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自作ゲーム「ゆるひら」の「ひらがなパズル」デザインを特許庁に意匠権登録、独学で申請&登録できた話(ザックリ版)


特許なんて一生関係ないと思っていた


noteクリエイターサポートプログラムで支援していただいてゲムマ秋初出展で販売することになった「ゆるひら(ゆるいひらがなパズルゲーム)」☆そのデザインは、長年子どもにひらがなを教えてきて「こういうパズルがあると教えやすいのに」と自分で手作り教材として使ってきたモノがもとになっている。完全オリジナルだ。
 とはいっても、そんなにそのオリジナルさに価値を感じてはいなかった。
 ゲームのルールには著作権がないというし、パクられたところで水に流さざるをえないような風潮も感じる。
 自分が考えたデザインも、ゲムマに出せれば、「ここにあるよ」的な主張がちょっとはできれば、あとはどう利用されても仕方ないような気がしていた。最初から、あきらめていた。
 でも…
 ドラマ「それってパクリじゃないですか?」で、自分が作ったモノを守る大切さを感じ、ダメもとで申請してみようと思った。

ドラマの影響で調べてみると…

 まずは、「本当に新しいことなのか?」を確認することが必要みたい。
 確かに。
 私としては、「新しいデザイン」と思っているけれど…本当にそうなのか?今までアイデアを話した人や、テストプレイをしてくれた人、同業者で勉強熱心で色々な教材を探し続けているような人達にも「新しい」と言われてきたので、ちょっと自信はあるけれど…念のため、調べてみた。
 どこか図書館のようなところに出向いて調べるのかと思ったら…
 なんと、「特許情報プラットホーム」(J-PlatPat)というサイトでサクッと調べることができた!携帯でもアクセスできる!
 とはいっても…「特許」にも色々なモノがある。
 調べてみると…よく発明とかで登録される「特許」と、その軽い版のような「実用新案」、キャラクターやロゴで有名な「商標登録」、そしてデザインに適用される「意匠登録」など色々な分野があることがわかった。
 「ゆるひら」の「ひらがなパズル」に関しては…デザインが重要だと思うので、「意匠権」かなぁ?
 おそるおそる「意匠権」の分野で「ひらがなパズル」「ひらがな」等と入力してみると…
 ない!
 私が考えたようなデザインは、まだなかった(*^▽^*)
 これは、もしかしたらもしかするかも?登録できちゃうかも?

申請には特許印紙が必要?

 そこで、今度は、図書館で知財関係の本を山ほど借りて読んでみた。
 …どの本も、書かれていることはだいたい同じ。
申請には「特許印紙」というのが必要なのね~ふむふむ。
そして、「特許印紙」は「収入印紙」とは違って、「収入印紙」で代用はできない、っと。さらに、郵便局で売ってはいるものの、大きな郵便局じゃないと売っていない、のか。なるほど~。これは、大きな郵便局まで買いにいかなくては!
 そう思って、地元で大きな郵便局まで行ってみた。2フロア形式の郵便局。ここならあるだろう、と「特許印紙を買いたいんですけど…」と言ってみる。
 と…
 「特許、印紙、ですか?」
と、「特許」を強調して聞かれた。
 「はい」
 「すいません。特許印紙は、ここではお取り扱いしていなくて…」
 え?これ以上ないくらい大きな郵便局だと思っていたのに。なぜ?
 「近くだと、どこに?」
 すると、奥から違う人が出てきて「私がご案内しましょう」と、別の窓口に案内された。
 「ここを出て、まっすぐ歩いて行くと、見えてきます」
 「まっすぐ」が長いような感じがする地図を見せられながら説明を受ける。
 まぁ、ここまで来たのだから、仕方ない。歩いて行くか。
 待たせていた夫に言うと、
 「え?結構あると思うよ~そこまでは付き合えないな」
と、先に帰って行ってしまった。ひどい。
 仕方ない。一人で歩いて行く。
 やっぱり、「まっすぐ」の距離は結構あった。夫にぼやきメッセージを送ると、「やっぱり~」と返ってきた。「やっぱり」じゃないでしょ、この場合のメッセージは。ここは、「おつかれ」とかじゃない?
が、やっと何とかたどり着く。とはいってもちょっとウォーキングしたと思えば。天気もいいし。
 今度こそ、と、窓口にいた人に「特許印紙、買いたいんですけど…」と言ってみる。
 「今すぐご用意できるのは、一万円と千円になってしまいますが…」
 と、申し訳なさそうに言われた。いい!全然いい!特許印紙がやっと買えるのだから!
 「はい。大丈夫です。一万六千円分、お願いします」

↑苦労して購入した「特許印紙」

 ~ホント、申請料が高額だ。もし申請に通っても、今度は登録料がかかる。知財って、発明した人にお金が入って来るモノだと思っていた。オリジナリティがあるアイデアを申請して、特許庁に認められたら「いいことを発明してくれてありがとう」的な報奨金が出るようなイメージだった。でも、現実は、全く別。むしろ逆。お金を払うのは発明した方。「最初に発明したという権利を登録する」というだけのもの。商品として売れなければ、発明した人は逆に大金を払うだけになる制度だなんて、登録しようとして初めて知った。知った上で登録しようとしているのは、ホント、我ながらバカだなぁ…と思う。まぁ人生の記念みたいなモノだ。
 あと、昔の私に贈りたい、という想いもある。
 昔の私みたいに、手づくり教材を作っている人がいたら、このパズルを使って、その時間分、他のことに使ってほしい。なんなら、このパズルをもとに、もっといい教材を考えていってほしい。どこにも出さなければ、退職してしまえば燃えるゴミになるだけだけど、もし意匠登録できたら、「ひらがな」とか「ひらがなパズル」で検索した人が見つけて利用したり、それを土台として更なるいいものを作ることができる「可能性」がある。老いていく時に、少しでも将来に「可能性」や「夢」があることをするのって、楽しい気がする。~

 さらに、郵便局の窓口担当のお姉さんは、
「高額なので、二者確認して参ります。お待ち下さい」
と言って、いったん奥に消えた。奥にいるエライ人が関わる案件なのか?特許印紙って。
 そして、無事、特許印紙GET!
 よし、これで申請できる!

 と、喜んで帰ったものの、実は、帰って申請用紙を改めて確認して、郵便局窓口のお姉さんが「一万円と千円しかない」と申し訳なさそうに言っていたわけを知った。
 「一万円、五千円、千円の特許印紙を貼る」
と書いてあるじゃないか!
 一万六千円という総額しか見ていなかったけれど、どの本にも「五千円」の印紙の存在が書かれている。
 しかも!役所書類にありがちだけれど、印紙を貼るスペースの大きさまで細かく指定されていた。
 上から6㎝…
 …どうだろう?ギリ二列にすれば貼れる。縦の長さ、3㎝はないだろうから、ギリOKかな?測ってみると…まぁ、ギリOK…ふぅ。
 でも、もし五千円の特許印紙があったら、3枚貼ればよかったものを、千円にしたために7枚もずらっと二列にわたって貼らないといけない印紙の圧が強い書類になってしまった。あぁ…。

オンライン申請があるじゃないか!

 さらに、特許庁のホームページを色々と読み込んでいくと…
 難しいと思って最初からあきらめていたオンライン申請が、意外とできそうな気がしてきた。YouTubeにも、公式からオンライン申請の方法がUPされている。
 これなら切手代もかからないし、いいのかも?と思って
調べていく。
 書類のやりとりはオンラインで?ふむふむ…。
 それなら特許印紙は?結局郵送するのか?
 確認すると…
 なんと、
 オンライン申請では「特許印紙」は不可!
 あんなに苦労して買いに行った「特許印紙」が使えない!
 大富豪で革命が起きたような衝撃。…なんだったんだ?時間と労力。最初からオンライン申請にしておけばよかった。
 今回は、すでに「特許印紙」を買ってしまっているから、自然と「オンライン申請」の道は閉ざされることに。(次回があるとは思えないけど)(^^;)
 苦労して手に入れた「特許印紙」が、逆に足枷になるとは。
 「今度」なんてナイとは思うけれど、人生何が起きるかわからない。万が一「今度」があったら、今度こそ「オンライン申請」にしよう。ホント、回り道をした。

 ということで、需要があるのかないのかわからない独り言的な覚え書きですが、これから「意匠権」等の申請を特許庁にする場合、オンライン申請の方が安くすむし便利みたいですよ~という話でした。さらにこの先もドタバタは続くのですが…それはそれで面白い感じがするので、「意匠権ドタバタ記」のように、それだけでまとめてみようかな?

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【2024年3月末追記】特許庁に意匠登録できました!

 なんと、「ひらがなパズル」のデザイン、無事に特許庁に意匠登録できました!応援して下さった方々、ありがとうございました☆意匠権登録までのドタバタ記、近日中にまとめたいと思っています♪

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