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中高一貫校に通ってみた感想。メリットデメリットとは?

こんにちは。
私は中高一貫校に通っていたのですが、ちょっとそれについて書こうと思います。よくネットにあるような、「余裕を持って大学受験に備えられる」「特色あるカリキュラム」みたいなのではなく、すべて「私が通ってみたどうだったか」にフォーカスしていて、かなり個人の感想です。。笑

ちなみに私が行っていた学校は、地方にありますし、偏差値も高くないので、すごく中くらいのレベルだったと思います。


デメリット

デメリット1

デメリットの1つ目は、中学受験のために小学生のうちから勉強に励まないといけない+それによる弊害についてです。

本人が受かりたくて猛勉強する場合と、何となくで受験する、親の勧めで受験するなどで対して勉強せず受験する場合で、このデメリットが当てはまるかどうか決まる気がしますが、とりあえず私は前者でした。

特に中学受験直前の小6秋~受験当日くらいまでは、塾か図書館にこもっていた記憶があります。平日は小学校が終わって塾へ飛んでいく日も多かったし、冬休みは本当に朝から晩まで塾にいたし、今思えば人生で一番勉強していたかもしれません笑

それでこれの何がデメリットかというと、小学生のくせにアイデンティティが「勉強」しかないことです。

私が通っていた小学校の卒アルの個人写真の撮影の時に、なにか好きな物とか、小学校で頑張った物とかあれば、それと一緒に写真をとることになっていたんですね。
必須ではなかったですが、ほぼ全員何かしらと取っていました。吹奏楽部にいた子は自分の楽器と映ったり、好きな本とか漫画がある子はそれを学校に持ってきたりしていました。

でも私は何にもありませんでした笑 部活もやっていなかったし、小6の時は受験しか見えていなかったし、勉強頑張っていたけれど「勉強」を可視化するのも、「勉強」と卒アルに映るのも、当時の私には難しかったです。

何も持たずに撮影する子は全体の1割くらいはいましたが、今でも何も持たずに卒アルに映る小学生の私を見れません笑 

こんな感じで、勉強をとると何も残らない小学生が中学受験によって確立されてしまいました。

これの問題はもう1つあって、私の中で「私は頑張ってきたことが勉強しかない」みたいな認識はしているんですけど、周りも同じような考え方で私を見ていたと思うんですね。周りも、「私」という人間から勉強をとると、何もない子と見ていました。

だから中学受験が終わって、中学校の定期テストとか模試があってそこで良い結果を出せないと、親から微妙な顔をされていました。
小学生の時は成績も良かったし、無事に中学校にも合格したのに、その先では学年トップ10にも入らない私を両親は目の当たりにして、残念がっていたのは今でも覚えています。

なんか親の文句言っているように見えますが、そうでもありません笑(そんな典型的な両親が「普通」を外れた海外進学を許してくれたのは、今思うとすごいですし、ありがたいです。)

中学受験で、小学生の内から勉強にのめりこんでしまうことによる、アイデンティティの損失が、私にとって大きかったかもしれません。
その後、留学とか英語学習とか経験して、今でこそ自分を示すような特徴はありますが、当時(小6とか中1)は勉強以外のことも頑張れている同級生と比べてしまい、辛かったです。


デメリット2

そして中高一貫校は比較的コミュニティが小さかったと思います。
厳密にいえば、規模が小さかったのは高校より中学校です。1学年100人も満たない規模で、私の学年はいい感じに男女比も平等でした。
中学受験をせずに、そのまま地区の中学校に行けば、確実に1学年の生徒数は2倍以上だったと思います。

その1学年100人という規模の中で中学3年間過ごすわけですが、ちょっと小さかったかなと思います。限られた生徒数の中で、自分なりにコミュニティを広げていくわけですから、難しかったようにも思います。

いわゆる「少人数制」みたいに聞こえますが、このメリットはやけに団結感があるところでしょうか。デメリットはなじめなかったら終わりです。

そのせいか、中学校の時は、不登校になってしまう子も、中学受験して入った学校をやめて地区の中学校に入るという子も、1学年あたり数名はいました。
なんだかんだ中学卒業時に付属高校ではなく、高校受験をして別の高校へ行く子もいたので、高校入学時には当初より10人程度減っていました。

デメリット3

3つ目は、中高一貫校に受験して入ってきたのに、意外と学力差が大きいことです。

たぶん入学当初はたいして差が無いのかもしれませんが、学年が上がるにつれ学年1位と最下位にはすごい差ができたように思います。

レベルに関わらず大学進学を目指す生徒が大多数の学校なら、どの学校へ行ってもそうかもしれませんが、
学年トップの人たちは、本当に何か興味のある学問があり、1教科だけ馬鹿みたいにプロ並みの知識を持つような人が多かったです。
こういう人たちは、どの科目も(なぜか)できる上で何か突き詰めているので、総合的に見てもトップで、私から見れば秀才というよりは天才と言った方が近いです。

いくら中高一貫校に合格しても、気を抜くとあっという間においていかれるし、いつの間にか学校のレベル以上に達してしまう生徒もいます。
おいて行かれた生徒は追いつきようがないくらい離れていることもあり、高校に入ってからのテストでは赤点を連発する生徒も学年に数人は必ずいましたね。

ちなみに、「いつの間にか学校のレベル以上に達してしまう生徒」はそれを自信が理解している場合も多く、付属高校へ行かずに別の高校を受験する生徒がそれです。かなり頭のいい高校へ入りなおしていました。(中高一貫の魅力である先取り教育を無駄にしているのは事実なので、結果としてどうなのかは微妙ですが)

メリット

メリット1

まず1つ目のメリットは、中高一貫なので、中学生でも高校生と同じようなことを経験できます。
私が行っていた学校で、中高で共有されていたのは、
・部活
・行事
・高校教師
・高校の設備

の4つです。

部活は、「中学生だけ」というのは意外と少なくて、どの部活も中高合同だったように思います。反対に高校へ行くと、高校生だけの部活が一気に増え、部活の幅が広がりました。

そして行事は、文化祭/体育祭というようなものから、入学式/卒業式といった式典までだいたい合同開催でした。

文化祭などは、どう考えても中学校より高校の方が派手で、豪華ですから、中学生としてはかなり楽しかったです。
逆に式典系は、高校生も一緒で人数が増えるため、中学生からするととても効率が悪く、デメリットです。

そして3つ目の高校教師が共有されるというのは、中学校の授業に高校の先生が来ていたり、付属高校から中学校へ異動があったりする(逆も存在する)のです。異動と言っても、勤務地も職員室も同じなので教える生徒が変わるだけです笑

これの何がいいかと言うと、中学生の授業なのに高校の授業のエッセンスを入れてくれる先生がいるのです。だいたい高校から付属の中学へ出張で来る先生たちは、その教科の魅力を伝えてくれることが多く、中学校の先生の授業よりずっと面白かった記憶があります。

あとは中学1年のころから高校卒業まで、ずっと同じ先生がこの科目を教えてくれた、ということもありえるのです。私も、中学校の時の理科の先生と、高校時代の化学の先生は一貫して同じでした。その先生がいいと思えるのなら、これはメリットだと思います。

そして4つ目の高校の設備ですが、中高一貫校でも、中学の校舎と高校の校舎が離れている場合、別の建物としてそれぞれ存在している場合は、当てはまらないと思います。

私の学校は、中学棟/高校棟に分かれていただけで、建物は一緒でした。
そのため、理科の実験室から、図書館、体育館まで、全部共有でした。

特に図書館は一番好きなスペースで、2階建ての大きな図書館でした。図書室ではなくて校内でも図書館と呼ばれる、素敵なスペースでした🥺

メリット2

2つ目は、高校入学の時の初期費用が少ないことです。

私は中学校に入学した時に、制服・運動着・室内履き等のシューズを購入しました。

が、高校入学時に買い替える必要があったのは、中高で制服のデザインが変わるスカートのみでした。制服やシューズの劣化具合によってはもっと買い替える人もいますが、私はスカートのみで、出費が最小限でした。シューズは中学時代に足のサイズが変わって何回か買いなおした気もしますが。

親目線で見れば楽だったと思います。

習熟度別クラスについて

そして最後に習熟度別クラスについて思うことを書いておこうと思います。

私が行っていた学校では数教科だけ習熟度別クラスがありました。高校でもこれはありましたが、中学校での習熟度別クラスについてです。

先述の通り、高校の先生が(高校に属しながらも)中学生にも授業をしてくれていたと書きましたが、私の学校では特に理系でその傾向が強かったように思います。数学でも中学校から習熟度別クラスがありましたが、そういった高校の先生が受け持つのは、レベルが一番上のクラスでした。

つまり、高校の先生は、中学生に数学の面白さを伝えてくれますが、それを享受できるのはもともと数学ができる人なのです。既に数学の面白さをある程度理解している人が、もっと数学が好きになるだけです。

本当に数学ができないクラスでは、数学を分かりやすく教えることにフォーカスしてしまい、数学の面白さが分かる授業は受けられるわけではなく、いつまでも数学に対する興味や苦手意識の改善はあまり見られません。

当たり前の仕組みかもしれませんが、これは今振り返ると少し残念だったように思います。

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございました:)

中高一貫校と言っても、偏差値や私立/公立かで、だいぶ違いは出てくると思うので、これはあくまで「私がとある中高一貫校に通ってどうだったか」ということにフォーカスしており、ジェネラルな感想ではないかもしれません。

特に一番最初の「小学生のくせに勉強ばかり」とかいうデメリットは、それこそが中学受験の定義だったりするので、「デメリットでもなく当たり前だよ」と思う方もいるかもしれませんね。

中高一貫校は、中高6年間もの間を「大学進学に向けての準備期間」として捉えることができるのが大きな魅力です。
この記事を書いてみて、入学しただけではなく、その中で中高一貫のカリキュラムの特長を活かして、学校の中でも落ちぶれずに頑張ることが必要になってくると思いました。

私がそれを活かせたか?と振り返ると全くそうでもありません。(日本の大学を前提とした中高一貫なのに、海外進学を選んだので。。)

最後まで読んでいただきありがとうございました:)

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