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甘野充のお気に入り

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#詩のようなもの

【詩】心旅行

通り過ぎる青空を 通り抜ける感情を 追えば小さな心の隙間 残る寂しさでは埋まらない 風穴が寒いだけ 望む私を なれない私を そっと忘れる心旅行 私は一人だけでいい 眺める青空の眩しさに ただ心打たれる そんな私だけでいい

〈花と少女〉詩6428

誘惑

甘い匂いのチョコは あなたに出会い 恋を知った 抱きしめられて あなたの体温でとけながら 愛を知る 甘い匂いで あなたに絡みつき 甘い匂いで あなたを魅了して あなたを虜にしてみせるわ あなたは チョコの甘い匂いに 翻弄されて 逃げれなくなる

酒涙雨(さいるいう)

この雨の音、雨の線、 緑に映える色の無き水音を 例えば、男が夢想する娼婦性に例えた作家が居ればこそ かの娼婦の如き無垢なる女も 乙女の如き邪まな計算高い女も 全てが靄った景色に溶けて 一人称たるわたしすら 最早 自己の本質を掴めず 掴みたくもなく 足掻いて取り乱し その結果 無残であろうと ことの本質を情動を知るべく こんなツマラナイ夜は ひたすら 鏡に向かって流し目など作り 嫣然と微笑むという 無為なる時に 逃げるに限る 猫が戻って来た

二両列車

ローカル線の二両列車 この電車を逃したら 次は二時間後 皇圓上人の御供養に間に合うように 知り合いのお姉さま方とご一緒に 二両編成の短い列車はピーチク、バーチク 皆さん、話に花が咲く 乗り合わせたおじさんは迷惑そうに席を離れてゆく 同じ車両には半袖半ズボン、裸足に草履を履いた保育園児の団体も あっちもこっちもにぎやかだ 車窓には桜が咲き誇り 菜の花も笑ってる のんびりと電車はかけて行く 終点の一つ前 保育園児の団体が降りる駅 わたしたちの前の通路を先生に連れ

あの 角 曲がって 3つ目 の 街灯 の 下 待ちあわせ 明かり 灯る 瞬 時雨 ふる 宵 すこし 寒くて すこし 心細くて 君 の 手 に 触れて みたら つつまれて その 胸 に 顔 を うずめて すこし 泣いた ✧︎

【詩】帰りのバス

夜のバスの帰り道 見えない景色を眺めながら 時々目が合う私では 心は私に戻れない お疲れ様を言いたくて お疲れ様を言われたくて そんなありふれた言葉でも あなたでなければ意味がない

森の中

自作詩の朗読をしてみました。 録音するのは初めてなので ドキドキしました。 ご愛嬌という事で多少のミスはお許し。

彼女

彼女は、どんな人間だったのかぃ。 やたら開けっぴろげで高笑いしていたさ。 教養なんて無いけど、いい女だったよ。 誰彼構わず、節操ないふしだらな娼婦さ。 いや、泣くように酒煽ってたよ。 彼女は、止まり木探していたんだろうよ。 そんなヤワな女かい。 誰も、彼女を知らないし知ってるさ。 彼女が居たら、例の目つきで あんた、辛いんだろ、おいでよ。 弱くて結構さ、あたいも弱虫だもん。 って、誘うだろうよ。

精神の窓

 雲の隙間から覗き込む光  氷が溶けきったぬるいコーヒー  テーブルには君が描いた  作りかけの似顔絵    雨上がりの匂い  落ち葉の風に運ばれて  あの日のまま  止まった午後二時の時計  割れたガラスはもう直したけど    変わらない世界が  いつでもここにあったらなんて妄想  願うだけ無駄なのでしょうか?  虫籠越しに眺めていたいけど  あまりにも時の流れが速すぎて    ハンガーにもかけられず  脱ぎ捨てられた服、  紙クズ、糸クズが  渦を巻きはじめる    夜な

わたしにさえ わからない のに

 わたしの 声は  どんな 色を していますか  わたしの 言葉は  どんな 形を していますか  わたしの 心は  どんな 香りを していますか  わたしの 表情は  どんな 姿を していますか  それは 本当に 見えているの かしら  それは 本当に わかりえるの かしら  わたしは わたしは  どんな 想いを している  どんな 感情を している  わたしに それが  わかるの かしら  声や 言葉や 心や 表情や  それが わたしを 表す

夢のプレゼント(ちびひめ版)

しんしんと降り積もる雪 あなたからのプレゼントを待つ 寝たふりをして 今年のプレゼントはとっても欲しくてたまらないもの 今まで我慢してきたから クリスマスくらい、誕生日くらいおねだりしてもいいでしょう? 私の誕生日はクリスマス クリスマスプレゼントとお誕生日は別々にプレゼントをもらえるの だけど今年はいっぺんにでいいからと 大きなお願い事をした どうか どうか 離れて暮らすお母さんに会えますように いつかのように笑って会えますように おばあちゃんた

詩「木漏れ日のような」

それはとても細やかで よそ見をしてる間に つい見失ってしまうほどのもの 形があるようでないような 色さえあるようでないような うまく説明できないけれど きっと誰でも知っているのに 忘れたことさえ忘れてしまうほど ありきたりなもの 例えて言うなら 春の日の木漏れ日のような 儚くて哀しいもの

【詩】夢ならば

目が覚めて 見た夢を忘れるように あなたの事も忘れられたら いつまでも囚われて その分心が小さくなって あなたがいなくなって その分世界も小さくなって それでも今日も明日も続くのは 時間と私が揃ってないと 忘れることはできないから 夢のようで 夢ではなかったのだから