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小さな旅・思い立つ旅|美しい暮らしのある島、そして建築も[坐 茅 荘 園 窯 堂 舎]

建物は仮でも、暮らしに仮はない

大きな災害が起こるたびに、そこでの暮らしは破壊される。それでも日々の営みは続いていくので、仮説住宅に住まう状況に追い込まれる方々も少なくない。

仮設 の 住宅

何らかの理由で、住み慣れた住処を離れて応急的に準備された住宅に住む。そんな住宅を人々は仮設住宅という。あくまでも仮で、応急的に簡易的につくられた建築。でも、そこで生きる方の人生に仮はない。いつ何時も自分の“本当の”人生を生きている。

暮らしに 仮 はない

仮設住宅と気軽に言うけど、無意識的に日々の暮らしも仮でいいと肯定するかのような言葉はよくないなぁと、ふと思う。

約2000年前の村の跡|五斗長垣内遺跡


美しい暮らしのある島

日本は島国。大小の島々から成り立っていて、その数なんと6847。島それぞれに異なる風景があり、風土があり、文化がある。

海外旅行へ行くときの、飛行機で飛び立って現実を一旦リセットするほどの高揚感はないけれど、島へ行くという行為もそれに近いものはある。道路は繋がっていても、一旦海を渡ることで日常から少し距離置く。船に乗ればさらに旅の気分は増してくる。

明石海峡 渡ればすぐに 淡路島

ということで、関西人には馴染み深い淡路島の好きなところをピックアップ。1日で巡ることもできるし、2日かけてゆっくりするもよし。日々の美しい暮らしと、それを支える美しい建築。日常の延長線上にある、心地いい島旅。

旅したくなる、美しい暮らしのある島
そして建築も

坐|すわるところ
茅|かやぶきのいえ
荘|いなかのやど
園|あつまるにわ
窯|くらしのうつわ
堂|まつるところ
舎|やどるところ

淡路翁にて

坐|禅坊 靖寧

森に浮かぶ禅坊で、坐り心と体を整える

森に浮かぶ不思議な物体

予約制なのでアポ無しで入ることはできないけれど、淡路島の大自然を大パノラマで体感できる話題の宿。森の中に浮かんでいるように建つ姿は圧巻。ゆっくり静かにすわるところ。

大きな屋根の下が坐るところ


茅|陽・燦燦

畑の中の茅葺きレストラン

設計は禅坊 靖寧と同じく坂茂

木と紙管、そして茅葺屋根の素朴な建物。畑のなかにぽつんと佇む姿はなんとも愛らしい。淡路島の恵まれた農と食と暮らしを堪能するところ。

室内は紙の柱と梁がたくさん
畑には愛らしいジブリのような建物も


園|若人の広場

瀬戸内海が一望できる丹下健三の公園

淡路島の最南端 大見山の山頂

すこし前にリニューアルされた広場なんだけど、知名度が低いのがもったいないほど、景色が最高の広場。瀬戸内海が一望できて、写真映えのする塔もあり、もう最高。その上、丹下健三設計というおまけ付き。

高さ25mの彫刻的な塔
洞窟のような空間はとても美しい


荘|こぞら荘

山の上の静かなところ

古材の階段と素朴な外観

海と森に囲まれて、美しいものが沢山あって、人も時間も穏やかな淡路島。そんな島の魅力を余すことなく感じられる山の上の複合施設。森の宿と森のオト。

景色のいい山の上にある建物群
暮らしに馴染む 雑貨 と おやつ と 宿


窯|樂久登窯

築100年の古民家を改修したうつわのお店

陶芸家・西村昌晃さんが営む窯元

うつわ好きとしては必ず立ち寄りたい場所。民藝窯がルーツにもある親近感のある焼き物もいいし、築100年の古民家を丁寧に再生した建築もいいし、カフェが併設されているのもいいし、庭のハンモックも、、すべていい。

作業場とともにギャラリーとカフェが併設
持ちやすい、重ねやすい、口あたりがいい


堂|本福寺水御堂

水の下に埋まっている不思議なお寺

水盤の下に潜っていくアプローチ

直島の地中美術館では美術館を地面に埋め、北海道の頭大仏殿ではラベンダーの丘に大仏を埋め、淡路島の水御堂では池の中に寺を沈める。。言葉にするとバカっぽいんだけど、どれも現地に行くと圧巻で壮観。

さすが安藤忠雄。

帰る時に空の美しさにハッとする
無機質な外観から一転して朱に染まる本堂


舎|のじまスコーラ

閉校となった小学校を改修した道の駅

学校の面影を残す外観

廃校を活用した道の駅。いろんなお店があり、飲食があり、動物園まである。何より一企業であるパソナが地方創生として取り組んでいるのがすごいなぁと。ベネッセの直島、常石の尾道、パソナの淡路島。瀬戸内と企業のいい関係。

赤が綺麗な観光スポット
淡路島産の旬の食材で地産地消がコンセプト

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