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センスの塊


3月に第二子が生まれた職場の方から内祝いをいただいた。それがあまりに可愛かった。その人(男性)は見た目はいたって普通(失礼)なのだが、いつもオシャレだ。ダークスーツが多い中、その人はベージュやチェックの上着を着て来る。シャツもボタンダウンやギンガムチェックの可愛い物をよく着ている。車は外国の小型車。お茶を飲むマグカップや、書類を挟むクリアファイルも、他の男性陣のような、“使えれば何でもいい”という感じが無い。持ち物一つ一つにこだわりを感じる。もしかすると奥様がセンスが良い人なのかも知れないが、うちのちゃまのように私が良かれと思って選んだ物を、逆に変なこだわりのために持ってくれないという人もいる。そういう意味では、やはり本人も良いセンスの持ち主ではないだろうかと推測する。


結構おっちょこちょいで、いつもバタバタしていて、落ち着きの無い人なだけに、そのギャップは意外。
そんな彼がくれた、内祝い。その日職場に行くとデスクに置いてあった。手提げの紙袋の中を覗くと、『赤ちゃんが生まれました』というカード、まずこれが可愛い。和テイストの柄がプリントされたカード。真ん中にお子さんの名前。ちょっと古風なお名前だ。そういえば上のお子さん(長女)も古風なお名前だったなぁ。そして次、“うめ”と書かれた小さなピンクの缶。梅茶かと思ったが、缶を見るとどうやら味付け海苔だ。そういえば、彼は夏休み明けにどこぞに行ったお土産だと、職場に味付け海苔を配っていたことがある。きっと海苔が好きなのだろう。


そしてもう一つの小さい箱には、鈴の絵が描いてある。何が入っているのだろう。イメージ的には、金平糖とか飴が入ってそうだ。もしかするとかりんとうとかおかきのような物かも知れない。家に帰って開けるのが楽しみだ。
そこで気づいた。梅と鈴、2人のお子さんのお名前にちなんだ物だ。なるほど。さすがだ。


さて家に帰って、早速小さな箱を開けてみた。中には小さなミニサイズの紅白のかまぼこが入っていた。おぉ、これは予想外。予想外にしてめっちゃ嬉しい。紙袋を見ると、確かに“KAMABOKO”と書いてあるではないか。なんか、やられたわ。こんなお返し、初めて。可愛くて予想外で、嬉しい。センスの塊のような内祝いだ。
職場での慶弔は、連名でのことが多い。よって、大した金額を包んだわけではない。しかし、こんなに素敵なお返しが来るんだと思うと、値段じゃないよね、こだわりだよね、センスだよね、気持ちだよね、と思わずにいられない。

翌日、その人に内祝いがとても可愛いくて嬉しくて感動したことを伝えた。奥様が選んだのか聞いてみたら、一緒に選んだとのこと。梅と鈴は思った通りお子さんたちのお名前を意識して選んでいた。女性ならこういうところにこだわってもおかしくない。でも例えばうちのちゃまだったら、そこまでこだわらなくても良いと言うだろう。こだわりを感じる可愛いお返しを一緒に選んでくれる旦那さん、もうそれだけで充分羨ましい。
「我ながら可愛くまとまったなぁって思ってました」とのこと、そして私が褒めたことをとても喜んでくれた。こだわりがある分、そこに気づいてもらえるかどうか、もし私だったら自分のこだわりポイントに気づいてもらえたら嬉しいだろうなぁと思ったから、だから言葉で伝えて良かったなって思った。とてもほっこりした日になった。


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