「やる気が出ない」を改善する脳へのアプローチ。経験と感情を結びつける部位を活性化する方法
最近、モチベーションが上がらない。
なかなかやる気が出ない。
心の浮き沈みが激しいのが悩み……。
こうしたメンタルは、当然ながら脳が深く関係しています。特に注目したいのが「前頭前野」と「島皮質」です。今回はこの2つの働きについて解説しつつ、モチベーションを高めるために何をすればいいか解説します。
心と身体は過去からの蓄積で成り立つ
人間の身体は、重い負荷で何度も何度もトレーニングすれば筋肥大して大きな体になるし、長距離を毎日走ることで長い時間走り続けられる心肺機能が身につきます。こうした身体の変化と同様に、私たちの思考もこれまでに繰り返してきた考え方のクセによって形成されているわけです。
常に明るくポジティブな人は、楽観的・前向きな考え方を何度も繰り返してきたからこそ、目の前で起こる現象をポジティブに捉えられます。逆もまたしかりで、悲観的・後ろ向きに考えるクセが身についている人は、ネガティブなことばかりを考えやすくなっているのです。
脳はこうした繰り返される運動や思考に対して、「良い」「悪い」のジャッジを下しません。しかし、何度も繰り返される行動や思考の繰り返しによって、脳の回路は着実に変化します。これを「脳の可塑性」と言います。
とある研究では、被験者に目の訓練を受けさせて視覚能力の改善を図りました。ここで着目したのは、被験者の視覚能力がどのくらい回復したかではなく、「視覚の改善効果がどのくらいで定着したのか」でした。その結果として、訓練を20〜40時間ほど蓄積させると、視覚の改善効果が見られたそうです。
仮に1日1時間目の訓練を行なうと、20日〜40日で脳の可塑性に変化が起こることになります。これは目に限った結果ではありますが、今回紹介するメンタル改善もまた、20〜40時間のトレーニングで改善を図れる可能性があるわけです。
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Brain Special Magazine
運動指導者の方へ向けて「脳」について理解し、パフォーマンスを高め機能改善などを行えるように学べるコンテンツです。
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