ちびデブ眼鏡の少年を卒業し、僕はやっと「普通」を手に入れた。
いじめを克服し、友達も増え始めた小学校生活。
でも、僕の見た目は相変わらずのちびデブ眼鏡で、自分への自信がありません。
この時の将来の夢は「普通の人」になることでした。
見かねた父親の一言
大食いで太り続け、家でゲームをしまくっている僕を見かねて、父親にこんな一言を言われました。
父親は、「家でゲームばっかりして太る一方だから、勉強よりも外で運動することを優先しなさい」という意味を込めて言ったそうです。
僕は、勉強しなくていいというキーワードのみ受け取って、外に出るようになりました。
毎日の犬の散歩
それから父親に連れられて、毎日のように愛犬ラッシーの散歩に一緒に行くことになりました。
実家は山に囲まれている場所にあったこともあり、父親とラッシーの散歩コースは「山」。
その山を父親は「ラッシー山」と呼んでいました。
ちなみに僕の父親は運動が趣味で、散歩時間はだいたい2時間くらい。
ラッシー山に入っていくと、最初の方は石で飛び飛びに作られた、階段のようなものがありました。
その階段を登り切ると、人の気配が無い廃れた「神社」があります。
父親はここを、「ラッシー神社」と呼んでいました。
ラッシー神社にたどり着くと、ここは山の中腹のようで、神社の奥には丘があり町が見渡せます。
僕はこのラッシー神社の丘から町を見渡すのが好きでした。
父親がいない時も、ラッシーと散歩に行くようになります。
ワンワン!と吠えながらラッシーは、ラッシー山からラッシー神社まで全速力で走っていきました。
父親に鍛えられたラッシーの速さは、半端ないスピード。
自由に走り回るラッシーを、手綱を持っている僕が止めるのは可愛そうだなと思い、僕もラッシーと同じスピードで全速力で走っていました。
ラッシーと全力で走る爽快感と、ラッシー神社から見る景色が大好き。
「ラッシーの散歩」という名の、「全力ダッシュ+山登り2時間コース」を、僕は毎日のように続けていました。
みるみる脂肪が落ちていき
毎日ラッシーの散歩に行っていると、僕のふくらはぎはムキムキに。
小学校の短パン姿で下校している僕を、妹はたまに後ろから見ていたようでした。
大人になってから妹に、こんな風に言われたことを覚えています。
気がつけば、悩みだった三段腹も消えていました。
ずっと三段腹だったので、痩せても僕のお腹には、三本の線が入った三段腹の痕が残っていましたが。
そして僕はスリムになり、ちびデブ眼鏡から、ちび眼鏡になりました。
成長期が訪れる
誰から聞いたのか忘れましたが、牛乳を飲むと背が伸びると思い込んでいました。
僕は信じて、牛乳を飲む毎日。
学校の給食の牛乳は、余ったやつをもらって毎日2本飲んでいました。
家に帰っても、晩ごはんと一緒に水じゃなく、毎日牛乳。
牛乳の効果なのか、たまたま成長期が訪れたのか、僕は小6で身長が一気に10センチくらい伸びました。
そして僕はスリムで身長も平均より高めになり、ただの眼鏡くんになりました。
眼鏡からコンタクトへ
視力は一気に低下し、0.1を切っていました。
眼鏡のレンズはどんどん分厚くなり、僕の眼鏡は虫眼鏡のような状態に。
裸眼ではほとんどぼやけて見えなくなり、僕は不安に駆られていました。
見かねた両親が、コンタクトレンズを買ってくれることに。
母親に連れられ、眼科にコンタクトレンズを買いに行きました。
コンタクトは最初付けるのにコツがいると聞いていましたが、目の大きい僕は一瞬で付けることができました。
目を開けた時に見えた世界は、感動的。
目が悪くなる前の自分に戻ったみたいでした。
帰りの車の中で、嬉しくてキョロキョロと外の風景を見ていました。
そうして僕はついに、ちびデブ眼鏡のすべてを卒業し、普通の小学生になることができました。
まとめ
ちびデブ眼鏡を卒業した僕は、普通の小学生になりました。
気持ち的にも、元々明るかった自分に戻った気分でした。
色々あった小学校生活も終わりに近づいてきました。
続きはまた次回お話しします。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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