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おにぎりとso many people

 昨日は朝から外出していた夫が、昼に地元で人気のおにぎり屋のおにぎり弁当を買って帰ってきた。醤油をからめたおにぎりと、おかかの入った素朴なおにぎりに、醤油と生姜でしっかりと下味がついた唐揚げ、甘辛いきんぴらごぼうが付いて500円。安くも高くも無く妥当なお値段だと思う。そして、文句なしに美味しい。

 そういえば、最近は高級おにぎりが流行っているようで、テレビでもおにぎり専門店の特集をよく見かける。専門店では1個300円、400円、500円と100円程度のおにぎりに慣れ親しんできた私には驚きの価格。それでも、手が出ない高級品では無く、手の届く高級品。プチ贅沢というのだろうか?昭和世代の私が高級品と言って連想するのは、松坂牛、松葉ガニ、ウニ、とらふぐ、大トロ、マツタケ…など。それらと比べたら、高級おにぎりはかなりお手頃価格。最近はこういった安価な高級品が多くなった気がする。

 お手頃価格の高級品で真っ先に思い浮かぶのは『ブーム終了…』との声を聞くようになった『高級食パン』だ。流行り始めの頃は『こういったところに高級を見い出すようになって、日本もいよいよ貧しくなってきたな。』と思った。そして、高級や贅沢に飢えた庶民の心をくすぐる商魂逞しさと、庶民の細やかな贅沢に心を寄せるいじらしさを感じた。『真に高価な高級品など欲しがりません。』という時代なのだろうか?

 給与も上がらないまま、物価だけが上がっていく中で、きゅうきゅうの生活をしている人も多い。国民負担率だって江戸時代なら一揆が起きていたほどの重税と耳にする。

 『精神疾患を患っている人の中にはお金の心配が無くなれば充分に回復出来る人も多い。』と医師が語る記事を何かで見かけて、こんな世の中ではごもっとも…納得した。

 随分前に見かけたツイートでも心に刺さった呟きがある。

小さな事かもしれないけど200円のお菓子1つとか500円の本1冊を買わずに我慢する生活って少しずつでも確実に心を削られるから手取り15万とかの生活で心身健康に暮らすのなんて絶対無理なのよ。

 やっぱり、身体の状態が心に反映するように、懐事情も心に反映するはず。

 庶民の私だって、たまには北海道産のバフンウニ丼を豪快に食べ、友達とコース料理を楽しみ、家族で1年に2回は国内旅行、2年に1回は海外旅行に行って、舞台やコンサートのチケットも迷いなく買う事が当たり前のように出来たら…と想像しただけで気持ちが晴れ晴れした。人としての暮らしには、細やかな日常と共に歓喜も必要だと思う。

 それに、少し前に経済財政諮問会議で高齢者の定義を70歳とする提言があったことをネットニュースで知り、そう簡単に高齢者にもさせて貰えない時代が来るのか…と思った。男性の健康寿命(他人の手を借りずに自立した生活ができる期間)は厚生労働省の2019 年調査によると72.68歳。『労働者として人生を終えていくのか?日本国民、コスパ良すぎだろうっ!』と憤りを感じた。

 そして、今日も『やっぱり、選挙には行かなくては。』と思う。選挙に行っても何も変わらないという人がいるけれど『この状況では選挙に行かずにはいられない。』という気持ちが湧いてきて当然だと思う。

 近ごろはエレカシの「so many people」の歌詞がリアルに伝わる。

ソーメニーピープル 求める気持ちを一時も忘れないで

so many people エレファントカシマシ

 『一時も忘れないで』という所が特に好き。そして、雑誌記事で宮本浩次が選挙時は不在者投票をしていることを知って、そこも好き。

 私の今年の目標は『狂気の世の中を正気で暮らす』だけど、なかなか厳しい…と感じることが増えている。諦めの早いイイ子になっては駄目っ!と自分に言い聞かせる。


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