これからも一緒にお風呂入ろうね!(短編小説)


幼く見える少女と幼く見える少年が一緒のお風呂に入っている。
「えへへ、あったかいね」
「そうだね……」
二人はお湯に浸かりながら、のんびりとしていた。
だが、少年はどこか落ち着かない様子でそわそわとしている。
「……ねえ、どうしたの?」
少女は不思議そうに首を傾げる。
「い、いや……なんでもないよ」
「ふーん……?」
少年の言葉に少女は少し怪しみながらも、それ以上は追及しなかった。
「そろそろ出ようか」
しばらく浸かっているうちに、少年は逆上せそうになっていた。
このままでは倒れてしまうと思い、お風呂から上がることを提案する。
「うん! じゃあ、私が背中流してあげる!」
「えっ!?」
少女はそう言うと、湯船から出て少年の背中を洗い始める。
突然の提案に驚きを隠せない少年だったが、少女が楽しそうだったのでそのまま洗われることにした。
「痒いところはないですかー?」
「……大丈夫だよ」
少女の楽しそうな様子に、少年は苦笑いしながら答える。
それからも、少女による少年の背中流しは続いた。
そして、ようやく終わりを迎えた。
「はい、おしまい!」
「ありがとう」
「どういたしまして!」
二人は湯船へと戻り、再びゆっくりと温まる。
「ねえ……」
「なに?」
「これからも一緒にお風呂入ろうね!」
「う、うん……いいよ」
嬉しそうに笑う少女に、少年は戸惑いながら頷く。
こうして、二人の仲はさらに深まったのだった。

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