女子バスケ日本代表に対する賛辞と、懐かしい痛みの思い出
女子バスケ日本代表が、ベルギーを下して見事準決勝進出。史上初の四強!とってとられての攻防戦、一点差での勝利。試合終了のブザーがなった瞬間床に膝をついて叫んだ。近所迷惑すぎる。スポーツ観戦がとくに好きなわけでも、熱くなるわけでもないんだけども、バスケは別。いやーほんとに、よかった。良い試合だった。
男子は残念だったけど、男子は層が厚すぎるから致し方ないところがある。中継は予選が始まる前の強化試合から全部観てた。よく頑張ってくれたと思う。
バスケはいいな。本当にいい。小学生のとき女子がやれる部活がバスケしかなくてなんとなく始めただけだったけど、気づいたらこんなに好きになっていた。わたしは選手としては三下で、そのせいで現役のときは愛憎入り交じる気持ちになったりしたけど、バスケのことは心から愛してたし、いまも愛してる。できればまたやりたい。コート走りたい。
わたしはバスケをやっていたおかげで、どんなに努力してもどうにもならないことが世の中にはあると、人生の早いうちに学べたと思う。人より練習しても基礎練増やしても朝から走り込んでも、才能がある人にはまったく敵わなかった。ぺしゃんこにされて、追い抜かれて、同情されて、大好きな顧問の先生に怒ってももらえなかった。怒ってもらえるレベルじゃなかったのだ。ただがむしゃらだっただけ。一生懸命だっただけ。諦められなくてしがみついてただけ。勝つことがすべてのスポーツでは、そういう努力はあってあたりまえのもので、評価には繋がらない。ありていにいうと、わたしは13歳で挫折を知ったのだった。当時は苦しかったけど、いまは知れてよかったと思う。努力したとしてどんな夢でも叶うわけではないということ。自分の思い通りにならないことがあるということ。負けを知ること。全部、知れてよかった。教えてもらった。
わたしは才能のある人たちを見ているのが好きだった。くやしくて嫉妬にかられたけれど、それでも、強さは絶対で、すごく美しいと思った。わたしの住む地域はバスケの強豪が集まっていて、ベンチに座っていたから、飛び抜けて美しい才能に溢れる選手たちを、客席よりもずっと近い場所で見られた。それだけでも、バスケをやっていてよかったと思う。永遠に振り向いてくれない好きな人にこがれるみたいな気持ちで、いまもわたしはバスケを観る。
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