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お家で真似したい”ごっこ遊び”

子どもが主人公の小説を読むと、その子のことが愛おしくてたまらなくなる。子どもたちは純粋でストレートだ。難しい言葉を知らない分シンプルな表現で核心を突いてくる。そのことに大人がドキッとする場面は端から見るとちょっと笑える。

今日紹介したい小説は、作中で子供たちがユニークな遊びに興じている。お子様がいらっしゃるご家庭のお家生活を楽しくするアイデアとして参考に..もちろん大人の皆さんも。

あこがれ/川上未映子

主人公は同級生の麦くんとヘガティー。4年生の時の麦くんの初恋のお話と、6年生のヘガティーが家族について考えるお話の2話。

*真似ポイント→麦くんはニックネームを付ける天才です。初恋のお相手はサンドイッチ屋の売り子のお姉さん。アイシャドウで目の上が真っ青なので「ミス・アイスサンドイッチ」。「ヘガティー」はオナラが紅茶みたいな匂いだから屁がtea→ヘガティー。‥あぁ、可愛いなあ。お友達に変なニックネームを付けるのはあまりよろしくないと思われるので、例えばお家の中の物、リモコンとか台所用品とかにニックネームを付けてみてはどうだろうか?

まく子/西加奈子

主人公は小学5年生のさとる。さとるの家は小さな温泉街で旅館を営んでいる。ある日物凄い美少女・コズエが転校して来るが実はこのコズエちゃんには秘密があった。(もうビックリ。想像をはるかに越える秘密でした。)

*真似ポイント→コズエは水やら砂やらなんでもかんでも撒くのが好き。まく子=撒く子。お家で水や砂を撒くのはNGなので、例えばお母さんが食事の時に「美味しいを撒くよー」とか、面白かった事を話す時「これから面白いを撒きまーす」なんて言ってみるのはどうでしょう。そう言えば我が家では昔よく”スーパーボール撒き”をやってました。階段の上からスーパーボールを何十個もいっぺんにバァーって落とすと下で待ってる子どもたちが大喜びでした。もちろん拾うのは大変でしたけどね。

また、同じ夢を見ていた/住野よる

主人公は友達のいない小学生・なっちゃんこと奈乃花。小説を書いてる南さん、季節を売ってるアバズレさん、一人暮らしのおばあちゃん、そして尻尾の黒い猫、学校の外には友達がいるから寂しくなんかない。国語の時間に「幸せとは?」という課題が出てなっちゃんはその事をずっと考えている。お友達それぞれの「幸せとは」の答が素敵だ。(気になる方は読んでみてくださいね。)

*真似ポイント→なっちゃんは「人生とは○○のようなもの」というなぞかけが得意です。例をあげると‥

・人生とは「給食」のようなもの、そのココロは「好きな物が無い時でもそれなりに楽しまなくちゃ」
・人生とは「プリン」のようなもの、そのココロは「甘いところだけで美味しいのに苦いところをありがたがる」

小学生にしてはちょっと生意気な感じです。他にも作中になぞかけが沢山出てきます。ちなみに私はオセロのくだりが好きです(気になる方は是非読んでみてくださいね。)ということで、家族でなぞかけ大会。ちょっと難しいかなと思ったら、作中のなぞかけをクイズ方式にして、「そのココロ」の部分を答えるというのはいかがでしょうか?はい、整いました!

琥珀のまたたき/小川洋子

母親によって古い洋館に閉じ込められた兄弟が主人公。大きな声を出してはいけない、塀の向こうには魔犬がいるから外には出られない、など母親の言いつけを守って暮らしている。静謐で美しく切ないお話。

*真似ポイント→2つあります。まず1つは、彼らの家には変わった図鑑がいっぱいあります。その中からパッと開いたページにあるキーワードをいくつか組み合わせて新語や物語を作る、というもの。
もう1つは、オリンピックごっこ。彼らの図鑑の1つが「オリンピックのすべてがわかる図鑑」。1人が選手役になり、あとの人がインタビューをする、というもの。
東京オリンピックが来年に延期になった今だから、オリンピックを楽しまなくちゃ。

いかがだったでしょうか?おうちで過ごす時間が増えていく中で、飽きない工夫をしながらおうち時間を楽しんでみてくださいね。もちろん読書もおすすめです。

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