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まちづくりについて_毒吐きメモ

おりこうさんな講演会では伝えきれなかったことを書いてみます

「みやこやさんのところでやっている取り組みを、うちで講演して欲しい」
私の行っている取り組みは、県内外を越えて関心が高く、各地で呼ばれて講演会をする事も多い。

しかしながら、講演が終わると、大概、お決まりのパターンがある。

まず、呼ばれるシチュエーションというのがあって、

まちづくりに熱心な方が、私の事を知り講演依頼をする。

しかし、講演を聞きに来る人の多くは、私の活動に興味のない人。
興味のない人たちは、講演の主催者に呼ばれ、まちづくりの会として強制的に呼ばれている為、渋々参加する。

特に、そのまちづくり(例えば自治会とか?)の決定権を持つ人(町内会長とか?)が否定的。

最初から不機嫌な顔をして聞いているので、私は「ああ、今日も最後はお決まりパターンか」と思いながら講演を続ける。

…で、最後の質問タイムで出てくる言葉が、↓↓↓↓↓↓

「あんたのやっている事は、うちじゃ無理だわ。ねえ?(みなさんもそう思うでしょ?と周囲を見渡す)」

毎回、必ずこれで終わります。

わざわざ、質問タイムなのに、持論を述べる為に手を挙げるんですよね。

言っとくけど、可能性があるって思うから講師で呼ばれてるのであって、あなたの言う「無理」はあなたが言っている話ですよね?

と毎度、心の中で反論しつつ、
にこやかに「どうでしょうかね」と返す。

講演会をキラキラとした目で見つめながら聞いてくれる人がとても多い中で、こういう否定的な人の発言により、一気にその場の空気が暗くなり、今までキラキラして聞いていた人までもが下を向く。

もう、可哀そうなんですよ、この光景が。

毎度思うんですが、

本当に辞めて欲しいのが、これによって「まちで何がやりたい」って思う人の淡くて柔らかい芽を摘むことだ。

その地域で、影響力を持ちたいおじさん(なぜかここにおばさんは出てこない。ここもジェンダーが影響してるのだろうか)が、会議の場とか意思決定の場で好き放題、忖度し放題でまちづくりをコントロールしようとし、

結果、せっかく「まちづくりに関わりたい」と意欲を持った若い人たちが、「どうせやりたい事させてもらえないし」と言って、まちづくりの組織を離れ、その町が衰退しているっていうのが地域あるあるなんだけど、なんとかせんとまずいと思っている一部の人が私を講師に招いてくれるから、私は毎度訪れる「オチ」を悟りつつも、やはりキラキラな事例を話すことになる。

一部の人の「どげんかせんといかん(なんとかしないといけない)」という意図を理解していないおじさんの妨害により、結局いい取り組みを紹介しても「そんなもんはできん!」の一言で一蹴され、私の行っている取り組みは否定されて終わり。

もはや、今はやりの「居場所づくり」「見守り支援」「介護予防」「共生社会づくり」は、実現することが難しい。

・・・というパターンがあちこちで頻発している事に危惧し、今回、こちらの毒吐きページを使って書いてみようと思う。

毒吐いている部分こそがまちづくりの本質と課題なのだ

講演会をするたびに感じる無力感と主催者に対する申し訳なさを胸に秘めながら「せっかく町で起き始めている”熱”を、なんとか燃え上がらせる為の後押しをしたいなあ」という思いが沸々と湧き起こり、今回思い切ってこちらの記録を残すことにした。

きっと、これを書いてしまったら、もうまちづくりの講演会には呼ばれなくなるんじゃないかと思うが、講演会に行く機会はなくてもまちで何かやりたいと思う人の導火線になればいいと思っているので、良かったらこれを機に新しいまちづくりへとチャレンジをして欲しいと思う。

講演会で常に感じるジレンマは、講義を聞く人たちのジャンルが「多様」過ぎて、しかも参加者の多くが基本的に新しい取り組みに対して否定的であるという事が大前提の中で話さないといいけないという事だ。

こうなると、その講演会自体は当たり障りのない、単なる事例紹介で終わり、本当に次につなげるきっかけにすらならない。

なので、講演会自体がなんとなく的を得ない「おりこうさんな講演会」で終わってしまい、

お互いがなんとも、消化不良の状態で終える事になるんですね。

毎回、「すいません」と謝ってくださる主催者さんに対して「まちづくりの講演会ってどこでもこういう感じなので、気にしないでください」とお伝えするんです。

ここで起きる私のモヤモヤがあって、

「せっかくの機会を、強い思いのある方にとって消化不良なまま終わらせてしまう」

ってこと。

本当は、講演会をきっかけに新しい事がスタートするのが理想なんだけど、これができない圧倒的な理由は、

やる前に、抵抗勢力とどう戦うか。

が目の前に立ちはだかるからです。

でも、本当は抵抗勢力と戦う必要なんてないんですよ。

戦わなくても理想とするまちづくりはできるんですから。

まちの中で本気でやりたい人にだけ伝えておきたいと思う

最後にお願いがあります。

まず、これまで私を講演に呼んでいただき、ありがとうございます。
そして、講演会に呼んでくださった事により、参加された方の中には「あ、これやってみたい!」って思われた方もたくさんいるんです。
そういう「種」を開催地で蒔かせて頂いたことに感謝します。

その種がたくさんの水と光を浴びて「芽」を出すように、そしてその芽がぐんぐん伸びて花になるように、私なりにできる事はないかとずっと考えてきました。

おかげさまで、講演会は色々なところでお声かけ頂き「種」を蒔くことはでき始めているのですが、そこから花を咲かせるにはやはり「やってみたい人だけを集めた勉強会&ワークショップ」をすることだなあと先日閃きました。

なので、私の講演会を聞いて少しでも胸に響いた方は、改めてその熱いメンバーだけを集めてプチ勉強会を開いて欲しいのです。

そうじゃないと、本音で話せないから。

私の話すまちづくりの事例は、

・子ども食堂
・こども宅食
・見守り支援
・宅配弁当
・介護支援、介護予防支援

等、皆さんが取り組んでみたい事について、どうやって進めるかなどのお話をするのですが、参加者の多様さに対応するために、これらの事例を進めるにあたっての本質的なお話は講演会の場ではやれないのが実情です。

私は数年前に自分の住む町に対してのアウトカムを作成し、土台作りで約3年。4,5年目は関わる人たちが増え始めて7年たった今は、色々な人たちがパワフルに動いている。

例えば、私の地域では、

・40代の私が民生委員(既に3期目)
・地域の福祉協力員(民生委員のサポート的な人)の3/4がわが社のスタッフ(一人は40代)
・宅配弁当による見守りを通して、救急車などの対応ができている件数10件以上
・相談件数は1年間で200件以上
・地域包括センター、他の関係機関との連携体制が構築
・PTAを中心とした子育て世代のネットワーク化

我が町で立ち上げてまだ10年も経っていないこの時期に、これらの事が実現できているんです。

そして、ワタシマチメソッドの通りに進めるとその先には、政策でいう共生型社会、介護予防等の話が見えてきます。

ちょこっとだけ、私たちの地区でやっている事例

特に総合事業(まちの拠点)の問い合わせは多く、例えば、要介護1の方でも他のデイサービスを利用している人でも、うちにやってきて一緒に体操をしてご飯を食べて帰られます。


地域での餅つき大会
子ども食堂・地域食堂
介護予防教室
まちの中での活動
シニアボランティアによる編み物教室

思うんですが、最初から政策ありきで走るからダメなんであって、もっと地域に目を向けて動いてみると、やることは至ってシンプルで、そこに難しいテクニックはいらないんです。

やりたいと思う事がまず大事で、その思いを少しずつ形に変えていけたらいいと思う。

まちづくりって、本当は生活の中に当たり前にあって、とてもシンプルで素朴なものだから、本当は町に住む人が「あ、これやってみたい」って動き出すことが一番いいんですよね。

なのに、なぜか組織政治でのし上がりたい人たちが、こういうまちづくりに君臨することになるから、本来のまちづくりの姿から離れて、なんちゃってイベントになってしまったり、外に見てもらうためのパフォーマンス事業になったりするわけです。

でも、よく考えてみて。
そんなパフォーマンス事業に、地域に住む「困っている人」たちが関わっていますか?

地域で家から出れない高齢者や障がい者はたくさんいて、そういう人たちはキラキラなまちづくりにおいては、こういう方達は「なかった存在」になるんですかね?

まちづくりに関わるみなさん、今は、パワフルだからいいですよ。

でもね、動けなくなった時や困った時のことを想像したことがありますか?
いざという時に、その町で支えてくれる仕組みをつくるのが、共生社会っていうんだと思うんです。

まちづくりの講演会では、事例をお伝えするようにしていますが、これは関わる人達が同じ気持ちで「あ!これやってみたい」という風にまちづくりに参加する人たちの気持ちが一体化しないと、実現が難しいものも多くあります。

まちの中で新しい事をしようとする人を否定したり排除しようとする人たちが多いと、それに対抗することに時間と労力を割くことになり、疲れてしまって本来やりたいことが実現しなくなってしまいます。

なので、まちの中で思いを形にするまでのやり方について、色々とできることがあるので、まずはその理論や背景を理解してから講演会に臨んでいただけると、実現性が高まるのではないかと思っています。

ワタシマチメソッドについて

私は自分の住む町を、安心・安全なまちにしたい。と思い、これまで行ってきた、NPO支援やまちづくり支援を通して学んできた様々な手法を、少しコンパクトにアレンジして「ワタシマチメソッド」というものを作り、自分の住む町でその理論が合っているかスタートしてみました。

私の住む町で実験をスタートしてみてから約7年くらいが経過したんですが、連日誰かが居場所に訪れます。
目的も理由も皆それぞれです。
集まる人によって、やることもどんどん変化するので、これもまたおもしろい。

コミュニティづくりは自然に動き出すまでは、少し仕掛けが必要なんですが、一旦動き出すとあとはクルクル動き出します。

その「クルクル」し始めるまでの手法が「ワタシマチメソッド」です。

これは、大きな組織に属していない人でも「何かしたい」と思った人が、少しずつ自分の住む地域を理想の形にしていくきっかけになるためのメソッドです。

まちづくりメソッドは、本当にたくさん手法があって、それらのスキルや手法をちゃんとマスターできたら、次第に町が動き出す。

ワタシマチメソッドは、小さな手法の積み上げなので今すぐ全てを体得しようと思うと、数年はかかります。
なので、全部を体得する必要はなくても、まずは講演会前にもしくは講演会を聞いた後に、同じ方向性を向いているメンバーだけで再度勉強会を開いて欲しいのです。
きっとこれだけで、まちづくりに悩む人たちが前に進むためのきっかけを作ることができるから。

まちの中で何かやってみたい。ワクワクしたいって思っている若手はたくさんいます。だからこそ、こういう「やりたい」をつぶすのではなく、大切に育てて欲しい。
あと、色々な人に反対されたり邪魔されてやる気を失っている人にこそ、こちらのワタシマチメソッドは学んでほしい。
自分が住むまちですから。誰かが頑張っていかないと誰も住みやすいまちにはなっていかない。

一歩前に進むと、「こういうまちを望んでいた」と喜んでくれる方にたくさん出会えるようになります。それだけ本当は必要なんです。

だから、そういう「やりたい」気持ちが消えてしまう前に、是非私にお声かけくださいね。ただし、同じ思いの人だけを集めて(笑)

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