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距骨下関節から考えるパフォーマンスアップ〜足元へのアプローチが身体を変える〜

距骨下関節は足部の関節で、足部にある距骨と踵骨の間に位置しています。荷重時と非荷重時で役割がちょっと変わるのですが、荷重時では踵骨の回内、距骨の内旋・底屈といった作用で関わります。足部のアーチと関連が深いことでも有名な関節です。

歩行、走行、ジャンプなど、あらゆる動作で足部を安定させる役割を持つのが距骨下関節の特徴です。足を安定させるのに不可欠です。距骨下関節が機能不全に陥ると、疼痛や不安定感、歩行困難などを引き起こすことがあります。

いきなり解剖学的な話から始まってしまいましたが、今回はこの距骨下関節への刺激を通じて、足部の固有受容覚を修正し全身の可動性を高める方法を紹介したいと思います。足部の感覚が鋭くなっていくと、柔軟性やバランス感覚などを取り戻しやすくなるので、ぜひ試してみてください。

足部の感覚があらゆるパフォーマンスに影響する

少しだけ想像してみてください。今皆さんは、超高層ビルの屋上にピンと張られたロープを使って綱渡りをしないといけません。一方その頃、小学生の男の子たちが超高層ビルの目の前にある道路で、白線の上だけを歩くゲームをしていました。

両者はどちらも「歩く」という動作を行っているわけですが、その難易度は雲泥の差です。皆さんの方が、圧倒的に不安定かつ命の危険もある「歩く」に挑まないといけないことが分かります。人間はこうした極限に関わらず、肉体的にも精神的にも不安を覚えると、筋肉が緊張して本来のパフォーマンスが発揮できません。

人が何らかの恐怖や不安に直面すると、筋緊張で姿勢全体が丸くなります。例えば、突然どこかからボールが飛んできた時、頭を抱えてうずくまる人は多いです。人間の急所は身体全面の正中線に集中しているので、身体を丸めることで急所を守ろうとしているわけです。

この法則は寝ている時にも働きます。あお向けでただ寝るよりも、抱きまくらを抱えて寝る方が精神的に安心するという人は多いです。抱きまくらで身体前面を覆い隠すことで、急所を隠せているからだと考えられています。

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