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アメリカを縦断するパシフィッククレストトレイル4200kmを歩いてきました
気がついたら年末。というか帰国してからはあっという間に時間が過ぎてしまいました。旅の最中にnoteを更新できると思っていたのですが、そんな余裕はありませんでした。
2022年ギリギリですが私の旅について投稿していこうと思います。
高校生の頃に雑誌で見かけた、アメリカを縦断する4200kmのロングトレイルを歩いてきました。
この数ヶ月で一生かけてやることよりも多くのことをやってきました。
生きていることを感じ、自然に立ち向かい、友情を築き、笑い、泣き、貯めた貯金を使いこみ、複雑に湧き立つ感情と向き合い、沈黙を学び、飢え、ひどい食べ物をたくさん食べ、時には美味しいものも食べ、精神的にも肉体的にも向き合う時もあった。
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モハベ砂漠は水が無い
本当は大学を卒業したら行こうと考えていたのに。
大学生になって、自転車で日本一周して、就職して、結婚して、仕事を辞めて、事業を立ち上げて、PCTを歩いた。気がつけばもう10年以上経っていました。
帰国してから、旅の終わりというのはあっけないもので、日本の違和感を感じながらも、元の生活に戻ってきた。
日本らしい建物、日本らしい道路、日本らしい文化。
アメリカではコロナのパンデミックなど過去の出来事のようでしたが、日本ではみんなマスクをしていた。
日本に戻った時は浦島太郎の気分だった。
街を歩くとヒゲも髪も伸びっぱなしなので色んな人がこっちを見てくる。いつの間にか髪の毛が伸び、髭も伸びた。
仕事を辞めてからは伸ばしっぱなしだった。
半年かけて歩くPCTは途方もなく感じたが、の時間は自分の感覚よりも早く過ぎ去った。
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退職した時
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アメリカのPCTを歩いている時、忘れていた高校生のあの時の気持ちを思い出しながら歩いた。
いつの間にか高校生のような気持ちになって、友達ができた。馬鹿らしい話をしながら、夢を語りながら、他のハイカーと歩いた。気がつけば数えきれない友達ができた。
そんな4200kmの旅。
時間感覚を失い、いつの間にかアメリカを縦断した。
思い返すと思い出ばっかりだった。
PCTとは
アメリカ本土の西海岸の山脈である太平洋海岸山脈をメキシコ国境からカナダ国境までを縦断する長距離自然歩道のことです。
最高標高は4000mを超える山岳地帯のフォレスターパス、最低標高は42mの砂漠のヴァスケス・ロックス。
メキシコ国境の砂漠から始まり、カナダ国境の氷河地形で終わる、バリエーション豊かなトレイルです。
ワンシーズンで歩くハイカーをスルーハイカーと呼びます。
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出国と入国してから
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PREDUCTSのデスクがいつもよりスッキリしてる
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歩き終われば様々な装備が入れ替わった
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飛行機に乗り込む時に手ぬぐいの「TO TRAIL」が見えた
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治安が悪くて怖かった
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ハイカーに手ぬぐいを配った
こちらはオランダからのハイカーの親子
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PCTを歩き始めた日と始まった日
サンディエゴの街で海外からくるハイカーを支援しているトレイルエンジェルの家にお世話になった。
スカウト&フロドさんは過去に夫婦でPCTを歩いたハイカーでこれまで数多くのハイカーがここからスタートした。
でも、この場所で運悪く悪口ばかりを言うハイカーと一緒になってしまった。
悠長に英語で言い返せないので悪口は聞かないようにした。PCTは有名になってしまって雰囲気が変わったと思っていたけど某国のハイカーはこんな人ばっかりなのか?
(後日わかったけどちょっと思想が偏って過激なハイカーだったみたいだ)
スタート地点のトレイルヘッドまではボランティアの方が数時間運転してくれて送ってくれた。初日は1番最後になるようにスタートをした。お腹も痛くてスタート地点に不意に野糞。
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ヘリコプターが国境を監視していた
憧れていたPCTのスタートの時に嫌なことがあったことで、私がPCTをスタートした日の顔はいい顔じゃない。
本当に歩くべきなのか?とも考えたりした。
スタートする感覚としてはなんとも言えない気持ちだった。本当に歩くのか実感が湧かない。散歩をしにきた感覚の方が近い。
そんな思いを払拭できないままハイキングを進めていた。仲の良いハイカーもできなかった。と言うよりも他のハイカーを避けて歩いてきたし、孤独になりたかった。PCTは人が多く、必ず誰かと出会う。
速度が同じならいつも同じハイカーと出会うこともある。
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歩いていたらフリージャーナリストの香港ハイカーと出会った。前日のトレイルエンジェル宅でも一緒だったっけ。と思い出した。
私の英語でも積極的に話しかけてくれて助かった。話してみると別のハイカーに感じた雰囲気よりずっと良いハイカーみたいだった。
あまりにも暑いので日陰で早めの夕食を一緒に食べて夕方に出発した。
まともで優しいハイカーも居るんだな。偏見が薄まってちょっと未来が明るく感じた。(歩き終わってからわかったけど、嫌なハイカーは本当に数人、ほとんど全てのハイカーはいい人ばかり。)
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カーボーイキャンプ
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やっと始まった実感が湧いた2日目
峠を越えてマウントラグーナのレイクモレナという場所に到着した。
レイクモレナにキャンプ場があり、過去にキックオフパーティ「ADZPCTKO」が開催されていた場所だ。
この場所には私が昔から憧れていた。PCTの存在を知った時にはこのキックオフパーティがあって、ヘンテコなハイカーが集まって記念撮影をしていた。この岩が憧れていた岩だった。岩を探して一人で記念撮影をした。
この場所はGoogleマップにも出てこないから探すのに苦労をした。RedditやFBに書き込んでやっと見つけた場所でもある。
この岩に立った時に憧れていたPCTをやっと歩き出した気がした。昨日のことは全て忘れて出発しよう。やっとここからPCTが始まった気がした。
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引用:http://www.afowler.co.uk/posts/925/kick-off/
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誰もいなかった
この写真をFacebookに投稿したら昔の主催者からメッセージが届いた。
「来週こっそりとキックオフパーティをして、ハイカーに餌を配るぜ」
5月第一土曜日に毎年ステルスパーティをしてるみたいだった。来年のハイカーはぜひこの人たちを見つけてみてほしい。
こうやってちょっと苦い思い出と一緒に半年も歩き続けたPCTが始まりました。
これから少しづつPCTのエピソードを投稿していけたらと思います。
自己紹介
Masaki Miyazaki
自転車で日本一周、アメリカ Pacific Crest Trail 4200km をスルーハイク、宮源酒店、MIYAGEN Trail Engineering、元アウトドアメーカーのエンジニア、デザイナー、PREDUCTSエンジニア
Instagram:https://www.instagram.com/miyachi0730/
Twitter:https://twitter.com/miyachi0730
MIYAGEN Trail Engineering
WEB:https://www.miyagen.com/
Instagram:https://www.instagram.com/miyagen_corp/
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