「25周年おめでとう!」FC東京「MIXI Day」ブランドデザインの話
こんにちは。MIXI デザイン本部 ブランドデザイン室 デザイングループの國分です。
私は2021年にミクシィ(現:MIXI)に入社し、さまざまな事業案件を担当してきました。MIXI入社前は音楽のジャケットからイベント、コンシューマーゲームなどのエンターテインメント領域のデザインの仕事を行ってきました。
MIXIに入社した理由は、より広い領域で深く案件に関わりたいという思いからです。現在は、デザイン本部 ブランドデザイン室 デザイングループのマネージャーとして、主にMIXIのコーポレートブランド浸透とブランドイメージの共有・確立の役割を担っています。
昨年2023年に、FC東京クラブ設立25周年イベントの一つである、協賛試合「MIXI Day」が開催されました。本イベントの広告クリエイティブの制作に携わりましたので、その模様をお伝えしたいと思います。
「MIXI Day」とは?
MIXIは、2018年からFC東京を応援しています。2019年には、マーケティングパートナーとして、ファン・サポーターの方々が仲間と一緒に楽しめるマーケティングプランなどの提案を行ってきました。
昨年2023年、FC東京はクラブ設立25周年を迎えました。クラブ設立月の10月は、さまざまなイベントが開催されました。クラブ設立日の10月1日前後には、25周年記念試合とした試合が3試合行われ、その一つがMIXIが協賛する試合イベント「MIXI Day」となりました。
プロジェクトメンバーと考える「25周年おめでとう!」
「MIXI Day」の広告クリエイティブ制作のプロジェクトを開始するにあたり、まずは社内のメンバー結成から始めました。デザイン本部からは動画制作チームと、私が所属するブランドデザインのチーム、そしてフットボール事業部からは、FC東京の担当者が参加しました。
どのようなスタンスでクリエイティブを作るか、プロジェクトメンバーと議論を開始しました。私たちは「MIXI Day」のクリエイティブを通して何を実現したいのか。スタジアムの観客、ピッチにいる選手たち、ベンチにいるスタッフたちにどのようなメッセージを届けたいのか。
議論を重ねた結果、「ファンもクラブもMIXIもみんなで同じ方向を向いて、25周年をお祝いする」ということでした。そして、みんなで「祝!25周年」と、一緒に祝うコミュニケーションが生まれる場を作りたい、と考えました。
スタジアムにいる人たちにどのようなクリエイティブで接すれば、MIXIの目指す「心もつなごう。」を体験として提供できるのか、そして「25周年おめでとう!」と語りかけ共に祝うことができるのか。この想いを、以下の4つのクリエイティブで表現していくことにしました。
フラッグ(無料配布物)
LEDビジョン
スクワッドボード(選手の集合写真時に飾るスポンサー名入りボード)
MIXIの企業チラシ(フラッグ同梱物)
この記事では、その中のフラッグとLEDビジョンのクリエイティブ制作のお話をご紹介します。
スタジアムで心もつながるアイテムを作りたい
まずスタジアムに来場されるFC東京のファン・サポーターの方々に無料で配布するアイテムについて、フットボール事業部から数々の案が出されました。その中で、フラッグを来場者に配って試合中に振ってもらえれば、スタジアムの中がもりあがっているように見え、ピッチの選手からもその模様が見られて、「『25周年おめでとう!』を共に祝う」というコンセプトが実現するのではという考えからフラッグに決まりました。
デザインは25周年を記念して、FC東京が用意していたクラブ設立 25周年 記念ロゴをメインに配し、スポンサーであるMIXIの企業色よりもクラブカラーをメインとすることで、ファングッズとしての色が濃いアイテムになりました。
超細長LEDビジョンの映像制作
「MIXI Day」の試合会場となった、味の素スタジアムの特徴の一つでもある、1階席と2階席の間をぐるりと囲むように設置された細長いLEDビジョンは、会場内のどこにいても一望できる絶好の位置にありました。このLEDビジョンを活用して、スタジアムの雰囲気を一層盛り上げることを目指しました。
25周年という節目を、ファン・サポーターの皆さんと共に祝うため、デザイン本部の動画制作チームと連携し、クラブの歴史を飾るレジェンド選手たちが次々と登場するメモリアルな場に相応しい映像作りを実現しました。
レジェンド選手の選定には悩みましたが、25周年記念を一貫した活動として統一感を出す意味でも、すでにFC東京が用意していた25周年のキービジュアルに登場していた選手を対象としました。
映像はわずか15秒という尺の中で、注目を集める工夫が必要でした。動画制作チームから、映像の最初に青色のみの色を会場をとり囲むように走らせ、赤色が戻ってくるというクラブカラーを使いつつ違和感を生む始まり方で、来場者に「なんだこれ?」と目を向けてもらう仕掛けを組み込む提案が生まれました。
また実制作に際しては、LEDビジョンが超細長の形状(以下、画像)であるため、この特殊な仕様に沿った制作プロセスの工夫が必要不可欠でした。
上の画像のように、映像は、パソコンのモニター上では実際の比率のままでは確認できません。超細長のLEDビジョンの映像制作の経験を持つ動画制作チームのメンバーからの提案により、一枚絵の確認用映像を用意するプロセスを導入しました。
こちらは、H60 x W14400pixelの超細長の映像を、パソコン画面で見やすいようにした映像です。
このプロセスを追加することで制作の手間は一旦増えますが、フロー全体の効率化と正確性の向上という意味では、とても有用な方法でした。
フットボール事業部の担当者、デザイン本部の動画制作チーム、ブランドデザインのチーム、それぞれの職域を活かしたメンバーの連携により、4つのクリエイティブは完成し、無事「MIXI Day」当日を迎えました。
「MIXI Day」当日とその反響
「MIXI Day」の試合結果は3-0の快勝で、スタジアムの雰囲気は最高に盛り上がりました。当日来場された方々に配布したフラッグは、特に親子連れから大好評だったと、後日のアプリからのアンケート結果でわかりました。
「お祭りみたいな感じが良かった」「ファンが一体となった感じがした」「子どもが振って喜んでいました」などの声を多数いただきました。
またフラッグがコンパクトで持ち運びが楽だったと言う声もあれば、サイズの大小を求める声もさまざまなものがありました。
色合いについても「スタジアムが青色に統一されきれいだった」と言う声もあれば、赤色がもっと入ってほしかったなどの要望の声もありました。
これらのアンケート結果は、デザイナーとしてすべて目を通し、次の制作機会に活かしていければと思っています。
試合中に幾度となく流されたLEDビジョンも、とても良い反響があったとのことで「MIXI Day」の次のホーム戦であった、10月28日に開催された25周年月間試合のサンフレッチェ広島戦でも掲示していただきました。
ファンの方々もレジェンド選手がラインナップされた映像に反応してくださり、SNSなどで色々なコミュニケーションも生まれていたと聞きました。
自分が作ったクリエイティブが世に出ていき、その反応を見れるということは、いつも作り手にとっては最高の瞬間です。
また、「豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。」をパーパスに掲げているMIXIのブランドデザイナーとして、「MIXI Day」のクリエイティブでその姿勢を示す試みができたことは大変貴重な経験であり、学びが多いものでした。
2024年の「MIXI Day」は、3/2(土)に開催されます。
詳しくはこちらのサイトをご確認下さい。
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