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人の気持ちを推しはかる


私は友達が多いほうではない。多いと思っていたけど“浅く広く”をモットーにしていたらふと考えた時に友達と呼べるレベルの人があまりいなかった。

こんな私でも長く付き合ってくれている友達もいる。
中でも、うちの子が幼稚園の頃に知り合ったママ友数人とはその後もずーっと仲良しで、子どもがいくつになろうとも私たちの関係は続いていたし、ここまできたらこれからも多分ずーっと続いていくものだと勝手に思っていた。

その中に、感染症が流行って会えなくなって、そしたらなんとなく疎遠になって、お正月にLINEで『今年もよろしく』のやり取りはしてもそのあとはお互い連絡を取ろうともせず、何となく5年経ってしまったママ友がいる。感染症が流行ってるからといっても別に会おうと思えば会えたし、実際別のママ友とは何回もランチしたり飲み会したりしていた。では何故彼女を誘わなかったかというと彼女がことのほか感染症を怖がっている、と人づてに聞いたからだ。「誘っても多分来ないよ」と、私はそれを鵜呑みにしていた。


別のママ友と年明けに新年会をした時彼女の話題が出て、さすがにもうそろそろ誘っても良いんじゃないか、と思い暖かくなったら飲み会かランチをセッティングすることとなった。連絡係は私。4月は新年度で何かと忙しいので、ゴールデンウィーク前後の日程で皆の都合の合う日を選んだ。候補日は4つ。

3月の終わりになって彼女にLINEをした。
久しぶりに会いたいです、と。出てきませんか?と。
彼女の自宅は私たちが住む市街地から車で15分くらい。子どもが幼稚園の頃は市街地に住んでいたから私たちはママ友になれたが、その後郊外に家を建てた。歩いてでも集まれる私たちと違って彼女は車での移動が必須。田舎なので交通手段が無い。


飲み会の時は旦那さんに送ってもらって帰りはタクシーでとか、自分で運転してきて代行とか。都合が合えばうちの主人や娘、あるいは他のママ友の家族に送り迎えを頼んだこともある。さぞ気を使っていたはずだが、それでもそうやってでも参加してくれていた。久しぶりの再会を待ち望んでいたのは私だけじゃなくきっと彼女のほうもそのはず。どうにか自分で手段を見つけて参加してくれるだろうと思っていた。ところが、

「足(交通手段)が無いので飲み会はちょっと‥私のことは気にせず楽しんでください」と返ってきた。寂しかった。

断られるのは良い。ちょっと考えてみるねと、結果いろいろ画策してみたけどどうにもこうにも行く手立てがないーというのであれば納得できる。我が家も、以前であればちゃまに送迎を頼めたが今は車の運転をやめているのでそうもいかなくなった。ちゃまの代わりに娘にお願いするのは「考えてみたけど行く手立てがない」となってからでも良い、と思っていた。でも、彼女からの返信は即答だった。だから余計に寂しかった。

ならばと、ではランチに行きましょうと誘った。ランチなら自分で運転して来てくれたら良いし、迎えに行っても良い。足はどうにでもなる。ランチに行ける日の候補日をいくつか決めて彼女の返事を待った。

「27日ならOKです」と返ってきた。嬉しかった。
めっちゃ楽しみ、場所や時間はまた知らせます!と返信した。すぐに他のママ友にも知らせて、楽しみだねーって盛り上がった。お店を予約するのに何系(和風とかイタリアンとか)が良いか聞いといてーと言われそのことをLINEした。程なくしてLINEが来た。

「カレンダー見たら連休だったのでやっぱり無理です。ごめんね」

27日は確かにGWの初日だ。けれどその言い方だと今の段階で予定があるって感じでもない。ただ連休だから空けておきたいという感じに思えた。そりゃまあ、連休だから息子さんたちが帰って来たりとか、温泉好きな旦那さんと旅行とか、いろいろあるよね。うんうん、わかった。なら今度は彼女の都合の良い日に行こうねーと、とりあえず今回は彼女抜きでランチに行く話が決まった。


こんなことがあったんだよとちょまと次女に話した。別々に話したけど2人は同じことを言った。

「それはもう、皆とは行きたくない、付き合いたくないってことなんじゃないの?」

え、そうなのかな。いや、ちょっとそんなふうにも感じてはいた。以前とは違って少し距離を感じたし、私たちと会うことに情熱を感じていない風だった。

「久しぶりだから会えなかった間のことをあれやこれや聞いちゃうでしよ。それがイヤなんじゃない?聞かれたくないことがあるのかもよ」
とは、次女の感想。あはは、確かにずっと会えてなかった間どんな風だったとか、息子さんたちはどうしてるかとか、いろいろ聞いちゃうね。聞かれたくないのかもね。私は納得した。

でも彼女はLINEの最後にこう書いてきた。

「みとんちゃん、段取りありがとう」って。
だから私はこう返した。

「ううん、〇〇ちゃんが嫌じゃないなら是非また」と。


彼女がまた集まりに出てきてくれることを信じて、次もまた誘ってみようと思う。
でも私は知っている。実は断るのにもパワーが必要ってことを。
また誘われた、今度は何て言って断ろう‥そんな風にストレスを感じているかも知れないってことを。

だから、ほどほどのところで諦めてあげることも大事。
諦めてあげたほうが良いか、誘い続けたほうが良いかは、彼女の反応で推しはかるしかない。




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