見出し画像

大解剖!三浦法律事務所STAFFの仕事AtoZ Vol.7:新卒採用一期生が語るM&P(前編)

2019年1月に30人の弁護士と3人のスタッフでスタートした三浦法律事務所(以下、M&P)は、2021年11月現在、弁護士66人、スタッフ26人にまで増えました。事務所の成長に伴いスタッフの増員も積極的に行っており、2020年からはスタッフの新卒採用も実施しています。

スタッフの採用活動を行う法律事務所が一定数ある一方で、法律事務所で働くスタッフの業務について知るチャンスが少ないと筆者が感じたことからスタートした本連載「大解剖!三浦法律事務所STAFFの仕事AtoZ」。

7回目となる今回のテーマは「新卒」。「新卒一期生」としてM&Pに入所した秘書の小林あすかさんとアドミニストレーション・グループ・スタッフの池谷朋美さんにインタビューを実施しました。新卒ならではの視点で、M&Pでの日々を語ってくれました。

画像1

(写真左)池谷朋美/アドミニストレーショングループ・スタッフ
(写真右)小林あすか/秘書

――はじめに、二人の仕事内容を教えてください。

小林あすか(以下、小林):秘書として、裁判所に提出する書面の作成や請求書の作成、弁護士のスケジュール管理、書類の印刷・ファイリングなどの業務を行っています。M&A案件で発生するデュー・デリジェンス* 関連の作業は大変ですが、企業の重要な局面に関与している実感が持てる仕事なので、一つ一つの作業を着実にこなすことを心がけています。

*デュー・デリジェンスとは:M&Aの対象となる企業の契約書をはじめ、大量の資料が開示され、弁護士がその大量の資料を精査してリスクなどがないかを検討する作業のこと

――小林さんは今、何人の弁護士を担当している?

小林:今はパートナー1人、アソシエイト2人の計3人です。4月に入所してしばらくはOJT担当の先輩の業務を一緒に担当しました。担当を受け持つようになったのは 8月からです。8月中はアソシエイト弁護士1人だけを担当していたので、気持ち的にも余裕があって、同じ秘書チームのメンバーの手伝いもできていました。

9月以降は担当が増えたことで、新人の私では抱えきれない量の業務が発生することもありましたが、そんなときは落ち着いて優先順位をつけて作業することを心がけるのと、同じ秘書チームのメンバーに支えてもらうことでなんとかパンクせずに対応できています。

――池谷さんはアドミニストレーショングループ(以下、アドミGR)でどんな仕事をしていますか?

池谷朋美(以下、池谷):広報、総務、人事、ITなどなど、秘書業務以外の全てが業務範囲になります。具体的には、広報業務としてM&Aリーグテーブル* を担当したり、総務業務としてオフィスの引っ越しプロジェクトのネットワーク関連業務を担当しています。あとは、2021年9月に名古屋オフィスを開設したので、開設に伴う業務や開設記念セミナーの運営も担当しました。

*M&Aリーグテーブルとは:法律事務所が手掛けたM&A案件の数と規模で競うランキング。ブルームバーグ社など、複数のメディアが実施している

――かなり幅広いですよね。その中でも特にやりがいのある仕事は?

池谷:リーグテーブルで事務所のランクが上がっていくのを見るとやりがいを感じます。日本国内のランキングでは、5大法律事務所に次ぐ6位につけているので、微力ながら事務所の成長に貢献できていると感じます。

――リーグテーブルに関しては、先日から四半期ごとの結果の分析も池谷さんにお任せしているので、頑張って研究していますよね。アドミGRも秘書に負けず劣らずたくさんの仕事を新卒に任せますが、どうやってこなしていますか?

池谷:私も優先順位を考えて作業をするようにしています。順調に進んでいても、イレギュラーなことが発生して焦ってしまうことがありますが、とにかく落ち着いて情報を整理して、チームと相談しながら進めるようにしています。

――2人は「新卒採用一期生」なわけですが、なぜ無名のM&Pに応募したんですか?面接ではないですが(笑)、志望動機を教えてください。

小林:学生時代のアルバイトで人を支えることが好きだと感じ、事務職を中心に人をサポートする仕事を探しました。また、大学では会社法のゼミに所属していたので、M&Aなどに携われる仕事に就きたいなと思ったのが法律事務所を志望するきっかけの1つです。そんなときに尾西(祥平)弁護士とお話する機会があって、人生が変わりました(笑)。そこからM&Pについて調べて、ますますこの事務所について知りたいと思い、尾西弁護士に直接コンタクトをとって、事務所訪問できないか相談しました。

画像2

――そのときのことをよく覚えていますが、「コワモテ(だけど実際はとても優しい)の尾西弁護士に直談判するなんて、なかなかガッツのある学生さんだな」と思っていました(笑)。就職活動では他の法律事務所も受けたと思いますが、M&Pを選んだ理由は?

小林:事務所訪問をきっかけに学生アルバイトとして採用してもらって、実際にM&Pで働けたことも大きいですが、とにかく事務所全体の雰囲気が良いんですよね。大手の法律事務所だと、弁護士が1人または何人かずつの個室で執務していて、物理的にスタッフと距離があるところが多いと思います。そういう点からも、「弁護士」は自分が話しかけてはダメな存在、というイメージだったんです。他方、M&Pは個室ではなく、弁護士もスタッフも全員が同じスペースにいてコミュニケーションを取りやすい環境なので、そこがすごく良いなと思いました。

――池谷さんの志望動機も教えてください。

池谷:私も大学時代に所属していた委員会の経験から、人をサポートすることにやりがいを感じて、サポートする仕事に就きたいと思ったのがきっかけです。また、法学部だったこともあって、法律を駆使して人や会社を守る弁護士をサポートしたいと思い、法律事務所を受けました。

そのなかでM&Pを志望したのは、できたばかりの組織であることと、組織の成長に携われるところが魅力だと感じたからです。また、就職活動ではその会社で働く人や職場の雰囲気を重視していたので、説明会や面接に参加したスタッフや弁護士の雰囲気が良かったこともM&Pを選んだ要因です。

――さて、入所して半年が経ちましたが、働いてみてどうですか?成長した実感はありますか?

池谷:大学生のときの自分と比べたら成長できたと思います。とは言っても半年なのでまだまだ未熟な部分もあって、改善していきたい点はたくさんあります。

画像3

――例えば?

池谷:スケジュール感とかですね。学生時代は期限ギリギリでも何とかなってしまう部分もあったと思いますが、社会人になって優先順位づけとスケジューリングの重要性を強く実感しました。

小林:大学生だった当時も優先順位をつけることはできていたと思っていたんですが、社会人になって真の「優先順位をつけること」を学びました。全然違いました(笑)。

――何が違うの?(笑)

小林:1つの業務を対応している間にどんどん新しい業務が増えるんです(笑)。今対応中の業務を進めつつ、新たに増えた業務の納期を確認して・・というように、マルチタスクで進める必要がありますが、これに慣れるまで時間がかかりました。学生のころは、やらなければいけないことの全体像が見えているので、その中で優先順位をつけることができていましたが、知らないことや新しい仕事がどんどん増えてくる中で、その都度優先順位を調整しながら対応していくことの難しさを知りました。

――社会人として働きはじめて、大変だったことやピンチだったことはありますか?

池谷:前例がないことが起きてしまったときは、とても焦ります。あと、法律事務所は弁護士法人でない限り法人ではないので、組織を公的に証明するもの、例えば登記簿謄本などがないんですよね。総務関連の業務で証明できるものを出してくれと言われることが多いので、そういった書類がないことを説明するのですが、相手からしてみればそのケースは想定していないので、なかなか理解してもらえず、手続きを進めるのが非常に困難なときがあります。まさに今起きていることなんですけどね(笑)。

――それ、大丈夫?解決できそう?

池谷:解決させます!

――ありがとう、頼もしいです(笑)。小林さんがこの半年で一番大変だったエピソードは?

小林:やはり担当弁護士が3人に増えたときが大変でした。どうやって優先順位を組み立てよう・・・とパニックになりかけましたが、OJTの先輩と秘書チームのメンバーに相談したところ、「頼っていいんだよ」と言ってもらえたことで、気持ちがとてもラクになりました。そこから少しずつ自分のキャパシティを広げていっています。

――たしかに、「3人」っていう人数のインパクトは大きいですよね。3人担当すると分かったとき、先輩たちから何か声をかけられましたか?

小林:先輩方は、私を良い意味で特別扱いしないでくれて、1人の秘書として接してくれたので、信頼してもらえたようでうれしかったですし、心配ではあったけどワクワク感の方が大きかったです。新卒でもいろんな業務を任せてもらえるところはM&Pの良いところだと思います。他の会社の新卒よりも圧倒的に成長している自信があります。

池谷:新卒って受け身になってしまう部分も多いと思うんですが、任せてもらえることで、自分自身で考える力がついて成長したなと実感できます。

・・・

次回予告:新卒採用一期生が語るM&P(後編)

後編では、「英語の使用頻度は?」「入所前にやっておいた方がいいことは?」「どんな人がM&Pに向いている?」などなど、事務所説明会や採用面接でよく聞かれる質問に新卒コンビが回答していきます。

・・・

【バックナンバー】


Author

平川 裕(三浦法律事務所 PRマネージャー兼アドミニストレーション・グループ マネージャー)
PROFILE:大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年からファッション業界紙「WWDジャパン」の編集記者として、同紙におけるファッションロー分野を開拓する。同時にバッグ&シューズ担当としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材も行う。19年6月から三浦法律事務所のPRマネージャーを務める傍ら、フリーランスのファッションジャーナリストとしても活動する

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?