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凹凸はでこぼこじゃなくておうとつと読む派

ヒプマイの左馬刻が、チームメイトに「俺たちに裏切りはなしだ」って言う気持ち、わかるなあと思う。裏切りの痛みを知っている人の発言だ。めっちゃ裏切られてるよねあの人。何回もチーム解散してるし、最愛の妹も洗脳されて敵に取られてるしで、大事にしていた存在にことごとく去られてる。口めちゃくちゃ悪いけど根本的に情は厚そうだから、すごいしんどかったんだろーなー。そりゃ言いたいよ、裏切りはなしだ、って。わたしも言いたい。重いから言わないけど、いなくならないでって好きな人たちにはすごく思ってる。愛してるから行かないでって。

何回か書いているけども、わたしは人はいつか自分の前からいなくなると心の奥底で思っているふしがあって、なかなか人を信じられない。そのかわり、信じたらたいていのことは許す。一瞬ものすごく腹が立っても、少し時間が経てばたいがいのことは水に流す。自分の欲しい言葉や反応をくれなくても、プライドを傷つけられても、一度信じた人なら許せる。でも暴力(言葉の暴力も含む)は無理なので、恋人には特に慎重。わたしは異性愛者なので、したがって男の人に対してのほうが猜疑心が強い。普通に話せるだけでめずらしく、軽口を叩ける人はさらに希少。そして軽口を叩けると恋に発展しやすいので、男友達はいない。友達に留めておけないのだ。まだないが、もしもつきあって殴られたら別れる。どんなに好きでも、もうしないと言われても別れると決めている。そこだけは譲れない。

そうやって信じた人が離れていったら、すごくつらいけど責めはしない。やっぱりというか、いつかこういう日がくると思っていた、とどこかで感じる。砂漠みたいな気持ちになって、それでも日常を過ごすうちに、すこしずつ薄れていく。あの人にとってもうわたしはいらなくなったんだな、と思うと、さびしさに焼かれる。でも死ねないし、生きるしかなくて、どうあれ生きるしかありませんぞ、とムックみたいな口調で茶化して生きる。ムック好きなんだよね。ガチャピンより好き。赤いし。いじわるじゃないし。不器用そうだし。

すぐ生き死にの話まで思考がすっ飛んでいくのも、重いよな。いなくなられて死にたいとか死んだほうがマシなくらいつらいとか。滲むよね、ヤバさ。だから、口には出さないのがせめてもの気遣いだと思っている。口で平気だと言っていれば、そこをあえて暴こうとするほどみんなひまでもないし、不躾でもない。その本人じゃない友達には言わせてもらうけど。もうやばいつらすぎ死ぬ、とか。そうやって本音を言わせてくれて、言っても関係を切らない人たちに支えられてなんとか今日も人のかたちを保っている。そんな重い話から、凹凸ってなんて読む派?とか意味のない問いまでもおもしろがってくれる人たちが周りにいてくれるのがわたしの幸運。

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