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面白い本・好きな本|“ことば”からみた日本の文化篇

読書日和の休日。
ことば”を通して『日本の文化』について考えてみる。

最小限の音節で、自然を言語化する日本語

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しとしと、ジリジリ、ひらひら、ポンポン、、
さまざまな状態や動きを音で表現した言葉、オノマトペ

オノマトペを使用すると細かなニュアンスを簡潔に伝えることが可能で、特に日本語には種類が多いと言われる。

その要因として、日本人がもつ自然の音や情景への感性があると言われるが、さらに深い要因として、日本語には音節のしくみがシンプルという性質があるとのこと。

日本語は子音だけで発音することはない。さ(S+あ)、も(M+お)など、必ず子音と母音がセットとなる。

そのため、音節は70個程度しかない。その制約の中で言語表現をするため、必然的にオノマトペを使いこなすことになる。

必要最小限の音節で、複雑で多様な情景をいい表す日本語

改めて、日本語っていいなぁと。


“ことば”からみた日本の文化篇

と、いうことで“ことば”について考える。

ことば”を通して、日本のよさ、日本の感性、日本の特異性、日本の文化を垣間見る、3冊の本。

1930年、1970年、2010年と40年刻みで過去から現代に向かいつつ、日本のことばを巡る旅。


「いき」の構造/1930

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とても有名な本。

いき」な人、「いき」な計らい、「いき」な着こなし、、、
いき」という言葉からみた日本の美意識とは。

であり、意気であり、生きでもある。
なのでタイトルではひらがなで「いき

いき」はもともと江戸の遊郭で生まれたことばだったという。そして、西洋文化にはない、日本特有の表現だと。

著者によると「色気」と「諦め」と「やせ我慢」で「いき」になると。
愛しさとせつなさと心強さと、ではなく。。

反対語は「野暮

いき」から滲み出てくる、日本の美意識を感じることのできる深い本。


ことばと文化/1973

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今回のテーマ、そのもののようなタイトルの本。

日本語が、日本の文化といかに切り離せないか、外国語と比較しながら平易に説いた良書。

ことばの背景には、必ず文化がある

日本語を欧米の言語と比べ、優劣は一切書いていない。いかに違うかという「文化の多様性」について書いている。

日本語には主語がないとよく言われるけど、その点についてもページを割いて解説があり、とても読みやすく日本語がより好きになる本。


日本のデザイン/2011

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日本を代表するグラフィックデザイナー原研哉が、日本のデザインについて語る本。

無印良品のブランドイメージをつくった人、と言えばどのくらい有名なデザイナーか理解しやすいかと。

説明することが難しい「デザイン」について、しっかりと自分の「ことば」で言語化できる稀有な存在。

「もの」のデザインだけでなく、その先にある生活や環境や文化まで考えてデザインする、「日本のデザイン」とは何か、を問い続けている人。

デザイン」という枠を超えた、物事に対する考え方、向き合い方を、丁寧に“ことば”にした良書。


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