上。ほんとうの生年は1年早い)の母・ミヨ子の半生を辿る形で、そのときどきの家族の様子や時代背景、地域の状

          文字を持たなかった昭和535 ミヨ子の半生記にひと区切り

          ミヨ子さん語録「自由にし慣れているから」

           昭和中~後期の鹿児島の農村。昭和5(1930)年生まれのミヨ子さん(母)の来し方を中心に、庶民の暮らしぶりを綴っている。たまに、ミヨ子さんの口癖や、折に触れて思い出す印象的な口ぶり、表現を「ミヨ子さん語録」として書いてきた〈229〉。  本項の「自由にし慣れているから」は、前々項、前項に「昭和の?アドバイス」として書いた「受け入れちゃいなさい」から思い出したものだが、語録のひとつに入れたいと折りに触れて思ってきた一言でもある。  鹿児島弁で言うと「自由ぃ しちけちょっで

          ミヨ子さん語録「自由にし慣れているから」

          昭和の?アドバイス「受け入れちゃいなさい」補足

           前項、昭和の?アドバイス「受け入れちゃいなさい」では、今春(2024年4月)放映が始まったNHKの朝ドラ『虎に翼』のワンシーンについて感じたことを書いた。そのセリフが「受け入れちゃいなさい」だ。  場面では、結婚やお見合いに心が動かないと愚痴るヒロインに、ヒロインの親友宅の女中さんがそう語り掛けるのだが、そのひとつ前に 「女は、男みたいに好き勝手にはいかないからね」 と呟いている。  なにごとも二項対立というか色分けをはっきりさせれば理解しやすいし、ドラマの場合ならスト

          昭和の?アドバイス「受け入れちゃいなさい」補足

          昭和の?アドバイス「受け入れちゃいなさい」

           ここnoteでは、昭和期――筆者が知る範囲――の習慣や風俗などについても折に触れて綴っている。タイトルが「昭和の/昭和な〇〇」で始まるものがその類だ。ドラマなどに描かれた昭和の風俗を見て違和感を抱いた点や感想などを取り上げることも多い。本項もそのひとつ。  これまでもNHKの朝ドラについてはときどき取り上げたが、この4月からは伊藤沙莉さんがヒロインを演じる『虎に翼』が始まった。伊藤さんは好きな俳優さんでもあり、期待して見始めたところだ。  『虎に翼』は、女性の理想の生き

          昭和の?アドバイス「受け入れちゃいなさい」

          文字を持たなかった昭和534 ミヨ子の半生―昭和5年~令和6年現在

           昭和中期の鹿児島の農村を舞台に、昭和5(1930)年生まれのミヨ子さん(母)の来し方を中心に、庶民の暮らしぶりを綴っている。  本文のほうでは、昭和から平成に入り老年期を送っているミヨ子さんについて書きつつあるが、年表の整理のほうはおろそかになっていた。ここらでもう一度ミヨ子さんの誕生後から整理してみたい(これまで、昭和5~40年頃、昭和5~50年代半ば、昭和5~50年代以降と3回アップロードずみ)。 昭和5年 鹿児島で出生を届出(実際の生年は昭和4年)。   12年 

          文字を持たなかった昭和534 ミヨ子の半生―昭和5年~令和6年現在

          文字を持たなかった昭和533 野菜(6)エンドウ豆⑥宅配で届く

           昭和の鹿児島の農村を舞台に、昭和5(1930)年生まれのミヨ子(母)の来し方を軸にして庶民の暮らしぶりを綴っている。  もうしばらく老境に入ってからのミヨ子について述べることにして、ミヨ子の野菜作りや野菜を使った料理について書き始めた。一つ目は「エンドウ豆」、毎年春になると庭先の畑にミヨ子が植えたエンドウ豆(グリーンピース)がたくさん実ったこと、エンドウ豆をミヨ子は「ぶんず豆」と呼んでいたこと、ミヨ子が炊いた「豆ん飯(豆ご飯)」、そしてエンドウ豆料理などを述べた。  ミ

          文字を持たなかった昭和533 野菜(6)エンドウ豆⑥宅配で届く