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「ウエストを細くする方法」を改めて考えてみた。解剖学的な視点で考察するウエスト引き締めの6つのアプローチ

よくインスタグラムのストーリーやTikTokなどを見ていると、トレーナーが運動初心者さん・ダイエッターさん向けに「爆速でウエストを細くするエクササイズ●選!」みたいな動画をアップしていることがあります。ああいう動画は、これからなんとかダイエットしたい、キレイになりたい、どんな運動から始めればいいか分からないという人に対して、はじめの一歩としてとても有益なコンテンツだと思います。

一方で、プロのパーソナルトレーナー、つまりお客様のボディメイクでお金をいただいているトレーナーの目線で、「ウエストを細くする」という多くの人々の願望にどうアプローチするとなるとどうでしょう?

ごくまれに、駆け出しのトレーナーさんが冒頭で紹介した動画でのエクササイズを参考に、お客様に運動指導をしているのを見聞きします。さすがに、それはプロとしてどうなのか…というのが、私の率直な感想です。

このnoteは解剖学をメインにしているので、パーソナルトレーナーとして「ウエストを細くする」というテーマに、解剖学的にどんなアプローチができるのかを考えてみました。

アプローチ①腹横筋

ウエストが細い状態はどんな条件が必要か。さまざまな文献を読んでみると、その一つとして「腹横筋の発達」が挙げられることが多いです。ここで、「じゃあ腹横筋を鍛えればいいんだな!」となるのが、トレーニーやダイエッターさん。私たちトレーナーは、なぜ腹横筋の発達でウエストが細くなるのかを考える必要があります。

通常、筋肉は発達するほど外側に肥大化してせり上がっていくはずです。腹筋群が鍛えられれば、ウエストはむしろ寸胴になっていくイメージがあります。しかし、腹横筋は最も深層にあるインナーマッスルの一つで、コルセットの腹部中央(白線)と脊柱の周りを、コルセットの様に覆っています。

そのため、腹横筋は発達しても外側にせり出るのではなくて、むしろお腹周りを圧迫・保持する力が強くなり、ウエストの引き締めにつながります。これにより、腹圧を高めたり肋骨を下制させたり、内臓を保持したりという機能が高まるのです。

腹横筋を鍛える代表的な種目は、皆さんご存知のドローインでしょう。腹横筋は肋骨を下制させる作用があるので、拮抗的に働くブレーシングを行えば、腹横筋に伸張性のストレスを加えて違う刺激を加えることができます。

アプローチ②内腹斜筋

内腹斜筋は、主に腸骨稜から肋骨の10番付近に付着しています。ここが収縮していくと左右の腸骨が近づく方向に働くので、理論上はウエストが細くなります。内腹斜筋は体幹の屈曲・側屈・回旋に作用するので、腹筋のトレーニングに「側屈」「ひねり」を加えた種目で鍛えられるとされていますね。

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