三宅島の野鳥生息・飛来情報(令和3年1月)
みなさん、こんにちは。
林務担当では、三宅島の野鳥等の情報を毎月投稿しています。
三宅島の野鳥の特徴については、下記の記事で概説しています。
〇確認された野鳥の集計表(令和3年1月)
東京都三宅支庁では、日頃より、野生鳥獣の生息状況・飛来状況の把握に努めています。先月、島内3地区にて、1㎞往復する間に、目視又は鳴き声により確認された野鳥を記録して、集計表にまとめました。
〇コラム
今回ご紹介するのは、「シチトウメジロ」です。本種は、伊豆諸島に分布する固有亜種で、本州のメジロよりも体がやや大きく、くちばしが長いのが特徴です。本州のメジロより、くちばしが少し長いことで、伊豆諸島に多いヤブツバキの蜜を吸うのに都合がいいと言われています。
冬の時期は、ヤブツバキの花にチュリチュリと賑やかな声を出しながら群れて、盛んに蜜を吸っている様子をよく見かけます。冬は利用できる果実や昆虫類が少ないため、ヤブツバキの花蜜はシチトウメジロにとって重要な餌資源であり、一方、ヤブツバキにとってもシチトウメジロは効果的に花粉を運んでくれる重要な存在です。また、火山ガス耐性のあるヤブツバキとその花粉を運ぶシチトウメジロの相互作用が、噴火後の植生回復に寄与していることも示唆されています(阿部・長谷川2011)。
〇三宅島の野鳥
2月に撮影された野鳥の様子を紹介します。
なお、撮影時期が異なるため、前段の調査で確認された種類とは異なります。
オオバン
セグロカモメ
〇三宅島の植物
三宅島は、豊かな自然に恵まれ、多様な植物も島内各所で見られます。花や実をつけた、季節の植物も紹介します。
写真1枚目のイズノシマダイモンジソウは、房総半島南部と伊豆七島だけに分布するダイモンジソウの変種です。雄しべ先端のピンク色がアクセントとなって、とてもかわいらしい花です。
イズノシマダイモンジソウ
ハチジョウアザミ
フウトウカズラ
継続してご覧頂ければ、季節ごとの野鳥や植物の移り変わりをお楽しみいただけると思います。
次回もご期待ください!
引用文献
阿部 晴恵, 長谷川 雅美 (2011) 植物の繁殖に関わる生物間相互作用:ヤブツバキとメジロが三宅島の森林生態系回復に果たす役割. 日本生態学会誌, 61:185-195
見出し写真:シチトウメジロ(令和2年12月撮影)
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