最近のミヨ子さん 介護施設へお預けするということ、余談
(前項「介護施設へお預けするということ」に関連して)
余談だが、ミヨ子さん(母)がつい最近入所した施設でコロナ感染が広がっていると知ってから、全国の感染状況を調べてみた。暑くなってきた頃から各地とも増えてきて、6月後半から急増している。直近の感染者数は、沖縄に次いで鹿児島は2番目に多い。7月初めの鹿児島県(および鹿児島市)の感染者数を見ながら、ミヨ子さんはこの一人なのか…と考える。
本項を下書きしていく日も経たないうちに、全国規模での新型コロナの急増が注目され始め、感染症の専門家は「流行は第11波に入った、感染症5類変更以降最大」と分析している。
わたしはこれまで年1回ペースで帰省していたところを、「顔を見られるうちに少しでも帰っておこう」と5月にも一度帰り、母と娘の時間をかなり過ごさせてもらったのだが〈259〉、その機会に70歳前後の親戚のご夫婦と外食をご一緒した際、二人とも街中に出るとすかさずマスクを着けたのに驚いた。
「ごめんなさい、マスクしてなくて」とわたしが言うと
「最近コロナがまた増えてるでしょ、二人とも基礎疾患があるから気をつけてるの」と言われた。
新型コロナの感染症分類が5類に変わり、ワクチン接種が任意になり、感染情報がほとんど表に出て来なくなってから、わたしの感染への警戒もかなり下がっていた。インフルエンザなどほかの感染症と同様のリスクはあるだろうが、罹ってもたいしたことはないだろうとも思っていた。
実際には5月あたりから感染が増え続け、本格的に暑くなり窓を閉め切ってエアコンをかける季節に入ってから一気に増加している、ということなのだろう。
お年寄りにとって呼吸器系の疾患は命取りだ。高齢者の死亡原因の中で肺炎は常に上位を占めるし、肺炎で亡くなる方の98%は65歳以上、という数字もある。
加齢に伴い、呼吸器を含む体の機能が低下するのはしかたのないことだし、94歳(正しくは95歳)〈260〉のミヨ子さんは、すでにあちこち「ガタがきている」のは間違いない。ただ、施設に入所するまで食欲は旺盛だったから、年齢相応以上の体力、免疫力はあったはずなのだ。
それなのに施設入所早々新型コロナに感染してしまった。環境や食事、人間関係の変化が、抵抗力にも精神力にも影響を及ぼしていないだろうか。
わたしはまたまた、悲観的な想像を巡らしてしまう。
〈259〉この5月の帰省については「文字を持たなかった昭和 続々・帰省余話」と題し、「1 思ったより元気」から「21 おまけ~自転車」まで綴った。
〈260〉ミヨ子さんの実年齢が戸籍記載より1歳多いことは度々触れている。初出の「ひと休み(戦前の出生届)」に詳しい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?