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『バック・ステージ』|芦沢央の感想

「痛快!」
まさにそう叫んでしまいそうな爽やかでスッキリする素敵なミステリを紹介します!


『バック・ステージ』のあらすじ

「まさか、こうきたか」幕が上がったら一気読み!注目作家の痛快ミステリ!

新入社員の松尾は忘れ物で戻った夜の会社で、先輩社員の康子がパワハラ上司の不正証拠を探す場面に遭遇。そのまま巻き込まれる形で、片棒を担がされることになる。翌日、中野の劇場では松尾たちの会社がプロモーションする人気演出家の舞台が始まろうとしていた。その周辺では息子の嘘に悩むシングルマザーやチケットを手に劇場で同級生を待つ青年、開幕直前に届いた脅迫状など、それぞれ全く無関係の事件が同時多発的に起きていたが、松尾と康子の行動によってそれらは少しずつ繋がっていく、そして……。バラバラのピースが予測不能のラストを象る。いま、最も注目される作家芦沢央の驚愕・痛快ミステリ!

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本日ご紹介するのは芦沢央先生の『バック・ステージ』です!
この本の最大の特徴は読後の爽やかさ!

『正義は勝つ!』
といった勧善懲悪のスッキリとした読後感を味わえる作品。

誰にでも1人くらいは「許せないほど憎いやつ」って存在がいると思いますが本作に出てくる敵(みたいな人)もマジで クソ野郎 嫌なヤツです。

そんなパワハラ最低上司が行っている不正を告発する気満々の先輩に巻き込まれ、主人公も一緒に証拠集めに奔走するのが話の大筋です。

しかし本書で描かれるのは彼らだけではなく、まったく無関係な人々の様々な人生や問題が描かれます。

そして一見無関係にも見えるその人々の行動が交錯し物語が素晴らしいラストに向かう群像劇になっています。

本作の素晴らしさは登場する人々それぞれが胸のうちに闇を抱えているところ。

その機微か筆者により緻密に描写され思わず心をえぐられる場面も少なくありません。

しかしそれぞれの物語の最後はしっかりハッピーエンドになっており爽やかでほっこりした読後感を得られます。

芦沢央さんといえば「火のないところに煙は」や「許されようとは思いません」といった怖かったり闇深めの作品が多い中で、本作は心温まる結末です。

しかしそれに至るまでの問題やトラブルの描写は読んでいてつらいものもあります。

だからこそラストに救われるのですが、ヘビーな描写が上手いところに芦沢先生の特徴を感じました。

『バックス・テージ』の感想

群像劇が大好きな私にとって本作はまさにヒット中のヒット作でした!

特に気に入ったのは「始まるまで、あと5分」の章です。

大物舞台演出家のオーディションに合格した無名舞台俳優が、開演初日の出場シーン5分前に「次のシーンに出たらお前の秘密をバラす」と脅迫状を受けるお話です。

その秘密を知りうるのは同じ舞台に出演する俳優だけ。犯人はすぐそばにいるが、時間がない。そしてその秘密がバレたら自分は大切なものを失うし、秘密を守るために舞台に出なければ役者人生が終わる。

そんな究極の葛藤にある俳優の数分間が描かれている章ですが、とにかくその心理描写が際立っており、紙の本なのにタイムリミットを課されている気になって焦りながらページを捲ってしまいました!

芦沢先生、人の心を揺さぶるのがうますぎ!

『バック・ステージ』を読んだあなたにオススメ

『バック・ステージ』を読んだ方や気になった方ならきっと気にいると思う作品をリストアップしました。

『ラッシュ・ライフ』|伊坂幸太郎

泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体登場――。並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。

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この作品もバック・ステージと同じ群像劇となっています。

並走する四つの物語は独立しているように見えるのですが、読み進めるうちにピースが埋まり、最後には大きな一つの物語を紡ぎます。

伊坂先生の作品は文章が軽妙でスラスラと読めます。

謎の置き方やストーリーが起伏に富んでおり、ページ数が多いのに最後まで一気読み間違いなしです。

また文章中に心に響くフレーズも多いのが特徴。

本作で出てくる「人生はきっと誰かにバトンを渡すためにあるんだ。今日の私の一日が、別の人の次の一日に繋がる」なんて言葉はまさに交錯をテーマに置いた本作のみならず人の生きる本質を突いた言葉だと思いました。

『カラスの親指』|道尾秀介

人生に敗れ、詐欺を生業として生きる中年二人組。ある日、彼らの生活に一人の少女が舞い込む。やがて同居人は増え、5人と1匹に。「他人同士」の奇妙な生活が始まったが、残酷な過去は彼らを離さない。各々の人生を懸け、彼らが企てた大計画とは? 息もつかせぬ驚愕の逆転劇、そして感動の結末。道尾秀介の真骨頂がここに! 最初の直木賞ノミネート作品、第62回日本推理作家協会賞受賞作品。(講談社文庫)

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本作の特徴はなんといっても『最っっっ高の読後感!』です!
そして更にミステリ好きが大好きな「大どんでん返し」があなたを待ち受けております!

大どんでん返し+爽やかな読後感なので、どんな趣味・趣向の方でも間違いなく楽しめる大傑作だとおもいます!

私自身もX(Twitter)での #名刺代わりの小説10選 において、初回から今でもずっと選び続けている名作中の名作です!

道尾先生は爽やかな作品から恐ろしい物語のラストを読者に委ねるリドル・ストーリーまで、本当に多彩な作品で知られています。

正直どれを読んでも外れない現代最高の作家の1人だと思いますのでぜひ御覧ください!

『火のないところに煙は』|芦沢央

「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の〈私〉は驚愕する。忘れたいと封印し続けていた痛ましい喪失は、まさにその土地で起こったのだ。私は迷いながらも、真実を知るために過去の体験を執筆するが……。謎と恐怖が絡み合い、驚愕の結末を更新しながら、直視できない真相へと疾走する。読み終えたとき、怪異はもはや、他人事ではない――。(解説・千街晶之)

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『バック・ステージ』を読んで「芦沢先生って爽やかな作品を描くだなぁ」とミスリードした方に向けて、彼女の究極ホラーをご紹介。

実在の出版社から「神楽坂(実在の地名)を舞台にした怪談連載」を依頼された主人公(芦沢央=作者本人)が体験した怪異を書く形式、いわゆるフェイクドキュメンタリーの形式を取る本作。

はじめこそフィクションだと確信しているのに、章が進むに連れて「本当に創作なのか?」「実際の怪異ではないのか?」と虚構と現実の境界が曖昧になるような恐ろしさがあなたを襲います。

まさに「ダークサイド」の芦沢先生が描く恐怖は筆舌に尽くしがたい恐ろしさですので、ぜひ御覧ください!



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