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遠い記憶 四十話

あれは、時を遡る事。
上の子が小学校に上がって直ぐの事だった。
我が家に一本の電話が入る。
受話器を取って、ちょっとためらった。
声は、男性のしわがれた声だった。
誰だろうと、暫く聞いていたが、あああ!
叔父さん!
それは、田舎に居た頃の父の友人の叔父さんからだった。
父と別れて、20年の月日経っての事だった。
あら
叔父さんね~と、思わず九州のなまりが・・
廣子ちゃん、元気か~。
覚えとっか?
叔父さんどげんしたと?
暫く、話していたが、お父さんに会いとうなかか?と
叔父さんが言う。

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