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清貧女子の生き方に倣う

今さらですが、やっぱり書きたい。『おカネの切れ目が恋のはじまり』。このドラマは三浦春馬さんの最後のドラマ。観ている最中は春馬くんがそれはそれは可愛いくて愛おしくて、ドラマが終わるといつも、もうこの世にはいないということを思い出しては悲しくなる。

春馬くん、最後に素敵なドラマをありがとう。

最終回は、春馬くんが亡くなってから撮られたものだろう。台詞の一つ一つに、スタッフや共演者の方の春馬くんへの想いをつい読み取って泣いてしまう。ああいった状況でこのドラマを完走させた脚本家さんの力量がすごい。

さて、今日私がおすすめしたいこのドラマのもう一つの魅力は、松岡茉優さん演じるOLの“清貧女子”な生き方だ。第3回、春馬くんとのこちらのやり取り。人生初デートに合うアクセサリー(イヤリング)を探すシーン、気に入ったアクセサリーに出会い即購入、と思われたが、そこで。

「でもちょっと待ってください。」
「えー気に入らない?」
「いえとんでもない。気に入ってます。ていうか正直一目惚れです。ですが新しい物をお迎えする時は細心の注意をはらうようにしています。」
「細心の注意?」
「この子を本当に最後まできちんと大事にできるかどうか。
加えてアクセサリーや宝飾品類は3つまでと決めておりますので、手持ちのアクセサリーと相談しなくてはいけませんね。」
「そ、相談?手持ちのアクセサリーと?」
「この子をお迎えするということは、別の子とサヨナラをしなくてはいけないので」
「そんなわけのわからないこと言ってる間にデートの日来ちゃうよ」


‥可愛くないですか?彼女はいつも可愛いことを言うのです。
中学の時から片思いをしている先輩に対しても、朝起きたらまずその人のいる方向に向かって挨拶をし、神社などに行けばその人の健康と長寿を祈る。「そんなことしてたの?」と春馬くん。おっしゃる通り。見返りを求めない愛ってやつです。

そして、物を大切にする。
そういえば第1回目で、買うかどうかを1年間悩んで、やっと“お迎えする”決心がついた豆皿を買いに行くと、先に春馬くんが買っちゃうっていうのがあって。多分その豆皿、2〜3000円くらいだと思うんですよ。1年間も悩むことないと思うんですよ。そういうとこがホントに良い。あとこんなことも。行列が出来るスイーツを1時間並んでやっと買えるってなった時、他のお客さんは一人で何十個も買っているのに、彼女はたったの1個だけ買う。そのために1時間並べる人。そしてそれを、大事に大事にゆっくり噛み締めながら食べてこう言うんです。

「あぁ、良き。」
「ありがとう、くるみクッキー」
「ありがとう、130円」


この、“良き”からの“ありがとう〇〇”のフレーズ、我が家で結構流行ってて、娘たちがいつもそれに倣って喋ってます。このドラマが、普通に全10回とか放送されていたら、きっと流行語になったと思う。いや、もうなってるか。

松岡茉優さん、とても役に似合ってました。そして演技がとても上手。この役はハマり役であり、松岡茉優はすごい女優さんになってたはずです。(もちろん今でもすごい女優さんですが、もっと知名度が上がりもっと引っ張りだこになるはずだったと思うのです)

役はともかく、私はこの“清貧女子”な生き方、なんていうと大袈裟かもしれないけど、物を大切にする心は見倣いたいと思った。最後まで大事にできるかどうかを考えに考えて、本当にそう思えた時にやっと購入を決意するような。安い物だからって、一目惚れしたからって、パッと買わないのは意外と難しい。考えてる間に売れてなくなっちゃう心配もあるし。でも、それはそれで“ご縁がなかった”と諦める。そこまでが“清貧女子”が清貧女子たる所以です。

手元から離れていく物(ドラマでは新しい子をお迎えするにあたり、新しい子とサヨナラする子をアクセサリー屋さんと交換した)に対しては
「今までありがとうございました。これからは〇〇さんの元で末長くお幸せに。」
こんか風に暮らしていけたらとても素敵。そんな暮らしぶりを少しでも真似したいと思った。

私も自分の持ち物にはこだわりがある。案外服や靴より、文房具とかハンカチとかに思い入れがある。一目惚れも多い。だからこれからは気をつけよう。その子を最後まで大事に出来るかどうかをじっくりじっくり見極めて。

そうすれば無駄遣いや衝動買いが減る。良き。

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