“家族で美術館”のススメ②〜大好きなジャーニーのジャーニーを辿るジャーニー
こちらのジャーニーの続きです↓
さて次は“宇宙”、カザフスタンや種子島のロケット発射基地と並んで、アメリカの核ミサイル発射基地の写真。発射括り。人類と科学の発展は希望と絶望が表裏一体であると実感させられた。今もロシアとウクライナの争いは続いていて、映画『オッペンハイマー』が話題になった今年。スティングの曲でオッペンハイマーを知ったという俳優さんの発言でこの曲も話題になったことを思い出す。
“創造”ゾーンのサブタイトルは“無駄という人類の天賦”。
取り壊しが決まった村の家々の壁に絵を描いたら話題になって取り壊しどころか観光地になってしまった。
躓いた石の形が気に入りそこから石拾いが日課になった郵便配達人がその石で創造した宮殿のような建物は国の文化財になった。
母親以外との交流を断絶した貧しい青年は家の周囲に自作の“友達(人形)”を置きそれが話題となり大勢の人が訪れるようになった。(本人は早く帰って欲しいと思っているらしいけど) などなど
一つのことをやり続けるすごみを感じたゾーン。
“博物館”ゾーンにはグロテスクで不気味な写真が並んでいた。パトリシア・コンウェルの小説のタイトルにもなっていた死体農場(ボディ・ファーム)は遺体の死後経過を観察するための研究施設。人間の頭蓋骨ばかりを集めた博物館、ホルマリン漬けの奇形児の標本が並ぶ博物館、その名もミイラ博物館はもちろんミイラを集めているし、トルコの洞窟にはそこを訪れた女性観光客に提供してもらった髪の毛が垂れ下がっている不気味な空間。私の中の“怖いもの見たさ”が満たされるゾーン。
逆に、“死”がテーマのゾーンは意外にもカラフル。飛行機やら魚やら変わった形の棺桶も、死者を敬うお祭りも、楽しげな雰囲気が漂う。そういえば韓国ドラマによく出てくる納骨堂はコインロッカーみたいな箱型のガラス張りのケースがずらっと並んでいたが、佐藤さんの作品にあった日本の納骨堂はもっとハイテクで近未来的だ。世界には、故人の遺体(ミイラ化している)を何年かに一度取り出して服を着替えさせたり一緒に写真を撮ったりする儀式(日本でいう◯回忌法要みたいな)もあるらしい。これは別のジャーニーさんの回で知った。
国や習慣が違うと、死の扱い方や考え方が違うということがわかる。
“信仰”ゾーンには仮面をかぶって無病息災や五穀豊穣を願う人々。国が違えば仮面の様子も違う。それもそのはず、仮面のモデルは精霊や鬼など様々だ。また願いを叶える方法も、仮面の人が泥や赤土を人々に付けて周るとか、皆でダンスを踊るなどその土地の風習が表れている。
さて、最後は“現代の神話”と名づけられたゾーン。UFOからネッシーまで、まさに信じるか信じないかは私次第のゾーン。誤解のないように言っておくがネッシーっつったって、ネッシーが写ってるわけではない。ネス湖の湖面の波型がネッシーを想像させる写真なのだ。“そこに何かいる”手法(私が勝手に言っとりますが)、とにかく写真が上手い。当たり前です、カメラマンさんですから。
面白かったのはロシアの超能力学校。念力や透視などの“超能力”を誰でも使えるようになるための訓練プログラムを実践している。この研究は今も進行形らしい。
ナスカの地上絵とかイースター島なんて他の写真に比べたら見慣れすぎていてもはやそれでは物足りない体になってしまっていた私。
言い忘れていたけど佐藤さんはドローンの名手。だからナスカの地上絵にしろ、溶岩が噴き出す湖にしろ、迫力ある写真が撮れるのです。
もう一つ言い忘れていたけど、私、佐藤さんの作品だけでなくご本人のビジュアルも好きです。(トップ画像の右上、ご本人のサインがありました)
世界中の珍しいものを巡るジャーニーを写真で体験出来るこの作品展。実際にそこに行くことは難しくても貴重な体験であることに変わりはないと思う。ホントに楽しいジャーニーでした。
さて、奇界遺産を存分に満喫した私にはもう一つ行きたいところがあった。それは‥
スナバコーヒー
ご存知、“スタバ”がない唯一の県だった鳥取県(今はあります)が、スタバに対抗して作ったその名もスナバ(=砂場)コーヒー。砂丘で有名な県らしいネーミングと、スタバを文字ってるセンスが話題となりました。ここにしかないという意味ではスタバより貴重。
あ、ひらがな標記でした。
すなば珈琲、です。
地方には小さな美術館が沢山あります。何か(誰か)に特化してるところも多いし興味がある企画展が見られるならこれほど楽しい場所は無い。入場料だって1000円ちょっと(今回は“サトウ”さん、または“ケンジ”さんは100円引でした)だし、大体カフェが併設されているからうちのちゃまみたいに興味がなくてヒマな人はお茶でも飲んで待ってたら良い。遠くに旅行に行ったりしなくても、近くでゆったり楽しめて満足出来るなんて、家族で行くにはすごく良い。
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