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血管の健康を保つ栄養、若返らせるかもしれない栄養

身体のすみずみを走る血管をすべてつなぎ合わせると、10万km、実に地球2周半の長さになると言われています。人間一人でこれなのだから、全人類の血管を集めたら、地球を完全に覆い隠せてしまいそうですね。

血管は「動脈」「静脈」「細小動脈」「毛細血管」の4種類に大別できます。それぞれに若干役割は異なりますが、基本的に言えることは「体内に酸素や栄養を運び、体中の細胞から二酸化炭素や不要物を回収する」ことが、血管の主な役割です。心臓から送り出された血液は、約20秒で全身を循環し、再び心臓へ戻るとされています。

また、外敵の侵入(ウイルスなど)に対して免疫細胞を送ったり、体温調節したりするのも血管の役目です。これだけの役目を果たすために、血管は弾力性・しなやかさを兼ね備えていますが、加齢や栄養不足などにより、その能力が失われます。

動脈と静脈は、血管としての役割から構造に若干の違いがあります。しかし、2つに共通するのは血管の外側から「外膜→男性膜→中膜(平滑筋)→弾性膜→内膜(内皮)」という組織で構成されているという点です。このうち、もっとも内側にある内膜にある「血管内皮細胞」は、一酸化窒素(NO)を生み出すことで血管を拡張させ、血圧を下げたり血栓の発生を防いだりします。

「血管の健康」をテーマにする時、この血管内皮細胞の機能をいかに保つかというのが、大事な観点になるわけです。

血管の健康にかかわる栄養4種

血管の健康を保つうえで、栄養学的観点では次の4種類の栄養が、特に重要とされています。

タンパク質

身体の構成要素としても重要なタンパク質は、丈夫な血管づくりにも欠かせません。

DHA・EPA

オメガ3系脂肪酸は、血管の健康維持に大きく役立ちます。そう考えると、魚介類はタンパク質もDHA・EPAも両方摂取できるので、血管の健康に欠かせないことが分かりますね。

カリウム

腎臓のナトリウムの再吸収を抑制して排泄を促すことで、血圧を下げる効果があります。

カロテン

血中LDLコレステロールの値を下げ、酸化による血管へのダメージを抑制し、血流を改善させる働きがあります。カリウムもカロテンも豊富に含む食品というと、有名なのがカボチャやモロヘイヤです。これらを普段の食事で、意識的に摂取してきましょう。

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