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エフォートレス思考からの学び

こんにちは。ヨシミツダです。
今日は、ベストセラー「エッセンシャル思考」の続編である「エフォートレス思考」について紹介したいと思います。

エッセンシャル思考

エッセンシャル思考とはその名の通り本質を知り、本質を生きるための考え方です。

選択すべきことを選択し、これしかないと思えることを選ぶ。成果を生まない努力をやめる。
ノイズを除外して、断固としてエッセンシャルでないことを上手に断る。

という内容でした。
しかし、その後著者自身がエッセンシャル思考の課題にぶつかり、このエフォートレス思考にたどり着くのです。

エッセンシャル思考の課題

よく人事研修などで、壺の中に小さな石からいれるとあとから大きな石は入らなくなるので、大きな石から入れましょうという話がでてきます。
しかし大きな石からいれても容器に入りきれないような場合、つまりエッセンシャルなことがたくさんある場合にはどうしたらよいのでしょうか?
こんな話からエフォートレス思考は、はじまります。エフォートレス思考とは、つまりエッセンシャル思考をどのように実行すべきか極める思考なのです。

最低限のことを終わらせる

あることに取り組んでいるとき、あるポイントを超えると努力の量は結果に結びつかなくなります。
これを「収穫逓減の法則」といいます。
この状態で無理やり頑張っても、成果が上がらないだけでなく心と体がバーンアウトしてしまいます。

最新の脳科学および心理学によると、「今」として体験される時間はおよそ2・5秒らしいです。
大きな成果もこの小さな現在の繰り返しです。
裏返せば人の注意は2.5秒で移り変わってしまうのです。
そして、マイクロバーストと呼ばれる最高の状態で集中できる時間は約10分だそうです。

必要以上の努力が、重要な成果につながることはほとんどありません。だから、頑張りすぎて挫折するより、最低限やるべきことを最も集中できる時間内に終わらせた方がよいのです。

エフォートレスで知識を取り込む

知識を意味あることとして取り込むためには、知識の関係性(つながり)を理解しておくことが重要です。この本ではセマンティックツリー(意味の木)としてこの知識の繋がりを紹介しています。
詳細を見る前に土台となる幹や大きな枝を理解しておかなければ、枝葉を理解しようとしても意味がありません。

幹と大きな枝がなんなのかわかったら、そこに
対してリターンの大きな原理・原則となる知識ソースから知識を獲得します。こういった知識は長く読まれている本、つまり古典から得られる可能性が高いので、この本ではなるべく必要な分野の古典となる本を読んだ方がいいと薦めています。そして知識を累積的にすることで理解の効率を高めるのです。

知識の累積的な成果を得るためには、まずは他人に学ぶことですが、より大きな成果を得るためには自分だけの知識を見つけ出して伸ばすことが大事です。

みんながやっていることをとても上手にやるよりも、誰もやっていないことをそこそこうまくやった方がいい。さらに、誰もやっていないことをとことん極めればあなたなたの価値は飛躍的に高まる。

これは知識の選び方に関するリターンの話をしています。他人にとって難しいのに自分にとって簡単なことや、今ある知識を土台にして、誰よりも上手く学べそうな分野はないかを見つけることができれば、自分だけのユニークな知識を創造することが可能になります。

独自の知識を持っている人は、信頼されて人もチャンスも集まってきます。「自分だけが知っている」という状態は、大きなレバレッジになります。

ということで、知識獲得のソース選びや、獲得しようとする知識自体のレバレッジを考えようという話でした。知識獲得のソースに関してはこの独自知識を使って繰り返し得られる成果に関係するかという観点でチェックすると良いでしょう。

記憶への定着の仕方と伝え方

エフォートレスに実行するには、知識をいかに効率よく定着させるかが重要です。
誰かに教えるかもしれないと考えることで、学びの濃度を高めることができます。実際に人に教えてみることも良いでしょう。

伝え方にも工夫が必要です。メッセージはわかりやすいだけではなく、誤解されにくいことであることが必要です。無駄に難しい言葉を使わないこと。頭のよさを見せつけようとしないこと。理解しやすく復唱しやすいストレートなメッセージを選ぶことが大事です。

もっとも重要なことを最もシンプルに伝えてできるだけ多くの人に届けることで、伝達の効率を高めることができます。

重要な行動の自動化

文明の進歩は、何も考えずに実行できる重要な作業を増やすことで実現される。

できるだけ多くの重要な行動を自動化していくことも重要です。知識を使うにしても認知負荷が高まりワーキングメモリ負担がかかりすぎると、人はどうしてもミスを犯してしまいます。
このため、できるだけ人間の力を必要とせず機能を実行するための自動化を活用するのです。

調整コストの低減

エフォートレス思考では、信頼の重要さも強調しています。他人と共同作業を簡単にするときに、信頼があれば労力が少なくて済みます。

信頼関係があまり構築できていない場合、自分の言動がどう受け止められるのかなど、考えているうちに疲弊して日常の会話も苦痛になります。他人の仕事も監視し、締め切りを思い出させて、成果物を細かくレビューする。そのうち自分でやった方が早いということになり自分でやってしまう。結果としてやる仕事がどんどん増える。信頼関係がなければチームのパフォーマンスは上がりません。
エフォートレスであるために信頼構築は重要なのです。

「あなたの判断を信頼する。」という言葉は、相手の信頼も生みだし、信頼が信頼を生んでいきます。
信頼関係の構築は累積的な成果につながるレバレッジとなります。

私は、信頼関係がなぜ大事か感覚的にわかったつもりにはなっていましたが、ロジカルに理解できていませんでした。この本を読んでエフォートレスに成果をだすために信頼が重要ということを再認識しました。

時間管理のロングテール

イライラするけど、ささいなことなので放置していることはないでしょうか?
気になっているが、わざわざ解決するほどでもないと感じてしまうこと。その場で解決しようとすると割に合わないと思われる作業は身の回りにないでしょうか。
例えば私が思いあたることとして
・机や椅子のがたつき
・暖まらないエアコン
・一部が映らないパソコンのディスプレイ

これらの問題を放置した場合、一回の認知的負荷や不快感は大したことがなくても、何度も繰り返し発生すると多大な影響を与えます。これが時間管理のロングテールです。このような最大のイライラを解決できる最小のステップを自分に問いかけることが重要です。

こういった問題に対処する場合に枝葉に対してのみ対応していて、根っこの問題を放置していることはないでしょうか?
長期的なイライラを生みだす根っこの問題に対処することでレバレッジはさらに大きくなります。

予兆をつかむ

イライラや問題がおきて対処するのではなく、予兆をつかむ仕組みもエフォートレスな行動です。
問題が現実化してしまうとより大きなエフォート(労力)を必要とするからです。
この予兆を捉える仕組みをなるべく自動化して持つようにすることでエフォートレスに物事に対処できる確率が高まります。

番外編:セルフセマンティックツリー

最後にこの本に書いてあったことではないのですが、セルフセマンティックツリーという考え方を紹介したいと思います。

これは自分にとってエッセンシャルなことかどうかを判断する基準として、幹、枝、葉などに分けて大切にしている価値観や興味を分類するというやり方です。

幹・・自分の根幹をなす興味、形は変わるかもしれないが一生をかけて追求したいこと

枝・・幹よりつらなる重要な実現方法、行動に移すための手段に関わる知識。職能に近い。すぐには変わらないが、変わる可能性もある。

葉・・時代の流行に現れる枝に関する知識やスキル。フレッシュで刺激的だが、変遷したり廃れたりする賞味期限は短い知識

今の時代、情報は多すぎるし、情報を提供する側もあの手、この手でこちらに伝えようとします。
強制的に共感を要求しているとも言えます。
単にセンセーショナルだったり、周りの人が注目しているからといって取り込んでいる知識が多くないでしょうか。そんな時、自分自身のセマンティックツリーと照合してその知識がエッセンシャルなことかどうかチェックするのです。
これにより、多くのことがノイズであることがわかります。

計画的偶発性理論

セマンティックツリーの問題として、固定化した情報に注目するあまり、視野が狭くなったり自分の価値観に閉じこもってしまうリスクがあります。

その時に参考にしてほしいのがD.クランボルツ教授らが提案した計画的偶発性理論です。計画的偶発性理論というのは次のような考え方です。

個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される。その偶然を計画的に設計し、自分のキャリアを良いものにしていこうという考え方。

この偶然による発見の機会を計画的に設計し、自分のセマンティックツリーをアップデートしていくことをお勧めします。

具体的には、
・日頃足を運ばない場所に行ってみる。
・専門外の分野の話を聞いてみる。

というような行動を時々予定にいれるということです。

天才性(ジーニアス)の探究

では、このセマンティックツリーや計画的偶発性理論で設定すべきテーマはどういった観点で選んだら良いのでしょうか。エッセンシャルであることはもちろんそうですが、健康やお金など一般的なことしか思いつかない人もいるかと思います。

私は天才性(ジーニアス)を基軸にこのセマンティックツリーを構成することをお勧めします。
天才性とは誰もが持っている資質で、その人が発揮することで幸福感を感じる資質のことです。

世界のエリートと呼ばれる人たちは、われわれがステレオタイプで持っているイメージのようにただ一攫千金を目標において行動しているわけではなく、このジーニアスを強く探究し、そして発揮しようとしている人達と呼べるでしょう。このジーニアスの探究は、私たち1人1人ができることです。

どうか、このエッセンシャル思考、エフォートレス思考の考え方を日常に取り込み、情報の洪水に翻弄されない自分自身のジーニアスの探究を行ってみて下さい。

ではまた。

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