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読書:『ボッティチェリ 疫病の時代の寓話』バリー・ユアグロー

書名:ボッティチェリ 疫病の時代の寓話
著者:バリー・ユアグロー
翻訳:柴田元幸
出版社:ignition gallery
発行日:2020/05

 2020年のパンデミックを題材にして、バリー・ユアグローが2020年4月5日から5月11日にかけて書いた超短篇たちです。各篇は見開き2ページ程度の長さ。
 感染症が発生し、街が異様に変化していく様子が描かれるのですが、異様に、というのは比喩ではなく、本当に異様で、エイリアンがやってきたり、鯨が救急車の代わりに街路を渡っていったりします。
 そもそも第1話で発生する感染症が、症状が悪化するほど「美しくなる」という病気で……なんでしょう、この凄惨な美のイメージ。ボリス・ヴィアンを少し思い出したりもしますが……
 バリー・ユアグローは実はそれほど好きではないのですが(まとめて読むと疲れる感じがあり)、この冒頭で描き出されるこの病気の美しいイメージに、すっかり私はまいってしまったのでした。

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