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19年目のクリスマスツリー

毎年クリスマスが近づいてくると、
お父さんがクリスマスツリーを出す。

いつも玄関に置いてあって、大きさは7、80cmぐらいで決して大きいとは言えない。でもキラキラいろんな色に変化して1番上には大きな星がついている。

小学生の頃、わたしの家は裕福とは言えなかった。
わたしは友達の家にあるクリスマスツリーと比べてしまって、
「○○ちゃんちのクリスマスツリーはもっとでかいし、いっぱい飾りがついとんのに、なんでみうんちはこんなにちっちゃいん!」
と言ってしまったことがある。

お父さんは、
「お父さんとお母さんが頑張って働いて家族のために買ったクリスマスツリーやのに、そんなん言わんといてほしい」
と真剣な顔で言った。

今日、家に帰るとクリスマスツリーが玄関に出されていた。
「おー!クリスマスツリーある!綺麗なあ」

これはわたしが心の底から思って、素直に出た言葉だった。同じクリスマスツリーでも10年も違えば、感じ方は違うんだなあ。

この家に生まれてきて間違いだったと思うこともあったけど、今ならこの家に生まれて来れて本当によかったと思える。ありがとう。

お父さんはこの出来事、覚えてるのかなあ。

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