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集中力・注意力を磨く「青斑核」の刺激方法。すぐ眠くなる、集中が続かない人必見

仕事中、どうしても集中力が続かない。日中なぜかものすごく眠くなる。そんな人は多いかもしれません。自覚的に「自分は集中力がないなあ」と感じている人は、脳のある部位を鍛えてみるといいかもしれません。それが、脳の「青斑核(せいはんかく)」です。

青斑核は、多くの脊椎動物の橋の背側上部に位置する、小さな神経核です。脳全体から見ると小さな神経核ですが、ここは大脳皮質の覚醒状態を制御するという、非常に重要な役割があります。

青斑核は主に、ノルアドレナリンを生成し脳全体に供給しています。ノルアドレナリンは、強い感情や過酷な肉体労働など、人体にストレスを感じた時に放出される、交感神経の情報伝達物質です。ノルアドレナリンによって交感神経の活動が高まり、血圧の上昇や心拍数の増加といった、身体の覚醒状態・興奮状態を促進します。ノルアドレナリンを広く脳全体に行き届かせることによって、青斑核は脳を覚醒状態に保つわけです。

青斑核は記憶力・認知機能に大きく影響する

ノルアドレナリンは、脳の可塑性を増幅させる役割もあります。可塑性とは変化のしやすさ・柔軟性のような意味があります。つまり、ノルアドレナリンは脳の柔軟性を高め、脳内の神経回路=ニューロンネットワークの構築を促すのです。

深夜でものすごく眠い状態で勉強するのと、目がしっかり覚めている状態=覚醒状態で勉強するのとでは、記憶の定着に大きな差があるという経験が皆さんもあると思います。これは、ノルアドレナリンの分泌によって、勉強内容を記憶するためのニューロンネットワークが構築されやすくなっているわけです。

ちなみに、アルツハイマー病患者の脳内では、非常に早い段階から青斑核の神経細胞死が起こることが知られています。このことからも、脳機能をフルに活用する上で、青斑核が非常に重要であるということがよく分かります。

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